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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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脇差の入手

 今年の中村の収穫は豊作だった。


 農業的には無駄が多いけど、今年は気候が穏やかだったこともあり、米の収穫量が多かった。


 勿論サツマイモも沢山採れて、一気に食卓が豊かに。


 今までおかず1品に蒸した芋とか雑穀粥だったのが、麦飯にチェンジするほど豊かに……。


「あなた、うち豊作だったし、親戚が子供が多いから口減らしに子供を預かって欲しいって」


「うん、烏丸と預かっている日吉丸がそろそろ大人として見ることもできるし、1人くらい預かってもいいな」


 というわけで、うちに親戚……はとこくらい血が離れている女の子が来ることに。


「こんにちは! おじさん! おばさん! 今日からよろしくお願いいするでーす!」


「あらあら、虎丸ちゃん元気ね! 烏丸今日から家族になる虎丸よ」


 黄色い髪色をした猫っぽい子が来たな〜って印象。


 年齢は俺の1個上。


 俺が将来武士に成りたいって言っていたから、うちの畑を引き継げる体力あって、元気な子を選んで養子にしたのだとか。


「おや? そっちの子は?」


「日吉丸。隣の家の子だけど、訳ありで俺と一緒に行動しているんだ。虎丸姉さん仲良くしてよ」


「んん〜許嫁ってやつでーす!」


「許嫁……!」


 日吉丸が嬉しそうにもじもじしている。


 俺も特に否定することはない。


 しっかし、ここはラブコメ空間か? 


 いきなり増えた養子のお姉さんに幼なじみの女の子、それに4歳年下の妹。


 これが現代ラブコメだったら刺されているかもな。


 フラグ管理間違えないようにしないと。







 そう思っていたら、隣の竹阿弥おじさんがいきなりうちに来て、日吉丸を連れて行かれてしまった。


 どうやら日吉丸に隣の家とはいえ、いつまでもお世話になるのもどうかということで、尼寺に放り込んで修行させることにしたらしい。


「烏丸行きたくないよ!」


「行って直ぐに逃げ出して帰ってきなよ。俺達家族は迷惑なんて思ってないから。何度か逃げ出せば竹阿弥おじさんもあきらめるでしょ」


「う、うん!」


 出荷される牛、打ち上げられたマグロの様な感情の籠もってない目で日吉丸は尼寺に連れて行かれてしまうのだった。


 が、2週間程度で逃亡してきて、寺どうだったか聞いたら。


「お姉さん達同士でまぐわっていた……同性同士で愛を語り合うって……」


 どうやら百合の花が咲いていたらしい。


 日吉丸も先輩の尼さんに襲われそうになったから逃げ出してきたのだとか。


 竹阿弥は直ぐに逃げ帰ってきた日吉丸を直ぐに連れ戻そうとするが、俺が


「日吉丸の分、俺があんたの代わりに共有の畑を手入れするから、日吉丸を尼寺に連れて行くのは辞めてくれ!」


 って懇願。


 うちの両親も竹阿弥おじさんと交渉した結果、日吉丸は俺と婚約することになり、うちで預かることが決まった。


「父さん、母さんありがとう」


「いや、日吉丸が可哀想に思ってね。竹阿弥は日吉丸が気に入らないから虐めたいだけだろうし」


「日吉丸もずっとうちに居ていいからね!」


「おじさん、おばさんありがとう!」


 結局日吉丸はうちに住み込むことになるのだった。








「うーん、そろそろ脇差くらい欲しいよな」


「烏丸どうしたの?」


「おやおや? 何かお悩みでーす?」


「あ、実はな」


 武士……というか足軽になる場合とりあえず手持ちの武器が無いと始まらない。


 一応戦力が乏しい大名とかは武器を貸し出して兵士を募るってことをやっているけど、俺が足軽にステップアップするには茂部姉さんの従者として戦場に付いていって、活躍するしか無い。


 で、茂部姉さんがもう少し大きくなったら連れて行ってやるけど、それまでに脇差くらいは持っておけよって言われたのである。


 鎧……具足は茂部姉さんの家が何足が持っているのでレンタルする必要はあると思うが……。


 そのためには金が必要である。


 両親からも野山で山菜や魚を集めてくれるし、芋畑を育てるの頑張っているから何も言うこと無いけど、うちの収入だと脇差を買うお金は無いよ……と言われてしまったのである。


 最悪ネット通販で買えるスコップを武器として持っていくことも考えたが、最終手段にしたい。


「というわけでお金を稼ごうと思います!」


「「いえーい」でーす!」


 とはいえお金を稼ぐとしても、ネット通販で買った物を転売してしまったほうが稼ぐことができる。


 目標は俺と日吉丸、それに虎丸3人分の脇差を買えるだけの金があればいい。


 俺は母さんにどれぐらい稼げば脇差が買えるのが相場の値段を聞いてみた。


「相場の値段ねぇ……中古で100文、新品だと500文くらいね」


 文というのがこの時代の通貨で、1000文集まると束ねて1貫となる。


 現代価値で1貫12万円くらいで、1文は質の悪いのだと10円から質のいいのは120円くらいの価値がある。


 大陸から輸入した銭を使っているが、私鋳する悪い人もいるので、同じ1文でも価値がバラバラなのである。


 尾張は熱田という大きな貿易港があるので比較的質の良い銭が手に入りやすい場所ではあるが……。


(さてさて、なるべく新品で購入したいとなると500文か……砂糖を1袋渡せば絶対に購入できるけど、絶対に揉めることになるからなぁ……野山であるものを使って銭を稼ぐとなると……)


 俺は蜂蜜なら高く買い取ってくれるんじゃないかって思って、ネット通販で蜂蜜の値段を確認する。


(業務用蜂蜜が2.5キロ3000円で売ってる。これなら買えるけど、俺達だけが儲けると面倒事になるだろうな。山は村の共有財産だし……茂部姉さんに相談してみるか)


 俺は茂部姉さんに相談してみることにするのだった。






 竹をくり抜いた簡単な筒の中に業務用で購入した蜂蜜を入れていき、蜂蜜が満タンに入った竹筒を10本用意した。


「烏丸相談したいことってなんだ?」


「茂部姉さん、実は蜂蜜が大量に採れたんですけど、これを売る伝手が俺には無くて……」


「蜂蜜! そんな貴重な物が? もしかしてそこにある竹筒の中身全部か?」


「はい!」


「ちょっと舐めてみていいか?」


「どうぞ」


 茂部姉さんは蜂蜜を舐めると、確かに甘い蜜だと驚いていた。


「私だけじゃ判断できない。私の母さんに相談してみることにするから、10本の竹筒預かっていいか!」


「値段交渉をしたいんで、買い取ってもらうってことはできませんか?」


「買い取り……いや、たぶん交渉できると思う。一緒に運ぼう」


 俺と茂部姉さんはまるで密売品を運ぶように慎重に茂部姉さんの家に運び込むと、茂部姉さんのお母さんに事情を説明した。


「なるほど、蜂蜜がこれだけ採れたけど、相場が分からないと」


「ええ、自分には売る伝手もないので、必要な物が手に入ればそれだけで手を引こうと思ってます」


「ああ、君が萌衣(茂部姉さんの名前)の言っていた烏丸君か。確かに賢くて……身を弁えているんだね。そういう子は長生きできるよ。ちなみに何が欲しいか言ってみなさい」


「新品の脇差3本ど鉄製の鍬2本……たぶんもっと価値はあるんでしょうが、勉強代としてそれくらいにしておきます」


「うん、それくらいで良いのなら私がこの蜂蜜は買い取ろう。言われた品は1週間後にうちに取りに来なさい。萌衣」


「はい!」


「烏丸君は大切にしなさい。たぶん大物になるわよ」


「はい!」


 はい、交渉成功。


 いやぁ3000円蜂蜜が脇差3本と鉄製鍬2本に化けました。


 いや、鉄製鍬くらいならネット通販で安いの2000円で1本売っているけど、3000円の蜂蜜で脇差も揃えて買えるんだったら儲けもんでしょ。


 ただいつもやれる手じゃないから気をつけないとね。







 1週間後に俺と日吉丸と虎丸分の脇差及び鉄製の鍬がちゃんと渡された。


「後学の為に蜂蜜幾らで売れたんですか?」


 事情を知ってそうな茂部姉さんに聞くと、若干申し訳なさそうにしながら、


「あの蜂蜜、全部で10貫で売れてた」


「そうですか」


「10貫だよ10貫! 新品の脇差と鍬を用意したけど、全部合わせても2貫にもならないし……うちが8貫分も儲けちゃって良いのかな?」


「いや、自分は気にしませんし、茂部姉さんも他の人には言わないでくださいね。面倒事になるので」


「言えないよ……」


 しょんぼりしている茂部姉さん可愛い。


「茂部姉さん、罪悪感があるなら、俺達にビシバシ剣術とかを教えてくださいよ! それでチャラですよ!」


「う、うん! そう言ってくれるとありがたいな。ありがとうね烏丸!」


 なんか順調に茂部姉さん攻略していってる気がするけど気のせいかな? 


 その後、脇差を日吉丸と虎丸に渡したら驚いていた。


「これどうしたの?」


「そうでーす! どうしたんですか!」


「どうって……ちょっと稼いできて茂部姉さんの家に交渉して脇差を買わせてもらったんだよ。日吉丸も虎丸も脇差くらいは無いと格好つかないだろ」


「それはそうですが……」


「2人共将来戦に行くことがあるだろうし、普段は木刀で訓練するけど、いざって時はこれを使って戦で活躍して偉くなるようよ!」


「うん! 私烏丸と一緒に偉くなる!」


「私もでーす!」


 ちなみに両親も新しい鍬をプレゼントしたら、


「烏丸は商才があるのかもしれないな!」


「短期間で脇差3本と新品の鍬を買ってくるなんて……流石私の子ね!」


 親バカ発動しているのだった。

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