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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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ちょっとずつの内政チート こんにゃく

「しっかし、信長様は銭で兵は雇えるからと直属の足軽を増やして……銭で雇った者はいざという時に裏切るのではないかな」


「まぁまぁ林様……ささ、取り寄せた茶葉で煎じた茶でございます」


「うむ、皆が木下の様に物分かりが良ければいいのだがな」


 政務の手伝いをしていたら、織田家重臣の林殿と知り合うことができた。


 本名は林秀貞という30代半ばの女性で、立場上は平手さんよりも上の一番手家老という役職に就いている。


 教育係や那古野城の運営にも関わっているため、競売で信長様が莫大な富を稼いでいることは知っていたし、その事を信秀様に報告していたが、信秀様から信長様は、


「好きにさせよ」


 と放任の方針が言われていたので、小言を言いながら不満を溜めていた。


「ふぅ……木下家が競売の品を出してくれているお陰で競売で儲かっているが……木下家頼りというのも……」


「でしたら茶碗でも作りませんか?」


「茶器か? 確か上方で茶の湯が流行っていると聞いたが、国焼は品質が低く高くは売れないのではないか?」


「それは窯や器を作る材質、あとは職人が育つのを根気強く育成するしかありません。尾張東部の粘土質の土があるじゃないですか」


「うむ、私の領地にもあるな」


「その土を使い器を作ると色鮮やかな赤褐色色の茶器ができると……林様のお力で焼き物を扱っている職人を領地に呼び込んで、茶器を作らせませんか?」


「しかし……」


「林様……実は大陸で大量の品質のよい茶器を作り出す窯の作りについては既に私の住んでいる村で実用化させているので、建てることは容易ですし、茶器の素材となる土も豊富。それに大陸で作られている茶器の作り方はこちらの書に纏めております」


 俺が持ってきた籠から書物(陶磁器の作り方に関する本をネット通販で買って、それを戦国時代の文字に書き直した物 わかりやすいように手先が器用で絵が上手な熊五郎に挿絵も描いてもらった)を林様に渡す。


 ペラペラとめくると、見やすくわかりやすいと高評価をいただいた。


「これは木下が書かれたのか?」


「ええ、原本を翻訳して、それを知り合いの絵師に頼んで挿絵にしたのです。ここまで分かりやすくすれば職人達も分かってくれるかと」


「うむ、商品が用意できるのは大きい。私の権限でやってみよう」


「よろしくお願いします。他の商品に関してはそれなりの所領を持ち、信長様に忠誠を誓っている丹羽家と前田家から順に特産物を作り出していこうかと」


「そんな簡単に作り出すことはできるものなのか?」


「幾つか異国の作物や道具などを作り出せれば可能かと」


「凄いわね木下殿は」


 おや? 林様が俺に殿を付けて……ちょっとデレたか? 


 その後も政務の手伝いを行うのだった。








「丹羽長秀ですよろしくお願いします」


「木下英聖です。よろしくお願いします」


 信長様の紹介で重臣丹羽家の丹羽長秀殿と知り合うことができた。


 今年から信長様に仕え始めた新人であるが、尾張国春日井郡児玉村の村1つを有する領主の跡取り娘であり、信長様と年齢が近かったり、ツンとしたクール系の見た目をしているのを信長様が気に入り、夜のローテーション入りするほど溺愛している人物である。


 信長様の家臣の中だと一番自由に使える所領を持っている人物でもあり、前田と丹羽どちらかからか悩んだ末に丹羽から競売で売れる品を作り出せと命令されたのである。


「それで、長秀の領地で競売でも売れる品を作ると言っていましたが、何を作るのですか?」


「ちょっと領地全体を見て回っていいですか」


「どうぞ。案内します」


 俺は領地を案内してもらうと、とある芋の群生地を見つけた。


「あれは……」


「あぁ、毒芋ですよ」


 毒芋と言われたが、掘り起こしてみると、それはこんにゃく芋だった。


「丹羽殿、これはこんにゃくの原料のこんにゃく芋ですよ」


「んん? この毒芋が? 精進料理に使われるこんにゃくなのか?」


 こんにゃくの製造法は寺院で厳重に管理されている。


 応仁の乱前は京で民も食べられるほど沢山作られていたが、応仁の乱以降の戦乱で技術は西の大内含めた一部に流れるか、寺院が厳重に管理して尾張では輸入に頼っている状態で高値で取引されていた。


 あとこんにゃく芋は栽培がデリケートで運玉とも呼ばれ、安定した収穫ができるようになったのは昭和になってからであり、量産できれば結構な金額で売ることができる。


 勿論こんにゃくへの加工も必要だけど。


「こんにゃくを量産すれば十分に特産物になりますよ。育て方は後々教えるので、作り方を教えますね」


 自生していたこんにゃく芋を幾つか掘り起こして、こんにゃく作りを始める。


 まず水で汚れを落として、皮を剥き、細かく切ったらお湯と一種に混ぜて、すり鉢でペースト状態にしていく。


 そしたらネバネバしてくるまで手で混ぜていき、そこに貝殻を焼いてから砕いて作る水酸化カルシウム……消石灰と水を混ぜて、これを凝固剤代わりに使う。


 ペーストになったこんにゃく芋と凝固剤を混ぜることで、水酸化カルシウムが化学反応し、こんにゃく芋の毒素が取り除かれる。


 あとは型に入れて30分ほど放置すればこんにゃくの完成である。


 保存する場合は茹でて、そのまま鍋で冷やし、茹で汁と一緒に運べば比較的長く保存することができる。


「英聖殿はよくそんなことを知っていますね。長秀関心します!」


 むふーと作られたこんにゃくを味噌田楽に焼いて食べると丹羽殿は美味しいと興奮していた。


「こんにゃくは色々な料理に使うことができるので、その調理法を含めて書に纏めるので、領民への普及をよろしくお願いします」


「うん、やってみます」


 真面目そうなので言うことは守ってくれそうだ。


 あとはサツマイモとジャガイモの種芋を渡し、作り方を教えた。


「あとは……米の収穫量を上げる方法もありますが」


「それは是非とも頼む!」


 ガシッと丹羽殿は俺の手を掴んでお願いしてきた。


 それに関しては中村の農民達が俺のやり方を既に知っているので、種籾持たせて作り方を広めてもらえば良い。


「でも米の収穫量を上げる方法や多く実る種籾とかは信長様に忠誠を誓った者に優先して広めると良いでしょう」


「そこは信長様の裁量にも任せます。あとジャガイモは連作すると土の養分が偏って病気になりやすくなるので、連作はしないでください。サツマイモは大丈夫ですけど」


「なるほど……他に作りやすい作物とかあるのか?」


 それは色々ある。


 二毛作をやるなら米と麦系でもいいが、菜種とかも収穫時期の都合で春に収穫してしまえば、夏前に米作りに移行することができる。


 菜種の他にも油になって作りやすいのだと落花生とかも良いかもしれない。


 どうしても油は値段が高いので、食料油だけでなく、燃料にもなる油の需要は多いので、高値で取引されるため、育てて損はない。


 落花生の皮とかは肥料として再利用できるし、茹でても美味しいし。


「他にもありますけど、沢山育てても農民が困りますので、今回はここまでにしておきましょうか。他の作物の育て方や調理方法も追々教えますので」


「うん、楽しみにしています!」


 というわけで丹羽殿の領地を試験農場代わりに色々な作物を大規模に作らせてもらうことになるのだった。

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