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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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11歳 初陣

 11歳……1547年になりました。


 今年の冬は冷え込んでいて、晃が凍えないように部屋を暖かくしながら過ごしている。


 俺達もすくすくと成長を続けていて、更に肉付きが良くなったような。


 10歳は育ち盛りだからね。


 背もぐぐっと大きくなるし……。


 そして、いよいよ戦への召集が領主様から掛かった。


 足軽組頭である萌衣姉さんは勿論参加。


 供回りである俺や秀吉、美虎も参加し、家と晃は散華さんに任せる。


 赤ん坊の晃用に哺乳瓶と粉ミルクは用意してあるし、ミルクの作り方とか哺乳瓶を熱湯に浸けて消毒する方法とかは散華さんに教えているので、多分大丈夫。


 粉ミルクは一応半月分用意しておいたし……。


 藤原兄弟も材料不足で作れないってことが無いように砂鉄や原料を大量に置いておいて、俺は戦に向かった。


 今回の戦は三河方面に織田家が勢力を伸ばす戦いで、織田信秀様と家康の母親である松平広忠との戦いである。


 ちなみに領主様も織田家の人間で名字が織田だった。


 まぁ尾張に織田はうじゃうじゃいるのでその1人だろう。


 中村と他に村3つを領有しているからそこそこは影響力がある人なのだろうが……。


「随分と目立つ鎧を着込んでおるな茂部よ」


「熱田に流れてきた鎧でして……」


「ふむ……、今回の戦でも期待しておるぞ」


「は!」


 萌衣姉さんが領主様から声をかけられて激励されていた。


 そんなわけで、領主様に連れられて尾張と三河国境付近の城で織田信秀様の軍勢と合流して、大軍になって三河に侵攻を開始。


「実際に軍の中に入ってみたけど……男も結構居るな」


 男女比は半々くらいで、男も女も関係なく足軽をやっている。


 甲冑を着て馬に乗り、偉そうにしている人は女性の比率が多いけど……。


 道中にある村を足軽達が略奪していくが、俺や嫁達はそこには関わらずに、纏っていて動いていく。


 そのまま砦の様な小さな城を攻める事になり、俺達は弓を扱える為、持ってきたコンパウンドボウを使って城壁から乗り出している敵兵を射抜いていく。


「へぇ……あなた変な弓を扱っているけど、敵兵によく当てているわね」


 俺の横にいつの間にかちょっと偉そうな人が現れた。


「あら、男だったの。男であの距離を射抜けるって凄まじい腕前ね。名前をうかがっても?」 


「足軽組頭茂部家家臣の英聖です」


「茂部……うーん、わからないわね」


「中村領主の織田様の陪臣です」


「あぁ~あそこの……私も名乗らないとね。織田信長家臣足軽大将の森可成よ」


 この人が森可成……紫がかった黒色のセミロングの髪に紫色の瞳をしていて、甲冑の上からでもわかるほどプロポーションが良い。


 ただ全体的に華奢って印象を受ける。


 史実の森可成は織田家でも1、2を争う剛の者って史料には書かれていたが、優しそうな印象を受けるのほほんとした感じの人だ。


「その弓には滑車が取り付けられているけど」


「ええ、弦を引く時に滑車が回転することで楽に引けるんですよ。男の俺でもしっかり弓を引けるように」


「あら、でもあなたの体つきだったら普通の弓でも扱いが上手何じゃない?」


「普通の弓も扱えますが……む!」


 パシュっと弓を放つと、顔を出していた敵兵の額に矢が直撃して、敵兵は倒れる。


 距離にすると60メートルくらい離れているかな。


「お見事。兜を被っていたからそこそこ名のある人ね。目録に記しておくわね」


「ありがとうございます」


 森可成さんとそんな会話をしていると門が打ち破られて、足軽達が城内に殺到。


 そのまま城は落城し、初戦は勝利を飾ることができるのだった。


 そして次は野戦となった。


 松平家の家臣率いる3000の兵と織田信秀様率いる8000の兵の激突である。


 合戦の最初は石や弓の投げ合い、撃ち合いで、石や矢がビュンビュン飛んでくる。


 城攻めの際に矢を打ち切っていたので、手頃な石を拾って投げていく。


 石投げはみっちり鍛えたし、俺の着ている防刃服は動きやすいので、野球ボールを遠投する感覚で石を投げていく。


「石投げが上手な男が居るって聞いたけど……英聖またあなたたったのね」


「あ、森様。自分もそうですが、嫁達も凄いですよ」


 俺の近くで美虎と秀吉、萌衣姉さんが石投げをしているが、他の人と明らかに石の速度が違う。


 風切り音を立てながら、レーザービームの様に真っ直ぐ石が投げられて、当たった敵兵の鎧を粉砕していく。


 160キロくらい出てるんじゃなかろうか? 


「うんうん、あの3人全員君の嫁なの?」


「はい、あの赤い兜(ヘルメット)を被っているピンク色の髪をしているのが上司の茂部萌衣様です。俺は彼女の旦那兼部下です」


「なるほど……覚えておくわね……っと、石合戦も終わりね。そろそろ突撃よ」


「はい!」


 石合戦が終われば双方突撃を開始する。


 俺も刀を抜いて敵陣に突っ込んでいく。


「おらぁ!」


 まずは挨拶代わりに目の前の敵兵の首めがけて刀を振るうと、プリンにスプーンを入れるように、スパンと首が飛んで、敵兵の体から大量の血が溢れ出す。


「案外大丈夫だな」


 初めて敵兵を斬り殺したが、アドレナリンが出ているからか、鹿狩りとかで血に対して慣れたからか分からないけど、敵兵を倒して多少手の震えがあるくらいで、非常に頭が冴え渡っていた。


(あ、これスポーツで言うところのゾーンに入ったかも……)


 周りの動きが非常にゆっくりに思える。


 俺は萌衣姉さんに刀を振り下ろそうとしている敵兵の体を袈裟斬りにすると、そのままの勢いで近くの敵兵の首に刀を突き刺す。


 俺に刀を振り下ろそうとする奴の気配を感じたので、脇差を抜刀して、抜刀の勢いで首を刎ねる。


 敵兵の首に刺さった打刀を引き抜くと、二刀流の構えで、敵兵をバッサバッサと斬り殺していく。


「ハァハァ……」


 極度の緊張状態であるが、秀吉が声をかけてきた。


「英聖! 首を獲って!」


 気がつくと目の前に鎧を着た武者の亡骸が転がっていたので、短刀で首を掻き取る。


「茂部家英聖大和守某討ち取ったり!」


 秀吉が俺の代わりに声をあげてくれた。


 俺は頭を手ぬぐいで包むと、腰にぶら下げて、先に進む。


「英聖! 突出し過ぎるな! 死ぬぞ!」


「すみません萌衣姉さん!」


 俺や秀吉、美虎が萌衣姉さんの周りに固まる。


「合戦は有利なの? 不利なの? どっち!」


「わかんないけど……押してそうな気がする!」


 秀吉と萌衣姉さんが話し合っているが、俺は近くに来る敵兵を叩き斬る。


 その状態で1時間ほどすると、松平の方が崩れて、撤退していく。


 織田軍は追撃を開始するが、伏兵に阻まれて上手く撤退する兵を追うことができずに、合戦は終了。


「この首……萌衣姉さんが報告した方が良いかな?」


「いや、英聖の首だから英聖が領主様に報告してきていいよ。秀吉も首取れた?」


「ええ! 取れました」


 秀吉も足軽大将クラスの首を取ることに成功していた。


 ちなみに美虎は首ではなく、ちゃっかり戦場から逃げ出していた馬を2頭捕まえていた。


「うちに持って帰るでーす!」


「それもそうだね」


 馬小屋は前に建てていたので、2頭くらいだったら育てることができる。


 周りを見ると、中村でお世話になっているお姉さん方も戦利品を回収できてホクホク顔をしていた。


「じゃあ領主様に報告しに行こうか」


「「はい!」」


 俺と秀吉は萌衣姉さんに連れられて領主様に報告しに行くのだった。






「おお、茂部の派手な兜を被っていた者達か。お主らが派手に暴れていたのは馬上からでもよく見えたぞ!」


 織田某様……まぁ領主様でいいな。


 領主様は俺達の活躍を見てくれていた。


 ヘルメットを取って顔を見せると、俺達が想像以上に若くて驚いていた。


「片方は男だったか……お主ら歳は幾つだ?」


「はい、11歳になります」


「私も11です」


 領主様の家臣達も11歳と聞いて驚くが、


「ということは今回が初陣か?」


「「はい!」」


「よく鍛えられておるな」


「津島の平野道場で鍛錬を積んでおりました」


「おお、あの道場出身か。なるほど……あそこは良い人材を育てるな。茂部」


「は!」


 萌衣姉さんが呼ばれ、俺達の功績は主に還元されるので、代表で褒められた。


 まぁ俺と秀吉は領主様に顔を覚えられたのが褒美みたいなものか。


 萌衣姉さんは今回の功績で足軽大将に出世し、組頭の任命権を貰っていた。


 あとは太刀と銭を少々、それに中村10石の領地を貰う破格の待遇である。


「今回の戦はこれで終いだ。田植えが終わればまた出陣となるだろうがな」


「は!」


 というわけで俺の初陣は終了。


 なんだかんだ近接戦で20人くらい倒したんじゃなかろうか? 


 秀吉も10人、萌衣姉さんと美虎は5人ずつ倒して、武芸に励んでいた成果が確実に表れるのだった。






「よかった……皆無事に帰ってきてくれて」


「散華、留守お疲れ。晃は元気だった?」


「はい、毎日粉の乳を良く飲んで、元気にはいはいで歩き回っていました」


「それはよかった」


 約1ヶ月戦に出ていたが、五体満足かつ怪我なく村に帰ってくることができた。


 萌衣姉さんは足軽大将になったし、村長と相談した結果、合戦に出ていた秀吉の義理の父親である竹阿弥が戦死して、また女1人になった秀吉の家族を家臣として抱き込むことに決まった。


 それと熊五郎の家と俺の実家も抱き込んで、それでだいたい10石分の農地になり、その家々は農民から武士の家臣にジョブチェンジ。


 まぁ村で生活するのは変わらないので、俺の母さんの藍は引き続き芋羊羹工房の管理者をやるし、親父は農地の面倒をみるし……。


「また兄さんと一緒に働けるね!」


「ああ、優里もよろしく頼むな」


 4歳年下の妹の優里や秀吉の妹の小竹とかも茂部家の家臣に編入されることになるのだった。








 村に戻ってきて、戦後処理も終わり、優里や小竹も俺達が通っている平野道場に通うことを始めた。


 2人も俺達が合戦で活躍したのを知って、武士に成りたいって言い出したのである。


 久しぶりに家族で話し合った結果、両親も優里の要望を認めて、萌衣姉さんの下人として働くことを認めてくれて、実家の田畑だったり芋羊羹工房の引き継ぎは更に年下の弟の辰丸に任せるって言われた。


 辰丸は臆病な性格で確かに合戦とかに出れる感じじゃないし、その方が良いだろう。


 というわけで優里と小竹も道場に通い始めたが……。


「うーん、英聖と秀吉に比べると才能は劣るかもしれないね。ただ小竹は算術が早いね。2人が教えたのかな?」


 師範からそう言われた。


 秀吉が小竹には時々勉強を教えていたらしいが、史実の小竹こと豊臣秀長も蓄財家って言われていて、亡くなった時に部屋を埋め尽くす銀と数え切れないほどの銭を蓄財していたって言われたから、その片鱗が見えているのかも? 


 そっち方面の才能を伸ばしてやっても面白いかもしれない。


「まぁ妹さん達まだ7歳だからこれからどんどん成長するだろうし、これからだね。農民ってことを考えたら才能はあると思うから」


「師範にそう言って貰えれば良かったです」


「それよりも、戦で武名を轟かせたようだね。織田様から道場をお褒めいただいて、おかげで入門希望者が増えて私らとしては嬉しい悲鳴だよ」


 俺達が活躍したことで領主様から褒められたらしく、師範は上機嫌だった。


 門下生が増えれば増えるだけ道場の資金繰りも良くなるので、ありがたいのだとか。


「師範の意見でいいんですけど、また田植えが終わった後に戦になるらしいんですが、今度はどうなると思います?」


「そうだね……まぁ松平の命運はこれで終わりじゃないかな? 周りも次の戦で松平は終わりって思われているし」


「ふむふむ……ありがとうございます」


 これ上手く使えれば金儲けできるんじゃないだろうか?

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