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ぼっちの住みにくい世界

 そろそろ終わらせましょう。

 最近、ぼっちが住みにくい世界になってしまったと感じる。


 まず、休み時間中、教室はずっとうるさい。男の皆見、桑田軍団を始め、女子の水上、一星軍団が授業が終わると、動物園みたく騒ぎ出す。なにより豚みたいな大きな獣が隣で、ギャーギャー騒いでいるのが腹立たしい。


 次に、クラスが淫乱渦巻いている。桑田と水上カップルは、いつもイチャコラして、イライラさせてくることは当たり前なのだが、最近できた有明と一星のカップルのせいで、クラスに恋愛ブームが来ている。


 難攻不落と言われていた有明が、ころりと落ちてしまったのだ。正常な思春期の男女が色めき立たないわけがなく、叶わぬ恋でも、当たって砕けていくクラスメイト達が良くみられるようになった。有明たちのカップル成立は、まるで応仁の乱のようで、しょうもない恋の下剋上がわんさかと起こっている。


 もちろん自分は下剋上失敗の姿が大好物なのだが、下剋上は意外と成功したりする。結果的にクラスの中には、飽和し、溶け残るほどのカップルが溢れていた。きっと一か月もしない内に別れる奴らがほとんどだろうが、それまでは息苦しい日々が続くだろう。


 クラスの中の幸せが増えれば増えるほど、ぼっちの居心地は悪くなる。それでもこの居心地を悪さを生み出した原因の多くは、自分の行動にあると考えると、どうしようもないもどかしさがある。


 自分は心の中で、大きな溜息をつきながら、自分の机の上で寝たふりをして、憂鬱な休み時間をやり過ごした。


 目をつぶりながら、吹いたら消えそうなくらいに中身のない会話の雑音を聞き流していた。自分は苛立ちを覚えながらも、少しだけ嬉しい気持ちも覚えていた。

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