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相反する二人 1

白の話し方があまりにも王様っぽいのですが、白は少女です。今回は、藍が冴えてます。

「私と入れ替わるつもりはないか?」

「はい。あります。」


「え?」

「ん?」

 何を戸惑うことがあるんだ。これを逃す手はないだろう。

「即答…?」

「いや、そりゃそうでしょうよ。白様のような生活、村の皆憧れております。入れ替わりを提案され、承諾しない者はいないんじゃないでしょうか?」


…………

 

 少しの間、沈黙が流れる。

「          。」

 先に口を開いたのは白だったが、何を言っているのかは聞き取れなかった。ボソボソしゃべんな。それでも領地の長か?しかし、そんな本音をぶちまけてしまえば、この話自体が無しになってしまうかもしれない。私の思い描いた夢の生活が、なくなってしまうかもしれない。ここは、礼儀正しい藍を演じよう。

「大変申し訳ございません。聞き取れなかったので、もう一度お願いしてもよいですか?」


「あぁ、すまない。忘れてくれ。しかし、この生活を望むほど村の民は困窮しておるのか。

すまない。作物が採れないのも、育たないのも私のせいだ。私が長としての神力が足りなかったためだ。許してくれ。」

 え?こいつのせいだったの?作物と何の関係もなくない?

「一つ質問してもよいですか?」

「よい。どうした?」

「神力と作物、どういう関係があるのでしょうか?」

 白は多少驚いたような表情を浮かべたが、すぐにもとに戻り話を続けた。

「すまない。説明不足であった。申し訳無い。」

「いえいえ、そんな滅相も御座いません。」

 なんだ?こいつ全然長としての威厳がないぞ?へりくだり合戦始まってるじゃん。そんなポンポン謝ってもいいの?

「話を戻そう。神力は、文字通り神から授けられた力だ。領地内の作物は、領主の神力がなければ育たない。」

 へ〜、なんかファンタジー。

「領地内で作られた作物は、領主の神力と水を主な栄養源として育つ。お主のところの山川芋とやらは、お主から発せられる神力を吸って生きながら得ていたようだな。」

 なるほど。これでようやく合点がいった。藍は神に寵愛されるレベルで神社に通いまくっていたから、山川芋が育ったんだ。なかなかやるな。いや待てよ?

「お主と儂が入れ替わるのは、決定事項でよいな?」

「はい。」

「して、お主の話そうとしていたことを聞かせてもらおうか。」

 おお、遂に来たかこの質問。

「今、私たちの育てる山川芋しか奉納物は無いのですね?」

「あぁ。」

「山川芋を、想子村の商品作物として認めてください。」

「ほう?それはどういうことだ?」

「山川芋は、米や麦に成り変わる主食です。今作物が採れなく、私たちのものしか奉納物が無いのに皆と同じ扱いでは不公平ではないですか?」

 白は、あり得ないというような表情を浮かべながら話口を開いた。

「神に背く行為だとしてもか?」

「はい?」

「神に納める作物で金を取るなど、言語道断。に背く行為の何物でもないであろう!」

 しまった!調子に乗りすぎた。しかし、このままでは村の皆が貧しい思いをし続ける事になってしまう。母さんには、恩があるし、藍のときの記憶は、どれも楽しそうなものばかりだ。この村をポイッと捨てれるほど私は非情じゃない。


 確かに、領主のような生活はしてみたいし、先ほど即答したのは、より都合よく村を改善出来ると思ったからでもある。

 さっきからずっと偉そうにしてるこいつも癪に障る。元はといえばこいつのせいで作物が取れなくなったのだ。

 しかも、さっきから妙に引っかかる部分がある。

「お言葉ですが、領主様の神力のせいで今作物が取れていない状況下にあります。しかも、私と入れ替わったところで、領主という立ち位置まで入れ替わるとは限りません。」

「………。」

「貴方の表向きの意向は領地内に神力を行き渡らせ、作物が取れるようにする事。

 ですが、いくら容姿が似ていても、前領主様である帝林様と血は繋がっておりません。神力がどう作用するかも分からないのに、入れ替わりを提案するなど、何か裏があるようにしか思えません。」

「………。」

「何か言ったらどうですか?」

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。もし誤字脱字や設定の矛盾、不備等あれば、教えていただけるとありがたいです。

山川芋は特別で、神の山脈から流れる水で育ちます。領主の神力を吸って生きると言ったのに、山川芋が藍の神力で育ったと言ったのは、白の失言でしたね。

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