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悪役令嬢サリエルの夢  作者: マロン株式
第1章
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第57章 婚約と婚約破棄の予兆?3

 どういう事?




 王子はヒロインと一緒にいたはずじゃないの?




 ヒロインと離れるのは火急の用事が出来て従者に呼ばれてしまったからで、何故こんな所で悠長に私に話しかけてるの?





 わかった、




 この人王子の偽物だ、だって名前乗ってないし。


 きっと、髪を染めてカラコンみたいなの入れてるだけの、そっくりさんだ。

 まったく、初のダンスパーティーで浮かれちゃったのね。

 仮装パーティーじゃないのよ、不敬罪にもなりかねないんだからね。



 そう思ったら落ち着いてきたわ。





「わたしを、覚えてないか?」



「すみませんが。人違いでは?」



「…まぁ、無理もないだろう。


あの時は周りに正体がバレないようにフードを深くかぶっていたし、最後に名乗ったきりだったからな。」





 本物の王子には一度、ラウルとサーカスに行く途中で顔を合わせた事がある。


 けれど、ほんの一瞬と言っても過言ではない。


 王子が一瞬顔を合わせた女の子をずっと覚えてるなんてこと有り得るかしら?




 私は王子を警戒していたから、攻略対象と偶然にも会ってしまった事は衝撃が強くて辛うじて思い出せるけど…



 私の記憶と違うところを探すのよ、



 幼い時といえど、記憶を掘り起こさないと。





 まず、あの時王子が連れてた従者は、焦茶色の瞳と髪で、セドルスと言ってたわ。


 今王子の後ろにいる、セドルス・モルキンスと…

 まぁ、これも似てるような気がするわね…。




 しょうがないわ。付属品じゃなくて本人を見ましょう。

 まず、瞳の色や形、変じゃない?…






 サリエルは祈るように手にギュッと力をこめて



 呼吸を整え



 じっくりと王子の瞳を見据えた





 目の前にいる真っ直ぐで芯のある


 ぱっちりとした大きな瞳は



 奇しくもあの時のフードを被った少年と重なってしまった。







「今一度名乗ろう





我が名はアーサー




アーサー・グリム・ラオドランド



この国の王位を継ぐ者だ」




「おう…たい、し……」



 本人だったショックで


 サリエルはそう口にするのがやっとだった




 脈がドクドクと早くなるのがわかる。



 それもそのはず。


 この時サリエルは、記憶を取り戻してから夢で何度となく見たアーサールート終盤の記憶が蘇っていた。




 王太子暗殺の罪に問われ、牢獄に入れられ



 誰にも助けを求められず



 様々施される拷問に悲鳴すらもあげられない日々を送り、




 民衆の面前で晒し者の様に処刑されていく瞬間が、走馬灯のように駆け抜ける。





「表情が硬いな、もっと気楽に構えてくれ。

其方も、耳にした事があるだろう。


わたしは学園入学その直前まで王太子の座から程遠いところにいた者だ。気負う必要はない。」



ムリです



「…火急の用事では?」



「ん?」


「火急の用事があるのではないのですか?」


「確かにそう言って会場を抜けてきたが、

何故それをサリエル嬢が知っている?」


「…いえ、そんな予感がしただけなのですが…」



 え、まさかこの王太子わざわざ私に会うために会場抜けてきたの?


 ゲームのあの場面って、そんな裏設定あるの?


 という事は今頃ヒロインとラウルが…、て、言ってる場合じゃないわ。


 この王子 悪役令嬢に一体何の用があって…



「入学してから直ぐにサリエル嬢の元に向かったが

何度も行き違えてな」


 意図的です。 


 一箇所に止まると、強制力でヒロイン達が周辺に出没するんですもの。

 ジルヴァンやヒロインと鉢合わせた屋上でのこと以外は私の行動は正解だったようね。


「セドルスが避けられていると煩かったが…」



「避けるなんてそんな…」


「まぁ、避けようがないか、

何せサリエル嬢はわたしを覚えていなかったのだから」



 ふっと笑みを浮かべた王太子から顔を背けて、サリエルは恐る恐る質問した。



「私に、どのようなご用件が?」







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