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悪役令嬢サリエルの夢  作者: マロン株式
第1章
87/93

第87話 幼馴染6

 そうして、俺自身の変化も確かに感じていた頃─────・。




 予想していない形で、サリエルの言っていた通りになって行こうとしているのか、俺達の関係は変化しようとしていく。







♢♢






 ある時、俺は父にサリアロス公爵邸へと呼び戻された。



「手紙ではなく、精霊による至急の呼び出しとは、珍しいですね」


 屋敷へ着いたばかりの俺に、父は言った。


「ラドレス公爵家のご令嬢との婚約は無くなるかも知れん」


 帰って来た直後に聞いた言葉に、フリーズして、手にしていた鞄を落としてしまい、静かな部屋にドサリと音がなる。


「何故…ですか」


「…前から、持ち上がっていた話でな。

王宮の様子が変わってしまったのだ。


今まで中立を保ってきたが、状況が変わった」


「それと、俺との婚約に何の関係が?」


「あるのだよ、サリアロス公爵と、ラドレス公爵は同じ公爵位かも知れん。


しかし、我々は王家あってこそ公爵で居られるのだ。


だが、ラドレス公爵は別格だ。


己に欲が無いだけで、魔力では王家を滅ぼせる力を秘めている。故に彼に逆らえる者はこの王国内には居ないだろう」


「だから、何だと言うのです」


「このまま、王位継承権争いを続けてしまえば最悪、国は2つに分かれて内乱が始まってしまうだろう。

それを防ぐには、早期にラドレス公爵の立ち位置を中立では無く、明確にさせなければならない。


望むべくは王家の魔力を受け継ぐアーサー殿下に。つまり、サリエル嬢はアーサー殿下の婚約者に「納得出来ません」





「父様、俺は嫌です」



 それは咄嗟に出た言葉で


 父様は驚いた表情で目を見開いて俺を見た。


 それも無理はない。

 俺は父様の言う事に逆らった事がない。


 当主である父様に逆らう事はあり得ない事だったし、いつもちゃんと理由を話してくれていたからだ。


 今回も理由を話してくれたけれど、俺はそれを拒絶した。


 そんな俺に父は言った。



「…まだ、決まった訳では無い。

だがそうなる可能性はあると言う心構えをして置いてくれ」

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