幕間 カージョナ滞在記④ ~ぴーぴんぐ~ seen4
彼女には、岩だらけの背景を薔薇の庭園に見せる気品があった。
事実、金髪の背景は薔薇に彩られている。
そういう立て看板を執事の老人が掲げている。
「どこぞの不審者かと思えば、いつだかこの私に楯突いた田舎者の地味男ではありませんか」
まっすぐ地面に突き立つ脚、黒いスカートが体重移動に合わせて揺れた。
臙脂色の制服がくびれと胸の膨らみに翻弄されるのを腕組みが押さえつけている。
そのまま片肘を立てると、白雪のような指が薄くも不敵な笑みを浮かべる口元に添えられた。
豪華絢爛、荘厳美麗が一人歩きをしているような少女に、くたびれた学ラン姿の少年は側頭部を指で掻いた。
「地味で悪かったな……で、あんたは何でここに? 下賤の地味男に会いに来たわけじゃないだろ?」
「気味の悪いことを言わないで下さる? 貴方如き田舎の間抜け男になど一寸たりとも興味はございませんわ!」
少年と少女が出会ったのはこれで二度目。
一度目の会合は悠太とライチが首都に上ってきた直後、いきなり田舎者と罵られた時である。
まったく良い印象のない悠太は側頭部を掻いていた指を頬にずらし、「へいへい」と相槌を打った。
そして巻き髪を三つも四つも付けたド派手頭に推測を述べる。
「……ってなると、狙いはライチか?」
以前、赤毛の少女がぼやいているのを聞かされた。
入団祭で対戦して以来、しつこく絡んでくる女生徒がいると。
「やはりその先にいますのね。寮のどこにもいないので探しましたわ。ご案内ご苦労、通しなさい」
「あいつ困ってたぞ? 『昼夜も所も構わず決闘を申し込んでくる』って」
「やむを得ませんわよ。たった一度の勝ちにいい気になり、私と同じ講義に出て、私より高い筆記得点を出す……先に挑発してきたのはあの芋女でしてよ」
話を聞く限りまったくの逆恨みに聞こえるが。
悠太がちらりと岩陰の向こうを横目にとらえる。
そこには表情こそ伺えないが穏やかな雰囲気で教え合いをしている二人の姿が見えた。
仲睦まじい癒しの時間に水を差させるのも気が引けたので、悠太は一歩、金髪の少女へと足を踏み出した。
「……それはどういう態度ですの?」
「悪いけど今ライチは先客の相手しててさ。要件は俺が聞くよ」
「遠慮致しますわ。地味男は黙って道を空けなさい」
「遠慮致します、って言ったら?」
挑発的に言うと、赤い瞳の鋭さが増した。
「心底田舎者どもとは思考が合いませんわね……まったく手間ですが、蹴散らして通らせてもらいますわ」
金髪の白雪のような指が魔導書にかかった。
悠太は篭手から覗く五指をグーパーと動かし、スニーカーで足場の感触を確かめた。
――思えば、現代日本で安穏と暮らしていた少年が野蛮になったものだと笑みが零れる。
異世界に召喚された当初は戦うことも血を見ることも怖くて、自分というものを守る力がなかった。
荒事は今でも好きではないが、この世界においてはそれ以外では守れないものが多くて……それで守ることができたものが少なからずあった。
両者が睨み合う中、悠太の後ろからぴょこんと青い影が飛び出す。
「時間いっぱいにゃ! 両者合意でよろしいのにゃ!?」
その幼女は二人の間合いの中心まで駆けて行って、短い両腕をピンと伸ばして、何やら仕切りの宣誓を始めた。
「何ですのこの小汚い娘は」
小汚くはないし、一応ギルドマスターらしいのだが、どうせ悠太の発言とサマーニャの風貌では、一言で納得までは行くまいと説明を諦める。
「監視はいいのかよサマーニャ」
「少し飽きてきたから別にいいのにゃ! それより今はこっちのが面白そうなのにゃ!」
監視は忍耐が大事と言っていたのは誰であったか。
「ふん、私の邪魔をしないのなら構いませんわ。それでは……さっさと片付けてしまいましょう」
金髪の声のトーンが落ちて、悠太は腰を落とした。
ガーネット・ファーレンフィードは魔導書を手に開き、赤と青の光を舞い散らした。
「――マナ待機、『解放』、コール『熱水ノ蛇』」
赤と青が混ざり合い、弾けて現れたのは巨大な水流の蛇である。
その頭部は使い手の少女の背丈と同じほどもあり、くねる水流の胴体からは、もうもうと湯気が立っていた。
「ライチの言ってた熱湯の蛇だな……!」
ギルドの入隊を賭けた試験の最中、ライチと彼女の戦いがあったことは聞いている。
赤毛の少女は日々絡んでくる彼女に困り顔になりながらも、その使う魔法に話が及ぶと瞳に尊敬の色を浮かべて嬉々として語っていた。
二属性のマナをバランスよく集める『合集歌』の難しさ。
性能だけでなく水蛇の造形を細部まで作り込む魔導陣の緻密さ。
魔法の効力を把握しきった上で相手の動きを制限していく戦略の嫌らしさ。
どれも一級品だと言っていた。
「――水蛇よ、お行きなさい」
実際に目の前に立ってみた少年に、噂に偽りなしの迫力を持った大蛇が襲いかかった。
「デカいなおい……!」
「『靡く雫よ』――」
想定以上の規模の魔法に浮足立つ悠太とは対照的に、金髪の令嬢は落ち着き払ったまま次の魔法の準備を始めた。
集歌を妨害したい悠太の進路を塞ぐように猛進してきた水蛇が、彼に到達した瞬間、大口を開けた。
「うおっ!?」
急に範囲が広がって、回避する腕に熱湯の顎がかする。
ジュっと洒落にならない音がして、被弾した肘にひりついた火傷の痛みが走る。
「『踊り踊りて狂い正しく幾星霜』――」
金髪の詠唱が着々と進む。
距離を詰める暇もなく、水蛇は洞窟の天井を抉りながら身を翻し、真上から再び悠太へと迫った。
――程なく、跳んで回避した悠太すれすれの地面に頭から激突した水蛇は、白く弾け、霧散し、立ち込める。
すぐ近くにいた少年は熱い湯気に呑まれ、一寸先の視界をも白く覆われてしまった。
「これが……」
赤毛の少女が話していた霧の迷宮。
事前に聞かされていても回避が難しかった状況に歯噛みする。
少年の耳に、次の一手が言い渡された。
「コール『氷柱ノ雨』」
それはガーネットの主戦略の完成を告げる魔法であった。
霧で視界を塞ぎ、その霧の全域に氷柱の雨を降らせる。
獲物は絶えず振り続ける氷の刃に斬りつけられながら霧の迷宮の中でもがく。
そうしている内に再度、水蛇を召喚する赤と青の集歌を唱え、マナ待機しておく。
そうすることで、悠太の世界のゲーム戦略で表すところの『無限ループ』が完成する。
何故か嬉しそうに語られていた話を聞いた時、悠太は自分ならどう攻略するか、考えていた。
だから、彼は氷柱の降り注ぐ頭上に向けて、手を翳した。
――『合集歌』を唱え終えたガーネットは、集まった赤と青の光に「コール『待機』」と命じて魔導書の中に閉じ込めると、未だ氷柱の降り続ける霧中へと目を向け……唇を噛んだ。
かつてはこの戦略で誰もがひれ伏した。
態度が大きいと自分をいじめようとした下らない先輩も、大人の言うことを聞いていればよいと束縛しようとした下劣な講師も、ファーレンフィードの名を笑った矮小な貴族も、皆みんなこの霧の迷宮と蛇の強襲を繰り返す内に考えを改めた。
ただ一人、あの入団祭の日に楯突いた田舎娘だけが屈しなかった。
不敵に笑い、魔法のわずかな変化に目を付け、自分を見下ろして説法を口にした。
プライドの高いガーネットが、その説法に納得するためには短くない時間がかかった。
しかし、いつか赤毛の少女に完全勝利するため、彼女は敗北を受け入れ、自らの戦略を更に高めた。
「――気高き尊よ」
今までの彼女なら高笑いと煽り――相手の心を折ること――に使っていた時間だが、それも小技に費やすことにした。
選んだのは木の集歌、舞い降りるのは緑の光である。
霧が晴れる前にもうひと手間、追い込むための魔法を放った。
「コール『茨ノ束縛』!」
霧が薄まったタイミングで放った緑の光は、無数の茨となって地を這い、霧の迷宮へと伸びていった。
茨は霧の中で逃げ惑う者の足を捕え、動きを封じるよう魔導陣に描かれている。
そうすれば、もはや何度も同じ魔法を繰り返す必要もない。
次の水蛇を必中させて終わりである。
ガーネットは魔導書を開き、ギラギラと出番を待つ赤と青の魔導陣を構えた。
「――今一度、コール……『熱水ノ蛇』」
赤と青の光が渦巻いて、再び獰猛な水蛇を顕現させた。
蛇の熱気を肌に感じながら、大分薄くなった霧の中に、風変わりな黒服と地味な顔を探した。
そして――霧が晴れた時、ガーネットは眉を顰めた。
「あの氷柱の雨の中……あり得ませんわ」
霧が消えて現れたのは、たんまりと集められた赤い光であった。
集歌を唱えたと思われる少年の足首にはしっかりと茨が巻き付いており、氷柱も特に回避したわけではないことが窺えた。
同時に効力を失ったアイシクルレインの最期の氷刃が少年に向かって落ちて……頭上でカツンと弾かれた。
まるでそこに見えない壁があるかのようであった。
「さぁ反撃だ。コール『炎ノ槍』」
唱えると、赤い光は螺旋となって集束していき、水蛇に負けず劣らずの巨大な炎の槍となった。
――霧と氷柱の雨の中、悠太は頭上に『イクイップ画面』を浮かべ、そしてガーネットのいた方向に向けて『ステータス画面』を浮かべていた。
それらのまるでゲームのシステム画面のような光の板は、悠太の知り得るこの世界の理から外れた存在であった。
その仕様は明らかに戦闘向きで、念じただけで現れ、悠太以外には見えず、どんな攻撃にも傷つかない。
特性を利用して氷柱を凌ぎながら、ひたすら霧が晴れるまで火の集歌を唱えていた。
途中で予想外の足首の束縛にあったが、もう悠太はこの勝負で一歩たりとも動くつもりはなかった。
――水蛇と炎の槍が、それぞれの術者に熱気を伝えていた。
先に放たれたのは、炎の槍。
「行けっ!」
標的は、術者のガーネット・ファーレンフィード。
苛立たし気に悠太を睨んだ彼女は、しぶしぶ水蛇を炎の槍に当てて相殺する。
二人の間合いのややガーネット側で激突したそれらは濃霧とは行かないまでも目晦ましに十分な霧となった。
自分の視界を奪われるのを嫌ったガーネットが、霧中から横に抜け出すことは読めていた。
悠太が突き出した拳に装着された篭手が緑色に輝く。
魔導具『大蔦豚の篭手』と呼ばれるそれは、特定の技名に応じて魔法のような効力を発揮する。
「そこだ! 『四蔦縛』!」
篭手から伸びた四本のツタが、霧から抜け出したばかりのガーネットの四肢に迫った。
「魔導具!? しまっ……!」
驚いた表情の両手首と太もも、足首にツタが絡んで捕えた。
その拍子にガーネットが魔導書を取りこぼした時点で、勝負はついていた。
しかしなおもツタはグイっと金髪の少女の身体を引っ張り、縮み、その身体を悠太の前へと運ぼうとする。
「この勝負もらった!」
無防備な身体に拳を振りかぶったあたりで、悠太少年はハッとする。
――はて、この後、どうしよう?
本来、『四蔦縛』の技のデザインとしては、四肢を縛り防御のできない状態で相手を引き寄せ、拳を打ちつけるものである。
――それをやるの? 女の子に?
――というか男女の別もなく、平時にやっちゃ駄目じゃない?
つい熱が入って魔法の応酬などをしてしまったが、相手は悪党でもなければ、入団祭のような大義名分もない。
一気に醒めた脳がああでもないこうでもないと迷う内に、ガーネットの身体は目前にまで迫っている。
彼女の眼はきつく縛られていた。
「いやちょ、無理……!」
悠太は拳を解いて、迫ってくるガーネットの身体を……抱き止めるしかなかった。
――ドッと鈍い衝撃が胸から全身に響く。
少女の柔肌を岩だらけの地面に落とさぬよう、腕を回した。
茨に捕らわれた足では踏ん張りが効かず、勢いに負けて仰向けに倒される。
「あだっ」
軽く頭を打って顔を顰める。
それを最後にもう追加の衝撃はなく、悠太は自分の身体の上のガーネットが無事であることを確認するため、視線を落とした。
少年の視界には、ボリュームのある金色の巻き髪しか見えなかった。
しかし感触はその下まで続いていて、胸板に吹きかけられるあがった息や、肋骨のあたりに押し付けられた二つの柔らかさは、どうにかして気付かないようにしなければならなかった。
「だ、大丈夫……でしょか?」
早く離れなければと声をかけるも、ガーネットはしばらく悠太の胸から顔を離すことなく、肩を震わせたり、鼻をすすったりするばかりだ。
「……屈辱」
ようやく振り絞られた声も、震えていた。
「屈辱です、わぁ……」
よほど悔しかったらしい。
今まで敗北を経験してこなかったお嬢様が田舎者二人に土を付けられる。
その経緯を想像してみれば、確かに今は誰にも合わす顔がないのはわかる。
だから悠太は無理に引き剥がすこともできず、胸を貸すしか選択肢はなかったのだが……悪いことは重なるものであった。
「暗がりに女の子連れ込んでお楽しみとは、こりゃまた意外な一面だねユータ君?」
何か汚物を見るような視線をくれる黒髪の少女。
「どうしてガーネットが泣いてるのかしら?」
ちょっと殺気の混じっている視線を突き刺してくる赤毛の少女。
「あ、あれ、二人とも、もう魔法の練習は、よろしいの、で?」
ひくつく頬で見上げると、二人の視線が更に淀んだ。
「こんだけ派手にやりあってりゃ気づくでしょ。それより、何でボクが魔法の練習してるの知ってるのさ」
眉間に皺を寄せ、嫌悪感を滲み出す黒髪の少女。
「へーえ、ずっと見てたんだ? 私たちの了承もなく? いい趣味してるじゃない?」
成功したらしい石のナイフを指でなぞり始める赤毛の少女。
「いやもう本当に、本当に違うんです……!」
泣きそうな悠太は必死に味方を探して首を巡らせ、岩の上でうとうとしている幼女を見つけた。
「な、おいサマーニャ! 助けてくれ! 事情を説明してくれよ!」
「んんーにゃ……今日はヤマダと一緒に監視ごっこしたにゃ……」
「今になってごっこ付けんじゃねぇ! 遊んでただけにすんな! てかこんなとこで寝んな!」
「……ご本いっぱいのお部屋も覗いたにゃ……全然ぼーえんきょー離してくれなかったのにゃ……」
墓穴しか掘らない。
顔面蒼白になった悠太の胸が、このタイミングで力強く押された。
少年の胴に跨り身を起こした金髪の少女が、まだ少し潤んでいる赤い目でムッとしたまま見下ろしてくる。
「ユータ・ヤマダ……顔と名前覚えましたわ……」
「こ、光栄です……?」
「貴方は今日、私の大切なものを奪いました!」
「語弊あるよ!?」
言うだけ言ったガーネットは悠太の身体からすくっと立ち上がり、服の埃やら皺やらを整えると、洞窟に響く大声で執事を呼んだ。
「セバスチャン! セバスチャンどこですか! 帰りますわよ!」
するといつの間に隠れていたのか、岩陰からひょっこりと肩眼鏡とよく整った白い髭に燕尾服が似合う老人が現れ、見かけのわりに曲がっていない腰で素早く寄ってくると、ガーネットの前に跪き白い手を取った。
「はっ、私めはいつも貴女の傍におりますぞ。そして私めの名前はセバスチャンではなく『ヤマ』、でございますガーネットお嬢様」
「ではヤマさん、参りますわよ。戻ったら魔法の講師を呼びなさい。今日は夜通し特訓しますわよ!」
「ご立派な向上心でございますガーネットお嬢様」
などと言いながら、カッカッと靴音は遠ざかっていく。
金髪のボリューミーな巻き髪が弾んでいくのを見送って、悠太は白々しく、なるべく感情が入らないように呟いた。
「……俺も、行かなきゃ」
「待った」
二色の声色で待ったがかかった。
◇◇◇◇◇
それから日が沈むまで、悠太は事情の説明に追われた。
黒髪の少女は御託はどうでもいいとのことで、明日のクエストの全ての荷物を持つこととこの先二週間の宿の掃除を約束に取り付けると、さっさと走り去っていった。
赤毛の少女は逆に事情を察し、少年の平謝りに理解を示してくれた。
最後には「もういいわよ、ほらしゃんとして帰りなさい」と背を叩いて送り出してくれたので、しばらくは自主的に様付けで呼ぶことにした。
熟睡する幼女には言いたいことが沢山あったのだが、すこやかな寝顔に毒気を向ける気にもなれず、とりあえずライチに預けることにした。
――そして、二時街の店通りをとぼとぼと。
わざと遠回りをして、色々と考えながら遅く帰った。
今日は散々であった。
朝から恥を見られるわ振り回されるわ因縁をつけられるわ誤解を招くわ。
思い返せば自分の優柔不断が原因な部分も多々あるので、反省しつつ、宿屋を目指した。
近隣の民家が寝静まった二十二時頃。
大衆食堂には明かりがついていて、ウエスタンドアを押し開けると温泉帰りの店主が土産物を整理しているようであった。
「イトネンさんただいま、温泉、どうでした?」
糸目の店主は振り向いて小包を手に笑顔を向けた。
「おかえり、ええもう最高だったわ。いっぱいお話もできたし、こんなにお土産買ってきちゃった」
いつもの白いブラウスに茶のロングスカート姿は変わらない。
ただオフの日だからかいつも三つ編みにして肩に垂らしている栗毛は、今日は簡素に後頭部で括られている。
「はは、それは良かったです。じゃあ俺は、今日は疲れたので……」
ぎこちなく二階に上がろうとする悠太を、イトネンはお土産の山から小瓶を二つ出して呼び止める。
「あらお疲れなのね? でも寝る前にちょっとこれ食べてかない?
蜜柑の寒天なんだけど、日持ちしない上に余っちゃって。
ネピちゃんもマーロンも寝ちゃったから2人でこっそりね。紅茶も淹れるわよ」
「イトネンさん……イトネン、ざ、ん……」
包容力の塊のようなお言葉に、少年の気負っていたものが全て涙となり流れ出た。
――その日、少年はこの理不尽な異世界に来てから今までの自分の頑張りを、熱く熱く語った。
店主も普段手のかからない少年が見せる年相応の一面に聞き入り、慰めて褒めてやった。
この時少年は、あくる日に自室の天井に空いた大穴を店主が見つけることなど、露とも知らなかった。
次回からは4章の投稿をして参ります。
今後とも頑張りますので、何卒お立ち寄りのほど宜しくお願い致します!
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