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- 依頼の内容2

「倉庫から持って来てくれるかい」

鴇は弟子に倉庫からあるものを持って来るよう言いつけた。

「お待たせしました!お師匠さま、どうぞ」

弟子が持ってきたのはこの前縁側で日向ぼっこをしていたキャビネットノブである。セキが持ってきたアクセサリーケースも色違い、中に入っているノブもそっくり同じ色柄のものが二つ…。

「これは…まあ、なんてこと」

「依頼主はなんと仰っていましたか」

「どこに行けは対に逢えるのと聞くと、声を聴いていればいずれ貴女の元に届くと言っていたわ…」

「これで二つ目の依頼の準備は整ったわけですね」

「運がいいこと」

運というには揃いすぎている気もするが、と鴇は一抹の不安を抱いた。が気分よく話しているセキの顔を見て体に入っていた力を抜いた。今ここで考えていても仕方がない。と。

「それで依頼は以上ですか?」

「いいえ、最後にひとつ」

セキはメモ用紙の一番下に赤ペンで記した文字たちを読む。

「妖どもの声を聴く耳を持つ人間を一人以上、妖どもと対峙できる人間を一人、そして緋褪堂の主人の血を色濃く受け継ぐ人間を一人連れてきなさい。私の依頼が総て叶えば依頼料の話をしましょう」

「…それって」

木綿子はあの日対峙した依頼主のことを思い返す。人と妖を混ぜたような異質な存在。思い返してぶるりと身震いをした。

「耳のいい人間と対峙できる人間は私と瑪瑙で良いだろう。…いいかい?」

瑪瑙は品のいい笑みを浮かべて「いいわ」と答えた。

「緋褪堂の主人の血を色濃く受け継ぐ人間は木綿子ちゃんだろねぇ」

「やっぱりそうですよね…」

「当日はその眼鏡は仕舞っておきなさい、その目の使い方を学べるいい機会にもなるだろう」

「瑪瑙や」

「なぁに鴇」

「当日は木綿子ちゃんの隣にいて「いいわよ」

鴇の言葉を待たずして答えた瑪瑙の声に鴇は満足げに笑った。言葉にしなくとも伝わる昔からの友人がとても頼もしく思えて。

「それから弟子や、お前は留守番だ」

「そうだと思いましたぁ~」

不貞腐れ気味の弟子の頭を乱雑に撫でて言う。

「今回はちょっと予測がつかないからね、お前は私たちが出発したらきちんと戸締りをしてコクリ堂の爺さんの店に行きなさい。そこが一番安全だから」

「帰ってきますよね?」

「もちろんだとも。あ、爺さんにも懐中しるこを持って行きなさい。そこでゆっくり待ってなさい」

御返事はと鴇が問うと少し不安げに瞳を揺らしながら弟子はこくんと頷いた。

「コクリ堂のじいさまの元で大人しく待ちながら修行してます」

と胸を張った。弟子も少しは成長したらしかった。

「それじゃあ、依頼の準備を始めようか」


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