第2章19話 予想外の展開
何とかマリーとローズを連れて馴染みの森へと到着した俺達は、そこで二手に別れる事にした!
俺だけミランダとの待ち合わせ場所に向かう事にして、残りの皆んなには洞窟へと向かって貰った!とりあえずは今日は洞窟で、寝て貰うつもりである。
ミランダとの待ち合わせ場所に到着すると、ミランダはもう着いていた!そして横には何故かリリも来ていた!
「待たせたか?今日はリリも来てるんだな!何かあったのか?」
するとミランダが答える!
「さっき着いた所です!今日リリを連れて来たのには理由がありまして、今後の取引はこの子にも手伝って貰おうかと思いまして。」
「そうか!ま〜忙しくなって来たのなら仕方ないな。今後はリリが来る事があるのは、了解した。」
「ありがとうございます!」 同時にリリも頭を下げる。
「それとは別にカズマ様にお願いがございまして!」
「お願い?俺に出来る事なら手伝おう」
「ありがとうございます。実は私は冒険者に登録しました。元々から魔法には適正があったので、今後の事を考えてレベルアップしたいのです。それをお手伝い頂けたら幸いです。」
「ミランダ冒険者になりたかったのか?ま〜身を守るにも色々と必要なのかもしれないし、手伝うのは問題無い!いつから始める?」
「出来ましたら今日から私はカズマ様と一緒にしばらくは暮らそうかと思います。魔法を使う今なら前よりもお役に立てると思いますし、その方がレベルもすぐ上がるかと!そのためにもリリを連れて来たのです。」
「それでリリが来たのか!リリもそれで大丈夫なのか?」
「私達なら問題ありません。カズマ様のお陰で生活は安定しております。」
「そうか!それなら良かった!ならミランダは今日から俺達と共に少しの間暮らす事にする」
「ありがとうございます!」「これからよろしくお願いします」
ミランダが着いて来るので、リリと素材のやり取りをして今後の打ち合わせもする事に!在庫状況から6日後にまた会う事になった。
「ではリリ気をつけてな!」
「後の事頼みますね!リリ!」
「わかりました!今後は私達双子にお任せ下さい。ミランダ姉さん気をつけてね」
リリを見送った後!俺はミランダを連れて洞窟へと向かう。
程なくして洞窟の近くへ着くと、入口付近で談笑しているリアとマリーが見えた。
俺は二人に声をかける!
「只今」
「お帰りなさいカズマさん」 グルルル
マリーが初めて見るミランダへ警戒態勢をとっていた。
「マリーこの人は敵じゃない仲間だ!」
俺の説明を聞いてマリーが警戒態勢を解く。
「そうでしたか!申し訳ない。私はマリーと申します」
ミランダに通訳してやる。
「こちらこそいきなり来てしまい申し訳ありません。ミランダと申します」
双方に誤解が解けたので一先ず俺から説明する。
「今日からこのミランダもここに住む事になる。彼女のレベルを上げて今後の事はその後に考える事にする。ミランダに何か伝える時は俺に言ってくれ」
「わかりました」2人から返事がきた。
「前に会ったリアとファング以外に今はマリーとマリーの娘のローズがここに住んでる、ローズは今いないから後で紹介しよう。あとみんなに何か伝えたい時は俺に言ってくれ通訳する。
「お手数おかけします」
「ファングとローズは?」
リアが答える 「今2人で狩りにでかけてます」
「そうか、ここらの狩場を教える必要もあるし丁度いいな。」
しばらく4人で談笑していると
ガサガサガサ
「あの時は横から攻めるべきだよ」「そーかしら?私のスピードなら正面からでも倒せたわ」
何やら言い合いしながら帰ってきた
「あ!おじさん帰ってたんだミランダさんも来てる何で?」
「何で人間がここにいるの?グルル」
「大丈夫だよ、あの人おじさんの仲間だから」
「そーなの?」
俺は親子の同じ反応に苦笑いしている、マリーは逆に申し訳なさうにしていた。
・・・まー野生としては間違った反応ではないんだけどね・・・
双方に相手を紹介して狩ってきた獲物の処理を俺がしていたら、ミランダが興味深げにみていたのでやり方を教えてながらさっき気になった事をファングに尋ねる。
「それはそうと、ファングとローズは何を言い合ってたんだ?」
すると待ってましたとばかりに、ローズが説明しだした。
「実は今日角ウサギを見つけたんですけど、正面から倒しに行こうとしたら、ファングに止められてその時の音で逃げられたんです」
するとファングが
「角ウサギは正目から行くと思わぬしっぺ返しを喰うから横からまわって攻撃する方が安全なんだ。それお教えようとしただけだよ!」
・・・フムフム・・・なんとなく双方の言い分はわかる!それにしてもローズって猫かぶってただけなんかな?最初の印象はどこえやら?めっちゃ勝気な子ですやん・・・女ってコワイ・・・・
「ローズは角ウサギを狩った事は?」
「あっちの森では見た事ないので初めてです。」
「そっか!ならファングのやり方のが正解かもしれない。理由はまず初めて戦う相手は何をしてくるかわからない、下手すればこちらが死ぬ事だってあるんだ。基本君たちエンペラーウルフにとって簡単な狩りに見えるかもしれないけど、その油断が死を招く。覚えておくといい相手が小さくても弱そうに見えても油断はしてはいけない。」
俺の言葉を聞いてローズはシュンっとなりながら返事をした。
「わかりました。」
「わかってくれたらいいんだ。この森ではリアとファングに、俺ができる限りリスクが低い狩りの方法を教えてある、できたらそれを真似して覚えて欲しい。もちろん今までとやり方が違う事もあるだろうけど、2人はもう俺の大切な家族なんだ、怪我とかもしてほしくないし、ましてや死んだり絶対してほしくないんだ。だからできる限り従って欲しい。」
俺が説明するとマリーはローズの頭を手で押さえて
「ありがとうございますカズマさん、娘共々今後ともご教授お願いします。」
めっちゃ感謝された・・・伝わったならよかった。
さてと料理の下ごしらえも終わったし。
「今日はマリーとローズそれにミランダの歓迎会だ!みんな一杯食ってくれ」
「ようこそミランダ歓迎する」
宴会が始まった!
食べながら俺はミランダに質問する
「それでミランダはレベル上げて何がしたいんだ?」
「私は補助魔法にも適正がありまして、そこを伸ばしてカズマ様を街へお招きしたいと思っております」
・・・ん?今なんと?俺が街?・・・・
「俺を街にってそんなの無理だろう?すぐに討伐される」
「勿論そのままの御姿で街には入れません。ですので私の魔法の習得が必要なのです。補助魔法の中にはメタモルフォーゼと言う物がありまして、この魔法は対象を任意の姿に変えてしまうのです。勿論時間制限はありますが」
・・・なんてこったー・・・人間になれる・・・まじかよ・・・
「ミランダその魔法って特殊じゃないのか?」
「一般的には補助魔法を伸ばす魔法使いは少なく初歩でだいたい伸ばすのをやめますので、あまりこの魔法の存在は知られていないと思います。」
・・・有能・・・この人有能すぎる・・・・
「そ、そうか!ならその魔法がばれるリスクも低くなるな」
「そうなんです!それで街のブラックマーケットで認識阻害のマジックアイテムか防具辺りを購入出来ればカズマ様も街に自由に入れると思いましたので、勝手な事だとは思いつつ用意をしてきました。」
「俺を思っての行動だ、感謝するのは俺のほうだ!ありがとうコレでまた色々進めれる」
「勿体ないお言葉」
・・・なんか凄くウキウキする展開なんですけど・・・今夜寝れるかな?・・・
夜がふけるまで宴会は続いた。