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もしかして神様

 1日ダラダラした。もう匂いにはそれなりに適応出来てしまった。恐ろしいものだ。今日は、待ちに待たなかった初畑仕事の日だ。

「藍、体調はどうだい?」

 来た、お母さんの心配だ。麗華時代は親が毒親だったから、心配なんかされたことない。そして、ここは完璧なまでの愛娘藍ムーブをかまさなければならない。

「うん!!好物も作ってもらったし、おかげで全回復!」

 ……どうよ。完璧では?私が親なら今日も畑仕事許しちゃうぐらい嬉しいね。

「そう。じゃ、今日はたんまりと畑仕事手伝ってもらうよ。」

 ああぁぁぁ!!ですよね、知ってた!だって不作なんですもんね!!そりゃ作らないと駄目でしょうよ!!しかし、ここは前の藍に免じて完璧な藍を演じなければならない。

「うん!私、頑張るよ!」

 すると、母さんの顔がパァッと明るくなった。ほら、もう母さんの顔輝いてるじゃん。これは決まった。

「やっとわかってくれたのね!!」

「え?」

「あなた畑仕事もサボりがちで、母さん心配してたのよ!!このままずっとサボられたらたまったもんじゃないって。ようやく、ようやく改心してくれたのね!」

「え?え?」

 え?藍??

「苦節16年。ようやく実を結んだわぁ!!」

 しまった、見誤った。そうだ、よくよく考えたら神社にふらふらっと遊びに行く感じな子だった。今、記憶を探ってみても畑仕事をしている記憶は少ない。こいつやってんな。

 うわぁぁ、サボったらよかった!!!最悪!

「やっぱ無しとかって…」

「無理無理無理無理!ほら、あなたは私と行くのよ。もう逃さないから。」

 そんな無駄無駄無駄無駄みたいに…。

……もしかして母さんが筋骨隆々なのって、前の私が働かなかったから?見る感じシングルマザーっぽいよね、お父さんの記憶は探ってみてもない。

「母さんは、徴兵にも行かなきゃだからねぇ…」

「母さん徴兵行くの!?」

 それはとても困る。母さんの料理は美味しい。私は麗華時代、某料理運んできてくれる系アプリしか使っておらず、料理なんか数えるほどしかしていない。

「何言ってんのさ、今更。毎年行ってるだろ?その時は線さんのところに預かってもらってるじゃない。」

 線さん!!無理!!怖い!!しかもあそこに行ったら点がいる!!絶対にそれは阻止しなければならない。

「ねぇ、母さん?それって、いつ?」

 恐る恐る聞いてみた。時間によっては、私も使い果たした努力を復活させざるを得ない。

「母さんは、成果を今まで挙げてきたから、ほんとは2年間行かなきゃなんだけど、あなたしは1年の中の武月と戦月の二月だけで許されてるのよ。前も言わなかった?」

 ごめん母さん。将、似合ってます。それって無茶苦茶すごいことじゃないですか?

 あとここには、私の知らない概念がありそう。1月2月とかそういう感じだろうが、今が何月かわからない。ただ、これを聞くともっと怪しまれるに違いない。また後々聞こう。

「さ、畑に行くよ。」

 外に出ると、雲一つない快晴だった。遠くには山脈がそびえってる。たぶんアイツのせいで不作なんだな。

「お!将さん!」

 でた。線さんだ。

「藍ちゃんはよくなったの?」

 ここは、愛娘の私が率先して答えなければならないだろう。

「はい!おかげさまで良くなりました!山川芋の粥も母さんに作ってもらって、今は元気です!」

「コレ」

 ゴチッ。

「アデッ」

 ?殴られた。コイツ、今私がせっかく良い愛娘ムーブをしてやったのに、なんで殴ってんだ。

 ポカーンとしていると、母が小声で話してきた。

「そんな事、大声で言うもんじゃないわよ。」

「ハッハー!藍怒られてやんの!」

 線さんの横にいた点が懲りもせず煽ってきた。

「点、帰ったら覚悟しときなさい。」

 あ、線さん怒ってる怒ってる。

「将さんも、そんな事するもんじゃないよ、確かに藍ちゃんは抜けてたけど、いい子じゃない!」

 おぉー!線さん!マジいい人!てかなんで言ったらダメなんだ。

「なんでわたし怒られたの?」

 母に問うと、困ったような顔で答えた。

「山川芋の粥には、塩と牛乳が入ってんのよ。この村では、祭事にしか食べないくらい高価なの。」

「えぇ!!」

「声がデカい!」

 もう一発拳骨が飛んできた。いや、私も点に言えないじゃん。かなりデリカシーがなかった。

 そして、もしかしたら私の家、かなり金持ってる?これはかなりのお得情報。

 もしかして神様、願い叶えてくれた系?

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。もし誤字脱字や設定の矛盾、不備等あれば、教えていただけるとありがたいです。

今回、藍の家がもしかしたら金持ちの可能性が出てきました。これが、優しすぎる将の気遣いということに気づくのは、また別の話で。

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