表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある天才少女賢者の苦悩……

作者: 茂木 多弥

 皆さんも秘密をもっているのではないでしょうか? この物語は、ある天才少女賢者の秘密に関わる日常の苦悩を綴った物語です。

 私は村人が見守る中、ゆっくりと胡坐(あぐら)で座る。私を中心に地面に魔法陣が展開され、その紋様(もんよう)が激しく光る。私は本当はする必要がない手を前に出すポーズをする。


(このパフォーマンスは大事……)


 その瞬間地面から土が盛り上がり、瞬く間に村は土壁(つちかべ)に囲まれる。小さな村だから城下町の防壁より全然簡単。村人は喜ぶし私はお金を貰えるからWin-Win(ウィンウィン)だ。


(あ、入口忘れてた。三か所ぐらい穴開けて……もう少し強度が高い方がいいかな……火魔法と水魔法を使って(やき)をいれて……)


流石(さすが)は土の賢者トゥラン様だ! これほど立派な防壁を作って頂けるとは……」


 (みんな)は私のことを土の賢者と呼ぶけど、実は全ての属性魔法を扱う事ができる。攻撃魔法だけでなく回復魔法も扱う事ができる。でも、冒険とかはしないし、誘われることもない。私は座りながらじゃないと魔法を使わないから。

 どうして魔法って(じん)が展開されて光るんだろう……これさえなかったら良かったのに……


 私は村長からお金が入った袋を受け取ると、遠い目で空を見上げる。


 あー……思い出すなぁ……初めての授業で水魔法を使った事。私に魔力があるって事で入った学園で、安全だって事でコップに手をかざしたっけ? その瞬間お尻から魔法陣が展開されて、まるでお(もらし)らし状態……恥ずかしくなって魔力暴走して教室が大洪水……

 その後、学園では(あつかえ)えないって事で師匠に預けられて爆笑された……まじ黒歴史。だって、よく考えてよ。火魔法を使おうと思ってもお尻から魔法陣が出るんだよ! それって、おならみたいじゃん!


 一度だけ懇願(こんがん)されて冒険のパーティーを組んだ時は、魔獣に追いかけられたから殿(しんがり)を務めて大火炎魔法(だいかえんまほう)で撃退したけど、あとで(みんな)に怒られた。そんなことが出来るなら最初から使えって? お尻向けて火魔法なんて使ったら放屁賢者(ほうひけんじゃ)って二つ名がつくじゃん! 乙女にもプライドがあるっての!


 私は受け取った袋の中身を確認すると、ゆっくりと座り直して魔法陣を展開する。土からゴーレムがせり出し、私はゴーレムの肩に載った状態で座っている。


(これなら、ゴーレムの肩が光っているようにみえるだけ……)


 ゴーレム越しなら水魔法でも火魔法でも自由に使える。だから私は土の賢者と呼ばれるようになった。乙女の尊厳は守られたのだ。本当に良かった……この方法を考えてくれた師匠には感謝。これからも私の秘密は守り続けないといけない。


 はぁ~……お金が溜まったら賢者を()めようかな……



 本作品は第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞の応募作品として書かせて頂きました。コメディなので沢山笑って頂けると嬉しいです。

 面白いと感じられましたら「ポイントを入れて作者を応援しましょう!」で評価を頂けると嬉しいです。お祭り企画なので「なろうラジオ大賞4」のキーワード検索から他の書き手様の作品も読んで、ポイントを入れて頂けると幸いです。

 あなたの小説ライフが楽しいものになる事を。


 茂木多弥

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「なろうラジオ大賞4」から拝読させていただきました。 これほど「使い勝手が悪い」という言葉がはまる話もないですね。
[良い点] これはひどいwww 乙女じゃなくても放屁賢者は嫌ですよねぇ。 座って魔方陣を誤魔化すのはナイスアイデアですね。
[良い点] あっ! いけね! 前回の感想で間違いがありました。 なろう小説より前に、魔法陣グルグルという漫画で元ネタがあったようです。 なろう小説のも、タイトル微妙に違うみたいで。 すみません。 m…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ