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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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前田利家と前野長康 とうもろこしと木綿

 領主になったと言っても、普段の日常は変わらない。


 那古野城に出向いて、信長様の政務の手伝い、兵達の鍛錬の監督、空いた時間に大工や藤原一門と協議して酒蔵の造営……。


 やるべきことを沢山やっていたらあっという間に月日が過ぎるもので、信長様のお腹が再び大きくなり、秋頃にまた双子……今度は両方女の子を出産していた。


 次女が茶筅丸、三女は娘としては3番目、子供全体だと4番目だからと三四というとんでもないDQNネームを付けていた。


 流石に可哀想と思ったが、俺には名前の決定権が無いからなぁ……。


「僕の名付ける名前は良い名前だろ」


「いやぁ……だいぶ返答に困りますよ」


「なにおう! じゃぁ木下家でも赤ん坊がまた産まれたそうじゃないか。その子達にはどんな名前を付けたのさ」


 直近だと秀吉と萌衣姉、それに美虎の3人が子供を産んでいて、秀吉の女の子は源義経の様に戦上手に育って欲しいからと義経の幼名である牛若を拝借。


 萌衣姉さんの娘には萌の字が草木の芽が芽生える意味があるので、それにあやかって緑と名付けた。


 美虎は馬の様に力強く育って欲しいのと、美虎の子供は動物で統一しているので馬を意味する駒と名付けた。


 この時代だと変な名前ではないはずである。


「無難な名前過ぎない? もっと……こうかぐや姫から輝夜とかそういう名前の方がかっこよくない?」


「だったら信長様の子供にその名付けをしてあげてくださいよ」


 なんでぱっと思いついた名前は良い名前なのに、自分の娘の名前……茶筅になるねん。


 茶筅って茶を立てる道具だぞ……。


 そんな会話を信長様とお茶を飲みながらするのだった。






「どうですか英聖さん! 私の槍の腕前は!」


「なかなかいいじゃん」


 ピンク色の髪に大きなリボンを付けて、槍を振るうのは俺の1個下の前田利家である。


 織田家の重臣である前田家の四女で、実家で部屋住みとして過ごすならばと信長様に志願して親衛隊に入隊したという経緯があり、信長様に負けず劣らずの傾奇者である。


 その証拠が頭よりも大きなリボンであり、赤い大きなリボンを付けて訓練に参加していた。


 曰く、目立たなければ出世の道は無いからという彼女なりのポリシーによるもので、俺はとやかく言わないし、若い男だからやっかみを受けているのでシンパシーを利家からは感じていた。


 秀吉も犬の様な利家をよく可愛がっている。


 ただリボンを馬鹿にされた時は烈火のごとく怒り出し、拳で相手の顔が腫れ上がるまでボッコボコにしたりと、若干狂犬の様な側面も持っていた。


 あと平野道場から引っ張ってきた人材で面白い子がおり、その子と利家はシンパシーを感じたらしく、凄い仲良くなっていた。


「あ、いたいた! 英聖様〜」


「あ! 前野ちゃんだ! おーい」


「あ、前田殿! 今日も大きな髪飾りが似合ってますね!」


「でしょ! 前野ちゃんも首輪がかっこいいよ!」


 前野長康……彼女は岩倉織田家の奉行をしている人を母親に持つが、次女なので家を継げないとして、家を飛び出して、平野道場に転がり込んで兵法を習ったりしていたところを俺と秀吉がスカウトしたのである。


 うちの家臣達も信長様に預けられた家臣と共に訓練をしていて、前野はメキメキと頭角を現してきていた人物で、文武両方が得意と俺達から妹の秀長や優里と一緒に便利屋みたいな扱いを受けていた。


 ちなみに前野はちょっと顔が強面というか……中性的なイケメンよりなので、凄むとちょっと厳つい。


 なので利家と一緒に居ることも多いので狂犬組もしくは犬組って呼ばれることが多々あった。


 俺も犬組って呼んでる。


「でも英聖さんは凄いですよね! 男なのに既に戦場で首級を幾つも挙げていて……私も早く戦場で活躍したいなぁ……」


「戦場で活躍して、秀吉様の許可を貰って英聖様の子種を貰いたいなぁ……」


「あ、それ良いな! 私も活躍したら信長様にお願いしようっと!」


 若い女の子がしてはいけない会話だと思うが、この世界では普通である。


 ちなみに今利家と槍の手合わせをしているが、俺と同等の実力が既にあるので、利家の槍の実力は既に織田家でもトップクラスと言える。


「ああ、引き分けか。次は絶対勝ちますから!」


「はいはい、いつでも相手するから」


「やった! 前野! 一緒に町に行こうよ! また新しい髪飾りが売ってるかもしれないし!」


「うん! 行こうか!」


 こうして見ると子犬何だけどなぁ……。


 そんな感じで前田利家と知り合い、前野長康が家臣として働いているのだった。







「お、できてる」


 秋になり、中村では収穫シーズンに突入。


 今年は尾張全体でも豊作で木下式農法の広まりは信長様の家臣に限られているけど、種籾は農民達の取引で広まってしまうので、尾張全域に広まり始めているっぽい。


 まぁ別にいいけど。


 米の値段が安くなれば、酒に加工して高値で売ったり、不作の地域に売りつければ良いだけの話だし。


 それに畿内という巨大な消費地が近くにあるので、港から運んでしまえばすぐだし……。


 というわけで米は全体的に豊作。


 サツマイモやジャガイモとかも良い感じで、春頃に準備を行なった椎茸もほだ木に定着し、秋になるとニョキニョキと椎茸が生えていた。


 村人達は大喜びで、原木で椎茸を育てる場合、春と秋の年2回収穫できて、それが5年間生え続ける。


 ほだ木の数を増やしていけば俺が椎茸の種菌を出していけば、ある程度の年数は大丈夫だろう。


 ただ俺が更に出世して偉くなり、この地を離れたりしたら……。


「となると……椎茸の種菌を作り出す方法を探るしかないな」


 色々調べてみた結果、芋羊羹に使っている寒天を使って菌を育てることが可能であることがわかった。


 寒天に椎茸の胞子を移し、それで菌を保存する。


 保存した菌を米糠とおがくずを混ぜてから、キャップの様に締めることができる竹の器に混ぜたものを入れて茹でて殺菌する。


 菌を殺した段階で寒天で保管していた椎茸の菌を中に入れて培養すれば……椎茸の種菌を作り出すことができる。


 あとはこれをほだ木に埋め込めば椎茸を継続して採取することができるという寸法である。


 まぁ現代みたいに無菌室とか空気清浄、温度管理が徹底できるわけじゃないので、100個準備して5個成功すれば御の字って感じである。


 まぁそれでも、1個用意できれば増やしてほだ木に埋めれば椎茸を増やすことができるので、無駄ではないし、確率も自然に生えるのを願うより遥かに高い。


 家臣や村人に作り方の手順を教えたり、書物として残したりしながら、椎茸栽培を本格的に進めていくことになるのだった。


 椎茸の話はそれくらいで、あとは栽培を始めたトウモロコシと木綿。


 トウモロコシは便利な物で、ヒゲ部分は着火剤になるし、皮は煎じればお茶に、小物を包むのでも良し、編めば籠にもなる。


 何なら実を取った軸は輪切りにして水に浸しておけば寒天の代わりに菌の保存に使うことも可能。


 実は絞れば油に、家畜の肥料や米と一緒に炊いてとうもろこしご飯として食べたり、粉末にして小麦粉と混ぜればパンにすることもできる。


 色々使い道がある食材でありながら連作も可能。


 強いていうなら受粉が難しいって点があるけど、中村はミツバチが飛び回っているので、この問題も解決できる。


 あとは地中の水分を根こそぎ奪ってしまうという欠点もあるが、竹に穴針の大きさくらいの穴を開けて、そこに水を通して水を与えれば、とうもろこしは十分に育つことができる。


 適切に水をやればよいし、アメリカでとうもろこし育てて地下水の枯渇が心配っていうのも、地下水をガンガン地上に汲み上げて農業用水にしているからであり、十分に雨が降って水路を引いて水を上げられる環境なら問題は無い。


 木綿も水分が多く必要になるけど、これも水をちゃんと撒いていけば問題は無いし、日本だと干ばつの時以外は十分雨が降るので育つ。


 両方とも収穫して、木綿に関しては熊五郎と一緒に作った足踏み糸車で綿を糸に加工し、それを更に熱田の職人達が布に加工する流れを作り出すことができた。


 将来的には水力を用いた織機を作り出したいが、それには藤原一門の生産量が落ち着いて、信長様が尾張を統一するくらいから始めたい。


 一応藤原兄弟には織機の設計図や作り方を教えて研究はしてくれているけど……形になるのはもうしばらく後になるだろう。


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