第1章6話 始まりはいつも雨
前回の後書きを早速裏切って新キャラ出してしまいました!
あれから月日が流れて、一馬が転生して半年を過ぎたある日
・・・・ザーザー・・・・
外は雨である!この世界どーやら雨季があるよーでここんとこ結構な確率で降っている。
「こー天気が悪いと狩りにも影響でてくるな・・・」
そんな独り言をつぶやいていると、何やら前方の森から洞窟へ入って来る物が!
・・・・ガウルル・・・
「なんだ?いきなり」
そこには体長50㎝ほどの狼の魔物がいた!どーやら子供のようである!すると更に森から手負いの2mほどの母親らしき魔物までやってきた!
・・・ウーガルルルル・・・・
・・・いやいや!お前らが後で入って来てそれは無いわ・・・いやマジで!・・・
俺は一瞬狩るか?なんて考えて骨の刃を握って殺気を込めて睨み返す!
すると母オオカミが子の前に出るも、傷のせいでふらつく!
すると母を守る為に子が更に威嚇してくる・・・・
ん〜・・・なんとも毒気が抜かれる光景だ・・・
仕方なく俺は奥から自分用のオークの肉を切りわけて、オオカミの方へ投げる!
子オオカミがすかさず噛みつこうして、母オオカミに怒られる!!
・・・ガウ!!・・・キューン・・・
母オオカミは警戒しながら臭いをかぎ、更に1舐めして以上がないか確かめる!
俺は思わず・・・何にも入れてないわ!っと突っ込みたくなったが、野生で生き残る大事な知恵を
邪魔してはいけないなと思いとどまった。
一通り検査が済んだのか、子供の方へ肉をやり母オオカミは俺の方を警戒している。
なんとも居心地が悪い!それに入口塞がれると困るのだが・・・
子オオカミが食べ終わったらそこには殆ど肉は残っていなかった!わずかに残った肉を母オオカミが食べる姿に愛を感じた俺は更に肉を切って母オオカミに投げた。
すると今度は疑いもなく口に含む!
・・・まー何とか敵では無いと、感じてくれたのならありがたいのだが・・・
まー晴れたら移動するだろう!!そんな呑気な考えのまま俺は床にゴロンと寝転がる!
ぶっちゃけステータス値で考えても、俺をどーにかできるレベルでは無いと思っている!
なんせ修行もとい熊狩りを慣行した俺はレベルは25まで上がっている。
寝ころびながら呼び出してみる!ステータスオープン!
名前 カズマ
種族 オーガ
LV 25
攻撃 550
防御 490
回避 390
スキル 言語理解「読み・書き」自然治癒力UP
経験値倍加 直感 武器作成LV3 投技LV4
索敵LV2 弱点特効LV1
スキルのレベルが結構上がって更に戦いやすくなった!
索敵は範囲が100mから150mに範囲が伸びている。ぶっちゃけコレもうスナイピングできるよーなもんなんですよね!実際もうウサギさんは、遠くから石をあてて狩っているのである。
ステータスを眺めて、色々考えを巡らせていると、母オオカミが歩いて来るのが見えた!
俺はステータスを消し、座りなおす!
すると母オオカミが2m前で止まりふせの姿勢へ移行する!
ボーっと眺めていると、頭の中へ声が聞こえる!
「・・・そこの御仁!聞こえますか?・・・・・」
俺はビックリして目を開く!そして頭の声へ返答を試みる!
「・・・一応聞こえている・・・」
「・・・良かった・・・意思の疎通が出来なければどーしようかと思いました・・・」
「ん~魔物と話すのは今日が初めてなのだが・・・コレはあんたの力か?」
「そーです!これは念話とゆう能力で私達エンペラーウルフの能力です」
エンペラーウルフ!!なんか大層な名前が出てきたな・・・もしや大物なのか?
「成程!それで俺に話かけてきたのには理由があるのだろう?」
「そーです!まず先ほどの肉のお礼と1つお願いがあります。」
「礼は今ので受け取った!それでお願いとは?」
「しばらくここであの子と暮らさせてはもらえないでしょうか?」
なんとなく予想したとうりなので!!
「了解した!もとより追い出す気があれば、もう追い出している!あの子が成長するまでゆっくりすればいい。」
「ありがとーございます!!助かります。」ふせの姿勢から母オオカミは頭を下げた。
「私は・・・リア・・・息子は・・ファング・・と申します。これからもよろしくお願い申し上げます」
「俺はオーガのカズマだ!よろしく!入口は寒いもう少し中に入ってくれ」
「何から何まで申し訳ない・・・・」
「何かまわんさ!あーただ排泄は外の森で頼む!後で屋根のある場所作っておくからそこでしてくれ」
一人だと言わなくてもいい事だが、集団生活となると別である。
洞窟内が臭くなるのは嫌なので、いつも外でして適当に戻っていたが住人が増えるなら、ちゃんとした場所を作るべきだと思ったので、」後で木を使って屋根を組む事にする。
「解りました!他に何か守る事はありますか?」
「いや!それぐらいだ!後は自由にしてくれていい」
「招致しました!さーあなたも挨拶しなさいファング!!」
「よ・・ろ・・しくオジサン」
「まだこの子は念話が上手く扱えなくて申し訳ない」
「かまわない!リア・ファング!改めて歓迎する!!」
ひょんなことから同居人が出来たのであった!
さてと!挨拶もしたしじゃー早速屋根でも作りますかな!
実はこの数ヶ月!伊達にレベルだけをしていた訳では無い!
そう!やっていたのは遺品整理!じじゃーん!洞窟の奥には拾って来た色々な物がある!
その中からオノを取り出して、コレで木を倒し材料にする事にする!
洞窟を出ようとしたら、ファングが手伝う意思を示したが、流石に子供に出来る事は少ないので、母親の警備を頼む事にした!
「前の森で作業してるから、何が有れば鳴いてくれ!戻って来るから」
「わかりました!」
外に出るとラッキーな事に!雨は小降りになっていた
「さて、行きますか!」
先ずは材料の木を切る!オーガのパワーならそこそこの太さの木が簡単に倒れていった!
3本ほど倒した後は、枝を切って丸太を作る!
その先を鉛筆の先のように尖らして、地面に4本突き刺す!
これを柱に、板状に加工した木を並べたやつを、蔦を使って縛った物で蓋をする形で屋根を作って行く!
屋根は少し大き目にして、前後左右に斜めに四角の穴を作り、その大きさの長めの柱を突き刺して、地面にハの字を書くように縫い止める!
まー簡単だがこれで、屋根は出来ただろう!
後は中身を取り替え出来るように、トレイ的な物を作り、その上に召集効果のある葉っぱ等と土を混ぜて置いておけば、何日かに土ごと入れ替えれば、ここもそこまで汚くならんだろう!
近くで混ぜる用の土を掘って、その穴は捨てる用に放っておくことにした!
完成したので、次は狩の時間である!
今日から来た同居人にも振舞ってやらんといけないので、少し多めに仕留める事にした!
索敵を使って歩くと、10分程で鳥が6羽ほど飛んでいたので、近くの石を拾い3羽ほど撃墜する!
流石の投技レベル4である!倒せなくても墜落はさせられるのである!
落ちるとその勢いでけっこう絶命するので、ある意味楽なのである!最近は3羽くらいでは、レベルも上がらないので、さっさと拾いに行く!
残りの3羽はそそくさと逃げていった!
最近では、俺に戦いを挑む個体はいないのである!
順調に肉も手に入れた事だし、帰ったら焼き鳥と母オオカミの手当てでもしてやろうと、薬草等も摘んで帰った!
洞窟に近づくと、中からファングが警戒してこちらを見ていたが、俺の顔を見ると尻尾振りながらやってきた!
なかなか可愛いものである!
ファングに土産の鳥を見せると、その大きさに驚いていた!
「今日のご飯だぞ〜いっぱい食べろよ!」
「うん!!」
なんか結婚した事ないけど!父親になった気分だな!
そんな事思いながら、中へと進んで行くと!
リアから・・お帰りなさい・・と声がかかる!
「ちょうどこの方向に屋根のある場所を作ったから、排泄するならそこを使ってくれ」
「わかりました!ありがとうございます!」
「僕・・も・わかった」
「そして今日のご飯はコイツだ!狩って来たから後で焼いてから食べよう」
「何から何まですみません!私も傷が治りしだい狩には出ますので」
「まー先に傷の手当てをしよう!早く良くなって貰わないとファングも心配するだろうし」
「ほんとすみません!」
「では少し染みるかも、しれんがコレを傷に塗っていくぞ」
取って来た薬草を石ですり潰した物を、リアの傷へと塗っていく!
やはり少し染みるようで、クーンと悲しげに鳴きながら耐えていた!
隣でファングは心配そうに見守っていたので、頭を撫でて大丈夫すぐに良くなると言っておいた!
リアに塗り終わったので、次はいよいよ鳥を調理する!まー羽むしって切って焼くだけだが!
最近岩塩なる物も見つけたので、自分の分はそれを振りかけて焼く、2匹の分は素焼きにした!
「さ、良かったら食ってくれ!熱いから気をつけて食うんだぞファング!」
「あ・・りがと・おじさん フーフー!ガブリ」
噛んだそばから、目を見開いてガブガブと食べだしたファング!
「ファング!誰も取らないからゆっくり食べなさい」
「すみません、ほんとにこの子は」
「いやいや元気で良い!ガツガツ食ってお母さん守れる男にならんとな!」
これよそから見たら、益々父親っぽいなと思いながら、こっちの世界で初めての会話出来る仲間が出来た事に、嬉しい気持ちでいっぱいだった!
これから益々楽しくなりそうだ!
明日からは晴れた日はファングも連れて、狩に出るのもいいだろう!
そんな事を思いながら、食事の楽しい時間は過ぎるのであった!
これから親子とどーなるかはお楽しみに!