第47章 学園生活スタート4
この世界観を崩さんばかりの男は、ゲームのモブとしてすら登場しない癖に、顔立ちは攻略キャラレベルで整っており、
ゲームに出てない…どころか、この世界の理にすら背くかのように、平民ではあり得ない深緑の髪と瞳を持っているという。
ゲームに出てないのにヒロインにしか許されないような設定をもつ。
しかも攻略キャラでもないのに攻略キャラにいないチャラ男としてのキャラ立ちをしている。
普通の貴族ならば顔をしかめてしまいそうな口調だが、この顔と、コミュ力でクラスで彼を悪く言う者は少なく、
入学早々貴族・平民問わずクラスの女達をタラし込んだので、一部男子生徒からの嫉妬もあるようだが、大半は好意的だ。
まぁ、攻略キャラが全員総合特選科でいる中、攻略キャラレベルのキャラ立ちした者がモブキャラの巣窟にいるのだから仕方ない話ではある。
「貴方にタメ口を許した覚えはないわ」
「サリエル嬢くらいだよ、
オレにそんな冷たくするの
これでも傷ついてるんだけどなぁー。
せっかく元気を出してもらおうと明るく挨拶したのに」
「…」
私、そんなに顔に出てるのかしら…
「サリエル嬢」
「…何かしら」
「今日も可愛いねぇ」
「マリエッタ、席を代わってちょうだい。」
こんなふうに多少イレギュラーな事があるものの、私の学園生活は思ったより順調に進んでるように思う。
授業がはじまり、窓から外の景色をふと気に止めている以外は。
教室の窓からはヒロインと、攻略対象が楽しそうに笑っているのが見える。
ゲームの物語も順調に進んではいるようで
攻略対象で同級生であるラウルや王子、そしてまだ私と対面したことない、4人目の攻略対象者の闇の魔導師と称されるジルヴァン・モルストと話している姿は何度か見た。
同じクラスだし、総合特選科は人数少ないクラスで、女子もヒロインとモブ子の2人だったから当たり前といえば当たり前だ。
上級生であるフランツとの絡みはまだ見たことがないけれど、既に何処かでさり気なくイベントをこなしてるかもしれない。
強制力で私に行動起こさせるべく視界に入ってしまうのか、ただ、髪色もオーラも目立つ人達だから、嫌でも目についてしまうのかはわからないけれど、
彼らの輪にあまり入らないようにしようと心に誓っている私に、強制力はどのように働くのかー…。
そう思っていたけど、案外しっかり強制力は働いているのかもしなれない。
お昼休憩時間になって私は屋上へ向かう。
マリエッタは職員室に用事があって私1人だった。
なんとなく屋上の風にあたりたかっただけなのだけれど、なんとなくで行動してはいけなかったようだ。




