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監視の目がありながらも、使っていない布団を提供してくれたため、快適に一夜を過ごすことができた一行


翌日

車でやってきた北部方面総監の者らと、KV-107中型ヘリで防衛庁長官である増田も滝川駐屯地へとやってきていた


「布団の提供感謝いたします」

松本が敬礼をする

「大丈夫だ。気にするな」小田が素っ気なく返答する

「あなたが?」

その背後から増田が顔をのぞかせる

「どちら様でしょう?」

「あぁ、申し遅れました。防衛庁長官の増田と申します」

松本はいきなり大物が来たことにびっくりしながらも、敬礼をしてすかさず自己紹介をする

「西部方面戦車隊の特別派遣隊隊長の松本です」

「あなた方が未来から来たという確証は既に取ってあるんですよね?」

「えぇ、昨日未来の道具をいくつか見せましたので」

「なら信じますよ。それで今回は戦車の機動を見せてくれるとか・・・」



「はい。あちらにあります。10式戦車という戦車と16式機動戦闘車という戦闘車の2両の機動をお見せします」

「なるほど、それは楽しみですね」




少し交流をした後、松本の案内の元、位置についてもらい

駐屯地内にあるグランドにて機動を見せる


「最初は16式機動戦闘車からです」

松本が無線を持って合図を送る


エンジンに力が入り、加速していく

いきなり速いスピードで来るとは思ってもいなかった、総監や防衛省の者はびっくりする

それは警備をしていた自衛官らも一緒で、少し後ずさりしてしまう


「砲旋回が早い!」

「凄いな。安定装置を使っている」


続いて登場した10式戦車

砂埃を上げながら、ドリフトや砲旋回など、この時代の戦車では出来ないことを全てやってのけた


「あ、あの戦車。自衛隊に取り込めばかなりの戦力になる」

「えぇ、それに現在開発中の第2世代戦車にこの技術を取り入れば、冷戦における日本の安全保障において優位になれる」

「だが、米国やソ連にこの情報が洩れたら不味いですね」

「そこは何とかしてもらうしかない」



松本隊長は再び会議室へと呼ばれた

会議室と言うより大隊長室だ

小田大隊長と、増田防衛庁長官

「松本隊長、お座りください」

「どうも」


松本が席に着く

「我々より話があるので来てもらった」

「はい」

「君たちが本当に未来の自衛隊であることは、ここにいないメンバー含め確信している」

「特にあの戦車やあの技術は凄かったなぁ」小田が満足そうに言う

「君たちは元の時代に戻りたいと思っているかな?」


松本が少し悩む

今の部下らから元の時代に戻りたいとはっきり言われたことが無い。

この時代はソ連の脅威がありながらも、日本に戦火は訪れない。それは誰もが知っている

「まだそのような話にはなっていません」

「そうか。我々から提案がある。元の時代に戻りたいなら我々も協力する。そこで一時的に今の自衛隊として活動してくれないか?」

「部下と話し合って纏めたいと思います」

「あぁ、ぜひそうしてくれ1日待つ。それと、もし編入された場合には砲弾や火器の提供などを行ってもらう。待遇はそれなりのを保証するし、それを承知の上で話し合ってくれ」




松本が戻ると、空き地にて車両に付いた土や泥を拭いている仲間の姿があった

彼の姿が見えると、全員が動きを止める

「どうでしたか?」木村が出迎える

「あぁ、皆は元の時代に戻りたいか?」

「そりゃあ戻りたいよ。便利だし」10式戦車の車長である橋本がそう言う

「俺もゲームできないし」1話で後部座席でゲームをしていたミリオタの阿部隊員が悲しそうにつぶやく

「でも元の時代に戻る方法が分かりません」

「元の時代に戻る方法ねぇ・・・」16式機動戦闘車の車長である岸本が、遠くを見る


「取り合えず来た道を戻るのは?」木村がそう提案する

「我々は今の自衛隊に編入しないか?と提案された。兵器開発の参考に砲弾や銃火器など提供しなければならないらしいが、待遇は保証するとのことだ」

「もし元の時代に戻れなかったら、俺らは生きていけない。ならば一回試してみて戻れなかったら、自衛隊に編入してもらおう。それが一番だ」

橋本の案に、一同が納得したように首を縦に振る


「それで決まりで良いな」松本がみんなに確認を取る

「問題ないです」木村がそう答える



次の日

松本は増田長官に、話し合ったことを伝える

「そうか、大丈夫だ」

「感謝します」

「流石に今から行くというわけには行かない。建設省と協議した上での行動となるが」

「大丈夫です」

「こっちに北海道の地図がある。これに東千歳駐屯地からここまでの通った経路を赤ペンでお願いします」

そう言って増田が赤ペンを渡す

「少なくとも4日以上は掛かると思いますので、それまでこの駐屯地で待機してください」

「了解です」



増田長官は乗ってきたヘリで東京へと戻っていくのであった


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