全てが赤く染まった教室
窓から夕陽の差している静かな教室に、笑い声が響きわたった。
男の、掠れた笑い声だ。私は何だろう、と思って、職員室の窓から上半身を出し、その教室――多目的室を覗き込んだ。
思わず目を疑った。
窓や壁、床。そして教卓。机――。全てが紅く染まってしまっている。血のようなモノで、赤く、赤く、赤く、赤く、赤く、赤く、赤く、赤く、赤く……。
「どうしたんですか?」
ハッと我に帰った。隣を見ると、同期の氷川良が、ついさっきいれたであろうブラック・コーヒーを持って、こちらの顔をじっと見つめている。私は慌ててさきほどまで覗き込んでいた教室に目をやった。
そこには――