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「勇者パーティーの一般戦士の俺、実は世界を滅ぼすラスボスらしい。でも勇者に恋したので世界は救います。」

作者: うたん
掲載日:2026/03/07

俺の名前はシン。


職業、一般戦士。

……少なくとも、そういうことになっている。


「次の依頼どうする?」


酒場のテーブルで向かいに座る少女が聞いてきた。


金色の髪。

透き通るような青い目。

そして背中に背負った聖剣。


勇者リリア。


世界を救う運命の人。


「帝国軍の拠点を叩くらしいよ」


俺が言うと、リリアはにやっと笑った。


「いいね! 強い敵は大歓迎!」


この人、ほんと戦うの好きだな。


「シンは怖くないの?」


「まあ……慣れてるし」


本当は違う。


帝国軍が怖いんじゃない。


俺自身が怖い。


「じゃあ決まり!」


リリアは立ち上がった。


「帝国をぶっ飛ばしに行こう!」


周りの冒険者たちがざわつく。


「勇者だ…」

「また帝国軍と戦うのか…」


その中心で、俺は頭をかいた。


(また戦いか)


正直、あまり気が進まない。


なぜなら――


俺はたぶん、

この世界で一番ヤバい存在だからだ。



帝国軍の砦


夜。


帝国軍の砦を見下ろす丘の上。


「作戦は?」


俺が聞くと、リリアは即答した。


「突撃!」


「やっぱりそれか」


「シンプルが一番!」


勇者、脳筋すぎる。


「でも兵は多いよ」


「シンがいるじゃん」


「俺?」


「うん」


リリアは笑った。


「シン、めちゃくちゃ強いじゃん」


……それは否定できない。


でも。


(強すぎるんだよな)


自分でも理由が分からない。


剣を振れば敵が吹き飛び、

魔法を受けてもほとんど効かない。


まるで――


この世界の法則から外れているみたいに。


「行くよ!」


リリアが砦へ走り出す。


「おい待て!」


俺も慌てて追いかけた。



戦闘


砦の門が爆発した。


「勇者だああ!!」


帝国兵が叫ぶ。


「敵襲!!」


数十人の兵士が押し寄せてきた。


リリアは聖剣を振り上げる。


「はあっ!」


光の斬撃。


帝国兵が吹き飛ぶ。


「相変わらず派手だな」


俺も剣を抜いた。


兵士が斬りかかってくる。


ガキン!


剣を弾き、反撃。


一撃。


二撃。


三撃。


兵士が次々倒れる。


「シン!」


リリアが叫んだ。


「後ろ!」


振り返る。


巨大な鎧の騎士。


帝国の将軍だ。


「勇者ァ!!」


斧が振り下ろされる。


ドゴォォン!!


地面が砕けた。


「危ねえ」


俺は横に飛んだ。


将軍が俺を見る。


「貴様、ただの戦士ではないな」


「どうだろうな」


正直、自分でも分からない。


将軍が突進してくる。


俺は剣を構えた。


そして――


斬った。


次の瞬間。


ドンッ!!


将軍の体が吹き飛び、砦の壁を突き破った。


沈黙。


帝国兵が凍りつく。


俺は自分の手を見た。


(まただ)


力が強すぎる。



戦闘後


砦は制圧された。


帝国兵は逃げていった。


「やったー!」


リリアが拳を上げる。


「勝利!」


「お疲れ」


俺はため息をついた。


するとリリアが近づいてきた。


「シン」


「ん?」


「ほんと強いよね」


「まあな」


「もしかして」


彼女は笑った。


「魔王より強かったりして」


俺は一瞬、言葉を失った。


……冗談だろうけど。


たぶん。


それ、間違ってない。


なぜなら。


俺の頭の奥に、

最近よく見る夢がある。


黒い玉座。


無数の魔物。


そして。


世界を見下ろす男。


その顔は――


俺だった。


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