「需給に応じた生産」に対して「備蓄米買い戻し」と、首尾一貫性の無い政策が日本農家を滅ぼしてしまう件について!
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は農業政策が二転三転していることによって日本の特に米農家が苦境に陥っていってしまい廃業してしまうのではないか? という事について語っていこうと思います。
質問者:
筆者:
簡略的にこれまでの日本の米農家に対する歴史について語っていこうと思います。
戦前から存在した食糧管理法によって1960年代までは政府買い入れ制度によって生産は非常に安定しており最も多い時で1400~1600万トンにも達したと言われています。
しかし、その後、アメリカの小麦製品のゴリ押しもあって「食の多様化」が進み、いわゆる「減反政策」が取られるようになりました。
そこから作付面積、生産人口ともに加速度的に減少していき、2010年代には800万トンを割り込み、農家の平均年齢は60代後半になるほど超高齢化している状況になっているのです。
安倍政権下で「減反政策」と言うのは表向きは廃止されたことになっているのですが、農林水産省やJAグループなどは、需要に応じた作付けを行うよう促す「目安」や情報を提示し続けていたのです。
米価格が右肩下がりになっていき、米農家の赤字が延々と続く状況が大きく変化したのが24年8月の宮城県沖地震を皮切りに起きた「南海トラフ地震臨時情報」によって「米の買い占め」が起き、市場から米が消えることによって米価格が大きく高騰しました。
農家としては25年秋からの販売価格が上昇し、ようやく利益を得ることが出来る状況になったわけですが、一方で国民は「令和の米騒動」と呼ばれるほどに価格が高騰し、米を得ることが難しくなりました。
25年3月には備蓄米を放出して米価格抑制に動き、25年8月には石破政権が「増産」を指示し、生産性の向上に取り組み、増産に前向きな農業者を支援する方針へ転換したのです。
質問者:
これまで右肩下がりだったのが初めての転換だったわけですか……。
筆者:
しかし、それはたった1年で方針は変わりました。高市政権になると26年7月の改正食糧法によって「需給に応じた生産」を重視し、国は市場に介入しないという事を事実上宣言しました。
しかし、米価格が高騰したことを皮切りに「更なる日本人の米離れ」と言うのが進みました。
一気に需要が無くなり、最大で5キロ5000円だったものが5キロ3000円台前半から2000円台後半まで下落する状況になりました。
安倍政権下でも「需要に応じた生産」を命じていたのでそこに完全に逆戻りどころか、需要そのものが減ったので高市政権ではもっと悲惨なことになったんです。
質問者:
確かに「増産」から「需給に応じた」ものになり、「需要が減る」と言う事態になっては「実質的な減反政策より酷くなった」と言われても仕方ない状況ですね……。
筆者:
あまりにも需要が下がったことから26年新米が25年米よりも下回るという「逆転現象」まで起きてしまいました。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2898693?page=2
小売店としても高く25年米を買ってしまった事からこれ以上赤字を出したくないがためにこれ以上価格を下げられないのです。
小売店の悲鳴と言うのを聞きつけてか26年9月1日には「市場に介入しない」はずが、25年米を備蓄米として購入することに決めたのです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026090100469&g=eco
質問者:
え? 8月からは26年米も出回り始めているのに25年米を買っているんですか?
筆者:
そうなんですよ。「備蓄米」としての役割を持たせるのであれば、少しでも期間を長く持たせるために26年米を買うのが普通だと思います。
しかしここで25年米を買っているので「小売店を救済するため」と邪推されても仕方ないわけです。
「国は市場に介入しない」と言う方針を真っ向から覆すものと言って良いと思います。
質問者:
何というか……利権疑惑やら行き当たりばったりのことばかりしている気がしますね……。
筆者:
どうしてこんなことになっているのかと言いますと、要はその時の総理大臣が「誰の意見を優先して聞いたか」という事なのだと思います。
石破総理は農家を重視し、農家の生産を増やしつつ価格を維持することを試みました。
しかし、高市総理は「物価抑制」という事を重視したかったがために従来から行っている「減反政策」のようなことに戻ったわけです。
ちなみにこういった二転三転したケースと言うのは他にもあります2014年頃慢性的なバター不足により増産を要請しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H3K_Y4A121C1EE8000/
しかし、コロナ渦による需要の大幅減少によって生乳などが余ったことにより
「乳牛を食肉処理をすれば補助金」という事をやったのです
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/354353?page=4
このように、行政と言うのは東大の額を集めても「需給バランス」なんて全く予測できていないんです。
※しかも牛乳の輸入枠を政治的決定により減らすことも出来ません。
質問者:
筆者:
正直なところ政策が二転三転されることが農家にとって一番困ると思うんです。
工場で大量生産しているわけじゃないので、生きているモノを収穫するわけですから、急に増やしたり減らしたりすることは大きな負担になるんです。
一度畑を休ませるとまともな畑として復活させるのにまた労力が必要になりますしね。
そしてこれを解決するのが僕のエッセイをご覧の方は毎度お馴染みかと思いますが、「JAか農家から高く買って安く市場に売り、JAの赤字は国が補填する」ということです。
生活保護や海外の支援に余りそうなコメを供給すしたり、
米を活用した商品を米粉でパンを作るなど需要を拡大させるための抜本的な改革を行う必要があると思います。
酪農、乳牛に関してはちょっと難しいかもしれませんけどね……。
質問者:
筆者:
2つ問題がありまして一つは「財政規律」が影響しているんだと思います。
「赤字を補填」しているとなれば「農家を優遇し過ぎている!」と狂ったように発言される方々がいますからね。
日本の農家を守ることは有事の時の食料安全保障、自然を守ることなど数字に表れない大きな効果があると思うんですけどね。
また、「外圧」と言うのがあると思います。アメリカ米などを輸入させたい策謀があると思うので、「日本産には消滅して欲しい」がために「あえて揺さぶって廃業に追い込もうとしている」のではないか? ――そう思われても仕方が無いわけです。
質問者:
本当はどういう狙いがあるかまでは分かりませんけど、そう言う邪推がされてもやむを得ないような政策転換の嵐ですよね……。
筆者:
本当は僕の案を採用して欲しいところですけど、現実的な大きな流れとしてはアメリカとの関係もあって日本産の米は減少していき、非常に貴重になると思います。
米を作ることは中々難しくても、個々人のご家庭で1つの野菜でも良いので家庭菜園で作ることで「個々人で食料安全保障」を少しでもやることが大事かなと思いますね。
サツマイモや菊芋は放置しても簡単に育つので凄くお勧めです。来年の春にでも植えられてはいかがでしょうか?




