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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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銭の改鋳の成果

「平手殿が……」


「なんであんな簡単に命を投げ出すことができるのかな? 僕には理解できない感覚だわ」


 平手政秀殿が亡くなって、信長様はそう呟いていた。


 引き金は朝廷の許可なく銭を作り出すという暴挙に出たことだろうが、それ以前から信長との関係は拗れていた。


 一方で林殿の様に信長様の先見性に気がついて態度を改めた人も居るので、平手殿が旧来の考え方に固執し過ぎたってのもある。


 信行様を担ぎ出そうとしなかったのは最後の良心だったのかもしれないが……。


 ただその願いも自身の娘や孫達は信行様に接近していると商人経由で情報を貰っているので、信長様がどうするつもりなのか……。


「信行様を担ぎ出そうとする動きがありますが」


「信行はなぁ……僕の妹だから生きていて欲しいけれど……内部の膿出しを手伝ってもらったら政治的に再起不能に陥ってもらわないと」


「政治的再起不能……ですか」


「うん、僕にも考えがあるし、その時は英聖にも協力してもらうかもしれないけどね」


「喜んで協力します」


「ふふ、頼もしいね……さて、平手の婆さんの葬儀に僕は来ないように親族から言われちゃっているから、英聖に僕の代理として参列してくれる?」


「は!」


「悪いね、面倒なことをさせて」


「いえ、それは良いのですが、言葉で誤解を解けるならその方が楽ですから」


「うん気をつけることにするよ。さてと、平手にやらせていた朝廷工作は村井に任せようかな」


 村井とは村井貞勝という女性で、多くの外交的手腕を持つ内政官だった。


 現在彼女は斎藤道三と面会するための場を整える準備をしていた。


「斎藤道三との会談は早ければ今秋、遅ければ冬にても実現できるだろうね。度肝を抜いてやらないと」


 ちなみに斎藤道三は現在滅茶苦茶動き回っており、守護代であった斎藤家を完全に乗っ取り、守護大名だった土岐氏の一族を毒殺、暗殺しまくって排除。


 今までは織田信秀様がいたのでまだブレーキが利いていたが、それが亡くなったので、内部統制を強化するため、権利関係を物理的に整理していたのである。


 ただそのお陰で斎藤道三は美濃を完全に支配下に置いて、戦国大名として成長を続けていた。


 その関係でちょっとごたついていたので、会談の日時がなかなか決まらなかったのである。


「義母である斎藤道三には帰蝶との話どうしようかな……ちょっと難しい問題なんだよね……」


「まぁ寝取った自分が言うのもアレですけど、なるべく穏便に、誠意を持って対応してください」


「うん、そうするよ」


 それはそうと朝廷か幕府に銭を発給していることはどうなっているのか聞いてみると、


「いや……幕府は母上の代替わりしたのは認めてくれたから良いんだけど、まだ京に帰れてないし……朝廷は僕らに構ってられないくらいドタバタしていて、全然連絡取れないんだよ」


「やはり山口の大寧寺の変の影響でしょうか」


「たぶんね。朝廷は京を山口に遷都しようと計画していて、多くの実務を担当する貴族を山口に送り込んでいたらしいんだけど、それが皆殺されたもんだから上も下も大混乱で収拾つかないらしいよ」


「それは……御愁傷様です」


「まったくだよ」


 朝廷山口遷都計画……京が応仁の乱以降度々戦火によって炎上し、首都機能が麻痺していたことや、将軍が京から逃げ出すほど幕府が安定しなかったりと複数の要因で、朝廷を別の場所に移す計画がされていた。


 そしてほぼ本決まりで5年以内に遷都が決まっていた山口の大内義隆を頼ろうとしたのだが、大寧寺の変で皆死んでしまったので、朝廷の実務能力は大幅に低下。


 史実で朝廷の存在感が戦国時代薄かったのは今回の事件で大打撃を受けたからである。


 現代で例えると、某シン・ゴジ◯の内閣総辞職ビームを喰らって閣僚の過半数が生死不明になったのに近い。


「逆に言うと朝廷や幕府の権威が落ちているから、実質私鋳銭でもある黄銅銭が価値を高めている結果に繋がりますが」


「うん、僕もまさかあの銭があれだけの価値で他国で取引されるとは思わなかったよ」


 黄銅銭の流通量は既に15万貫を超えて、連日鐚銭や私鋳銭が溶かされて、亜鉛を加えたり、銅をしっかり抽出したりして、黄銅銭が作られ続けていた。


 現在週産2500貫であり、美濃の斎藤道三からも黄銅銭での取引に応じると連絡を受け取っていると信長様は語っていた。


 おかげで銅や亜鉛の輸入が可能になり、銭座の拡張が終えれば、週産5000貫になる見込みである。


 1回の嵌合貿易で50万貫近く取引していたのに比べると少なく感じるが、代替にはなるだけの量は発行できているだろうし、銭が作れるってことは、インフレを気にすれば実質無限の貯金箱を得たことになる。


 まぁ供給に失敗するとドイツのマルク(教科書で札束で積み木をしていたやつ)とかジンバブエドルに近いことが起きるが、銅と亜鉛というちゃんと価値がある物を使っているので、早々値崩れを起こすとは思わないけど……。


「そう言えば銀貨と金貨も作り始めたけど、あれの評判はどう?」


「そっちは黄銅銭と同じく順調です」


 輸入した銅や改鋳した銭から金や銀を抽出し、それを金貨、銀貨へと作り直していた。


 金貨は37.5グラムの大判と3.75グラムの小判が、銀貨は600グラムと37.5グラムの大判小判が作られた。


 何故37.5グラムと中途半端かと言うと、尺貫法に基づいたこの時代の重さの単位が3.75グラム……銭1枚で1匁(もんめ)が基準とされていて、37.5グラムが1両、600グラムで1斤という分かりやすい単位が存在したのである。


 それ故に金1両、銀1斤と分かりやすく重さが分かるので、この単位の金貨、銀貨を作り出し、那古野城の蔵の中に備蓄したり、市場に流したりして、こちらも流通の軌道に乗り始めていた。


「既に金貨の千両箱が幾つかできるくらい貯まり始めてますよ」


「改鋳するだけで金や銀が集まるからな……競売をやっていたから商人達との伝手ができて、ここまで銭が集まるようになったと思うか……競売に頼らなくても資金源ができたことに喜ぶべきか」


「幸い、その銭を使う先が織田家には大量にありますからね」


 軍拡、職人の育成、朝廷や幕府への献金……使い道は色々ある。


「さて、そろそろ僕が仕掛けた策が炸裂するかな?」


「おや、信長様もですか? 今川の方にも策を仕掛けましたが」


「同時に爆発すると不味いかな?」


「まぁ何とかなるでしょう。対処可能の人材は今の織田家には居るでしょうし」


「そうだね」






 今日も城での勤めを終えて家に帰ってきた。


「お帰りでーす! 英聖!」


「おう、美虎ただいま。今日は先に帰っていたのか?」


「兵の鍛錬が終わったから早めに帰ってきたでーす! あと調理班がカレールーが少なくなってきたから補充を頼まれたでーす!」


「はいはい、明日渡しておくよ。鍛錬の方は順調か?」


「そうですねぇ……皆頑張ってますが、男の人はどうしても体力面で女性に劣るからちょっと苦労してるでーす」


「そりゃしゃあないな。でも男連中に女と同じ鍛錬がこなせる男は女性からモテるって吹き込めばやる気を出すんじゃないかな?」


「確かにそれは効果がありそうでーす! ……あと今夜私とまた子作りしないですか?」


「じゃぁ今夜は美虎をメインに抱こうかな。途中でへばるなよ」


「鍛えてきたから今日こそは負けないでーす!」


 そう意気込んだ美虎だったが、俺が抜かずに5発ぶち込んだら潰れたカエルみたいになってノックアウト。


 ただ今回のでまた孕むのだった。


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