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前世の記憶があります

前世の記憶があるという人の特集をテレビで見たことはあったし、信じてはいないが前世占いなんかも聞くのが好きでよく占ってもらっていた。


その時の私の占い結果はドイツの森に住むリス。

それも尻尾が特別短く、その見た目がゆえにリスたちから仲間はずれにされ、しまいには住み家を追い出され、不器用過ぎてご飯にもありつけず、やっとの思いで見つけたどんぐりをうっかり蹴り飛ばしてしまい、泣きながら追いかけて滑って転んで池に嵌まったところを、本来天敵であるはずのキツネに助けてもらい、その後も見かねたキツネに何かと面倒を見てもらっていたリス。

占い師の話が上手く、続きが気になり通ってしまったこともあった。ちなみに全5編、課金総額は15000円。


「貴女の前世は、リスね」

「リス?」

「そう、それもとびきりおっちょこちょいなドジっ子リス」

「ドジっ子リス…」

「あらあら池にはまってぽちゃんね、見かねたキツネに助けられてるわよ」

「え、ちょっとそれ詳しく…」



そんな私には前世の記憶がある。


その前世はキツネに助けられたリスではない。キツネに助けられたリスの占いを聞いていた女の子だった頃の記憶だ。


その女の子が生きていた時代は西暦2000年代の日本。そしてここは、リアデル星暦1206年のアーザランド国。


どこやねんそれ、という謎の関西弁つっこみをしてしまう位には前世の記憶がはっきりとしている。

脳が記憶している地球という星でないことは確かだ。これはもはや一世を風靡した異世界転生物というジャンルなのかもしれない。


私はあの当時ありふれていた普通のオタクだった。

普通に学校に行って、普通に友達に囲まれて、部活もバイトもして、ラノベやマンガの好きな普通のオタク。


氷の公爵とか氷の騎士とかが大好きで、普段冷たいとされている美青年がヒロインにだけ優しく甘くなるというシチュエーションにきゅんとしていた。

シルバー系の髪色に水色の目、長髪でもいいし、さらさらのセンター分けでもいいし、短髪でもなんでもござれ。

氷の公爵様からはまりだしたが、どんどん私の中で好みの容姿になっていき、後半はそのビジュアルだけで推せていたし、もはやシルバーや薄い水色は私のテーマカラーと言っても過言ではなかった(過言)。


知的で包容力のあるキャラクターが好きだったので、父親、兄ポジションだと尚良しで、ドストライクのキャラにはバイト代をほぼ全額貢いだし、給料日まで米と塩で乗りきったこともある。あの時ご飯を恵んでくれたバイト先の先輩のことは女神様と呼んでいた。


そんなオタクな私は、2000年代の地球とは程遠い世界に転生したようだ。

テレビや電子レンジがなくて昔の外国みたいだけれど、それに代わる別の文化が栄えているようで、不便さはないし、自然と科学が融合したような不思議な世界。


顔立ちも西洋のようだけれど、髪の毛の色が特殊で、紫の人もいれば、緑の人もいる。しかしどちらかといえば濃い髪色の人が多くて、海外の俳優さんに多かったプラチナブロンドみたいな髪色の人はあまり見かけない。


私は前世と変わらない真っ黒な髪の毛で、虹彩の色だけ暗い青だけれど瞳は真っ黒だし、顔立ちも凹凸が少なく、印象は前世とあまり変わらないなんとも残念な容姿。それなのに、家族や使用人、それに会う人会う人、私を口々に誉めそやすので、元日本人の私としてはなんだかとてもいたたまれなくなってしまうのだ。


家族や使用人だけなら愛されているなぁ、と素直に嬉しい気持ちになるのに、お茶会で招かれた先で、とても愛らしいご令嬢に「貴女は美人で良いわね」なんて言われてしまっても、揶揄われているのか、独特のセンスの持ち主なのか判別がつかずに苦笑いしか浮かべられなかった。

開いていただいてありがとうございます。美醜逆転ものが好きすぎてなろうにある美醜逆転ものを読みきってしまい、自分で書きだしてしまいました。書いたり足したりの素人のため何卒ご容赦ください…

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