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由無し

作者: 村雲


例えば僕の背中の裏に


君の背中があって


後ろだけの温かさに


少しの幸せを知るとする



例えばふざけた言葉の裏に


無闇な悲哀を乗っけたけど


聞こえた優しい声じゃ


どうしても笑えないと知る



君が呟く言葉の全てが


僕だけに向けられたものならば


僕は一生幸せ者だな


そうやって笑って嘘をつける



いい加減


安い温もりに気づいてくれよ


僕たちはお互い


使い捨てライターに縋ってる



例えば僕には君がいて


例えば君には僕がいる


そんな当たり前が続いたとして


僕らの怠惰を誰が知る?



例えば時間が過ぎるのを感じると


僕の必要性を疑いたくなる


最近はひとりでずっと


サヨナラの練習ばかりしてる



君といると温かい


君がいれば僕は生きていける


だから本当は言葉なんてどうだっていい


だから言いたい事すらもう忘れた



そろそろ思い出す


夜と公園と静寂と憎悪


手のひらに触れた冷たい壁


僕らは文字に溺れてる



僕たちずっと笑ってばかりだ


君が泣いたのいつだっけ?



例えば僕の背中の裏


例えば君の背中の温度


例えば忘れた言いたい事


例えば少しの幸せを知る



思えばずっと笑ってばかりだ


僕が泣いたのいつだっけ?



暗がりの中


絵本でみた星空


点かなくなったライター


やけに冷たい背中


君の吸うタバコの煙が


目に入って痛くて泣いた。


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