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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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正徳寺の会見 2

 ザッザッザッと織田の軍勢が美濃の国境を越えて、行軍していく。


 その姿を物陰の廃屋から眺める影が複数。


「どうやら織田信長は噂に違わぬうつけ者の様で」


「いや、そうでもなさそうよ光秀」


 その場にいた光秀は寝癖の付いたボサボサの頭で片胸を露出しながら馬上で柿をむしゃむしゃと食べる信長を見て、うつけの噂に違わない馬鹿者だと判断するが、斎藤道三は信長の周りの軍勢に着目する。


「見よ光秀。織田の軍勢の鉄砲の数の多きことよ」


「確かに鉄砲は多いですが……しかし欠陥も多い兵器では?」


「欠点が多かろうが高価な鉄砲をあれだけの数をそろえることができる織田家の財力が透けている。斎藤家ではあれほどの鉄砲を運用できるかどうか……」


「織田家は鉄砲の職人を領内で抱えていると見た方がよろしいでしょうか」


「ああ、そうよね」


 その他にも、道三は軍隊の行軍で足並みが揃っていることに着目した。


「皆の足並みが揃って行軍している……どれだけの鍛錬をしてきたんだろうか」


「足並みを揃えるくらい普通にできるものではないですか?」


「いや、やってみると難しい。しかも行軍の最中にあれだけ揃えられる兵士の練度は馬鹿にはできん……恐らく信長が一番信頼している兵を揃えてきたな」


 それに長い槍にも道三は着目する。


 一定以上長い槍は穂先がぶれて相手を突くことが難しいのであるが、集団で槍を上下に振るうことで相手を叩きつけることに信長は重点を置いていると看破する。


「個人技ではなく、集団運用前提とした長槍部隊……軍隊の運用に関しては広まっている武名と同じく、優秀と見える。さて、見るものも見たし、正徳寺へと戻るとしよう。信長があの格好故に正装でなくて良いだろう」


「は!」


 道三と光秀、それに供回りの女性達は裏道を馬で駆け抜けて正徳寺へと戻るのだった。









 正徳寺で待機していた道三は楽な格好で信長のことを待っていると、部屋の戸が開き、信長が姿を現した。


 そこには正装をし、身を整えた道中で見た信長とは別人と思わせる美しい姫武士がそこにいた。


「お初にお目にかかります斎藤道三殿、平朝臣織田上総介三郎信長ともうします」


「くくく……あはは! これは一本取られた。見事なり織田信長!」


 ことは少し遡る。





 正徳寺に到着する少し前に信長様は正装へと着替え、俺に髪を整えるように命令した。


 俺はネット通販で購入したヘアウォーター(美容液)で寝癖でボサボサしていた髪を綺麗に整える。


 サラサラのロングヘアーになった信長様は着替え終わってから斎藤道三との会談に挑んだのである。


 信長様自身、自分が斎藤道三なら道中の姿を見られているだろうと逆算しての一手である。


 部屋の隅で待機していた俺も、斎藤道三殿が大笑いするとは思ってなかったが、信長様の作戦は大成功。


 まずは斎藤道三を驚かせることができた。


「信長よ、帰蝶と上手くいっていないと聞くが事実か?」


 早速道三のジャブが飛んでくる。


 これに対して信長様は、


「ええ、上手くいっていません」


 キッパリ答える。


 会場に居る家臣達は肝を冷やすが、道三はニヤニヤしながら、


「息子と上手くいっていないのに、子供が既に4人も居るとは……不義理を働いたか?」


「いえ、お腹に5人目が既にいますし、好む男性と交わるのがいけないのであれば、お義母様も駄目ではありませんか?」


 斎藤道三自身も正室と長女である斎藤義龍をもうけていたが、それ以外の子は別の男性と体を重ねてできた子供が複数人いた。


 それに帰蝶も長女とは別の種であるので、同じ種でしか子供を作ってない信長の方が逆に誠実まである。


「家の為の交わりまで拒否した男を愛せよというのは流石に無理ですよ。お義母様」


「……帰蝶はもしかして初夜も拒否したのか!」


「ええ、うつけの娘は抱けぬと言い切りまして、こちらの面子は丸潰れでございます」


「それは……悪かったな」


「いえ、別の種で子供を作ったのは事実ですし……その者からお義母様に謝罪の品を持たせております。英聖、前に」


「は!」


 俺は信長様から呼ばれて前に出る。


「私が唯一交わっている男です」


「木下英聖と申します」


「斎藤道三だ。それで、寝取った男が何か用で?」


「自分としてはこの件で斎藤家と織田家の同盟関係に溝ができることを心配していまして……織田家の機密の1つを不義理を働いた手打ちとして渡させてもらおうと」


「聞くだけ聞きましょう」


「ありがとうございます」


 俺はジャガイモのプレゼンを開始する。


「今袋から出した茶色の芋……これは大陸では馬鈴薯と呼ばれるジャガイモという芋でございます」


 一見普通の芋であるが、蔓や葉、芽という緑色の部分には毒があり、食べられるのは芋の部分だけなのだが、米に比べると5倍近く収穫できる収量の多さ、粉にすると片栗粉に加工することができ、薬の原料にもなる。


 そして色々な料理にもなると、俺はいももちを皿に乗せて、道三殿の前に出した。


「失礼、毒見をさせてもらいます」


 すると横からデコの広い真面目そうな女性が現れていももちを少し食べる。


「……んん!」


「光秀、どうした?」


「お、美味しいです! 道三様!」


「そ、そうか」


 光秀と呼ばれた女性の顔がほころんでいる。


(彼女がもしかして……明智光秀か……なんて言うか……真面目そうだけど、残念美人臭がするのは何故だろうか……)


 光秀に続いて斎藤道三様も食すが、確かに美味いと言っていた。


「こちらがジャガイモについての農書とジャガイモを使った料理の方法を書いた料理本になります」


「うむ……いただこう」


「英聖下がれ」


「は!」


 信長様に言われて俺は部屋の隅に下がる。


「信長……良い旦那を持ったな」


「ええ、自慢の彼氏です」


 その後も道三と信長様は話し合いを続けていく。


 三河を切り崩した方法であったり、家臣統制に関するもの、信長様的には道三の国取りの話が一番楽しそうに聞いていた。


「お義母様」


「なんだ信長」


「僕は国内を整え次第東の敵を片付けようと思います」


「今川か。今川は武田と北条との同盟を結ぼうと画策しているそうだが?」


「両家は今川を求めているのではなく、長尾景虎を恐れているため、今川より先を狙わなければ出てくることは無いかと」


「ふむ……東海の覇者になって何を求める」


「天下を僕も目指そうかと。斎藤家とは長く同盟関係が続くことを願っています」


「ふむ……実際今日会ってみて、信長は今まで会ってきた人物の中で一番野心深く、そして愛情深い人物だと確認できたわ。いいでしょう。帰蝶は使い道がまだあるから返してちょうだい。同盟関係は引き続き続けるし、義理の親子関係も続けるつもり……いや、流石に互いに人質は出し合いましょうか……そっちは妹の誰かを出してちょうだい。私は末っ子を出しましょう」


「末っ子だから一番可愛いんじゃ」


「そりゃ勿論可愛いわよ。でも私に何かが起こった時にうちの馬鹿娘だと家を潰すわ。織田家で教育させた末っ子が大きくなって斎藤家を乗っ取るくらい成長させてちょうだい。その方が信長としても安心できるでしょう」


「わかりました。妹の織田秀孝を人質として送りましょう。彼女にもお義母様の教育を叩き込んでください」


「ふふ、マムシに育つわよ」


「マムシくらい僕の腹で飼うくらいの気概じゃないと天下人には成れませんよ」


「それもそうね……信長」


「はい」


「王道、覇道、邪道の道があなたの未来には伸びているわ。私は邪道の道を進んだ結果美濃しか手に入れることができなかった。天下人を目指すなら私を反面教師にしなさい」


「教えを胸に刻みたいと思います」


「有意義な会談だったわ」


「こちらこそです」


 最後に2人は握手をして会談は終わりとなる。


 美濃から那古野城に帰って数日後に斎藤道三の末っ子である斎藤利治が送られてきた。


「やぁやぁ信長様! いやお姉様と言ったほうが良いかねぇ!」


 茶髪で赤いバーコードの様な妖しい瞳をした何とも胡散臭い雰囲気を漂わせる少女であったが、信長様は、


「うわ、滅茶苦茶僕の好みじゃんか!」


 と、大喜び。


 利治的には兄である帰蝶と仲が悪かった信長様に良い印象は抱いてなかったらしいが、可愛がられてからは気を許して、そのうち床でレズセックスする仲になるのだった。


 流石に俺は利治様を種付けしろと信長様から命令されなかったので安心したけど……。


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