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悪役令嬢サリエルの夢  作者: マロン株式
第1章
23/94

第23話 フランツの視点5

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ーーーーーーー



 フランツが目を開くと、目の前の景色はサリエルの部屋だった。


 スモークピンクのカーテンに、白い壁には絵が1つ飾ってあり、家具は全て栗色に統一されていた。タンスの上にはフランツの部屋に来る際大体は一緒に連れてくるウサギが飾ってあった。




 響いてくる声と、景色はメアリーから見た視点なのだろう。


 サリエルに児童書を読み聞かせている。サリエルはもうお昼寝の時間を過ぎてることもあり、ウトウトしているが、児童書がよほど面白いのか、

メアリーに問いかける。


「この女の子は、虐められてたの?」


「そうですよ、でも、王子様が助けてくれるんです。メデタシ、メデタシですよ」


「この女の子に意地悪したをした人は、この後どうしたの?」


「意地悪した人は…そうですねぇ、

意地悪した人だけは、めでたくないかもしれないですねぇ。」



 そんなやり取りをしていると、サリエルはうたた寝をしてしまったようだ。


 毛布をかけるメアリーの手がうつる。



 その後他の用事を思い出したのか、一旦外に出て掃除道具をサリエルの部屋に持ち帰ってきた。



 そして、掃除を始めて少ししたとき、サリエルは夢見が悪かったのか、微かにうなされていた。

次第に唸り声は切迫したものへと移行してきたようで、流石に異変を感じたメアリーはサリエルを起こそうとした。


「サリエル様!

どうされましたか、サリエル様!サリエル様!」


 体を揺さぶり、何度目かの呼びかけで、サリエルの瞼が少しずつ開いてくる。

メアリーはホッと息をついた、しかしそれもつかの間。



そのときのサリエルの表情に、メアリーはびくりとした。


 先程児童書の読み聞かせをしていたときまでとは違いサリエルのこんな表情を見たことがない。


 3才・4才の子供が浮かべるにはあまりに希望がなく、瞳に映る光を遮断し、絶望したような表情だった。



「サ…リエル様?」



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