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- 解決策

「むぐっ……瑪瑙さまからは返しに来るときで構わないから今度お茶でもしましょうと言付けをいただきました。お師匠さま、いつの間にあんな美人とお知り合いに?」

「私だけじゃなくて、この鳶も爺さんも知り合いだよ。所謂同業者だ」

「へえ~。それから一つ注意があるそうです」

「注意?」

「ここ数年で中身が入れ替わりました。入れ替わった方が扱いやすいとは思いますが念のためご注意を。…とのことです」

お使い先の美人から受け取った荷物を荷解きながらその注意事項を聞く。ふむ、ならば私とは初対面という事か。かつての友人がもういない事実に少し胸が軋む。もう少し早く会いに行けばよかったなどと小さな後悔が芽生えたが今は横にそっと置いておくとする。

「それは?」

鳶が風呂敷の中にある桐の箱を眺める。

「開ければ見覚えがあるんじゃないか」

桐の箱の蓋を開ける。中には黒光りした鉄製の亀。元は南部鉄器の急須であったものに付喪神が付き、亀の容になった。甲羅は南部鉄瓶で代表的な文様であるあられで覆われている。

「亀、か?」

「ああ、元急須の亀だ」

『元ではなく、現役だとも。見慣れぬ人の子よ』

桐の箱から出された黒い鉄亀はゆっくり首を伸ばし、私達に話しかけた。

「初めまして、瑪瑙と同業で鴇と申します。この度はご足労いただきありがとうございます」

『いいえいいえ。瑪瑙の“大切な”方からのご依頼ですから、私も受けない訳には参りませんよ』

黒い鉄亀は穏やかに微笑んだ。かつての友人とはまた違うものの、この方もよい友人になれそうである。

『さてはて、鴇の依頼は私に喰ってほしいモノがいるとのことでしたが』

「喰わせて大丈夫なのか?」

黒い鉄亀の確認に鳶が入り込んでくる。

「ああ大丈夫だとも。彼はね、持ち主に害意を持ったモノの力のみを喰って吸収する。喰らった力の分吸収・昇華するのにかかる時間は寝て過ごすんだ。吸収した力は彼の中で鉄分に変換し彼を使って淹れた茶の中に排出される。茶に混ざると言っても鉄分だし、一日の摂取量の二倍くらいさ。妖力なんてものは含まれないし」

『瑪瑙は私で淹れる茶が好きでねえ、おいしいと喜んでくれるのですよ』

「絵葉書の女の力をこの彼に吸い取って貰って彼は瑪瑙の元に返っていただく。女は絵葉書に戻ったところで何の力も持たず、無力化の結界がかかったこのコクリ堂で謹慎。いかがでしょうか」


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