第2章18話 見果てぬ捜索
リアに連れられて、6時間くらい森を走っただろうか?一旦休憩となり現在に至る!
「リアまだ目的地には遠いのか?」
「そーですね!後3時間くらいでとりあえず範囲には入ると思います。」
「今が夕方だから到着したら、寝床を確保しないとな!」
「そーですね!いい場所が有ればいいんですねどね」
「ま〜それは行ってからのお楽しみだな!さ~行くか。」
「はい」
それからまた3人で走り出した!もちろん索敵は使ってリアには助言しながら進んでいる!
「リア!ストップだ!」
あれから約半分程目的地に近づいた場所で、前方に展開している群れを索敵で見つけた!
「何かいるんですか?カズマさん!」
「前方に横一列にてこちらへ向かう影がある」
「数は全部で10だ!」
「どーしますか?ここで迎え撃ちますか?」
「そーだな!まだ敵とは決まってないが、この場所より少し右に進んだとこに、拓けたてる場所がある!そこへ向かうぞ!」
「わかりました!」 「うん」
拓けた場所に着くこと10分!やっと相手も近くへ来た!
ガサガサ!
出てきたのは狼ではあったが、どーやら毛色が違う
「リア!彼等は仲間か?」
「いえ!彼等はローグウルフという別の種族です。」
「とは言え、同じ狼ここは交渉で切り抜けたいと思いますが宜しいですか?」
「リアに任せる!」
「ありがとうございます!」
リアが一歩前に出てローグウルフに話しかける!
「我らは貴方達の敵ではありません。道を譲って貰えませんか?」
するとローグウルフの中でも少し体の大きな狼に、横の狼が話かける!
「ボス!どーしますか?エンペラーウルフが敵対してないと言ってきてますが!」
「聞こえている!少し考えるから黙っていろ!」
相手はエンペラーウルフの親子とありゃなんだ?オーガか?見た事無い奴だがそもそも何故エンペラーウルフと行動してるんだ?しかし悩み所だな・・・我らの上位種なるエンペラーウルフに普通ならば戦いはいどまぬのだが、最近狩に失敗してこちらも苦しい状況!どーしたものか!戦えばこちらとて無傷では済まないだろう!
「我はローグウルフのドゥンガ!エンペラーウルフよここを通りたくば、こちらの要求を聞き入れて欲しい!我らは今食料難に陥っておる。今手持ちの食料を分けて貰いたい。」
「カズマさんどーしましょう?こちらの食料と引き換えに道を譲ると言ってますが!」
「食料が無いなら仕方ないこっちの分けてやるのと、新たな食料確保して彼等に渡す事にする」
「分かりました!」
「ドゥンガよ!その願い聞き入れた!まずはこちらの干し肉をそちらに分ける、後こちらのカズマ様より更なる食料を提供するとの事だ!今暫くは干し肉を食べてこちらで待たれよ!」
俺はドゥンガに向けて干し肉の塊を投げる
ドゥンガはその肉の匂いを嗅ぎ仲間に分けてからその場で食べ始めた!
「交渉成立のようだな!リア達はこの場所で待っててくれ!すぐに食料持って戻る」
「わかりました!」
・・・ではさくっと食料集めますかね!・・・
索敵を使い小動物や鳥を探す!ん〜あんま居ないな。そら狩で失敗するかも!数が俺達が普段居る場所に比べると生息してる数が少な過ぎる!
お!鳥がこっちに飛んで来そうだな!
よっと! ビュッ!
鞄から槍を投げて2羽纏めて串刺しにする!
まずは2羽ゲット!つづいて兎が3匹程バラバラに居たので、それも全てゲット!後は猪が1匹居たのでそいつもゲット!
元の場所へ戻り肩に担いだ猪を下ろし、更に鞄から鳥と兎を取り出して、ドゥンガに差し出す!
「この短時間でこの数を揃えて来たと言うのか?」
リアが代弁する!
「これで我らの行く道を阻む理由は無くなりましたね?通して貰いますよ」
「ああ構わない!こちらこそ助かった!恩にきる」
「あ!1つアドバイスだが!この辺りは食料が少ない!なのでその肉食べたら移動する事をお勧めする!」
俺はドゥンガへ移動する方角を指で示す!
「あっちならそこそこ食料がある森がある!」
「何から何まですまない!肉を食べたら教え貰った方角へ移動する。我らローグウルフは貴殿に感謝する!今後何か有れば力になる事を約束する!」
俺は頷きその言葉を了承する!
「最後に貴方に質問です!私と同じエンペラーウルフを見かけた事は有りませんか?」
ドゥンガが答える!
「残念だがこの辺りでは見かけた事は無い!誰か探しているのか?」
「ええ!かつての仲間を探して居ます」
「そうか!役に立てず申し訳ない」
「こちらに来て居ないと分かったので、気になさらないでください」
「では私達はこれで!」
俺達はローグウルフ達が見守る中、当初の目的地を目指して進む!
一方ドゥンガは胸を撫で下ろしいた!
あのまま戦っていたら間違いなく全滅もしくは壊滅的な打撃を受けていた気がしたからだ!
なんだあの化け物は!あんな短時間でここまで狩を成功させるとは・・・ずば抜けた戦闘技術があるとみえる!危ない所であった!
この肉を食べれば、奴から教えて貰った森も目指せるだろう!
とりあえずの危機は脱した!後は今後の生活の拠点を見つれるかどうかだな!
ドゥンガは静かに決意を固めた!
ローグウルフと別れた俺達は順調に今夜の内に到着するべき場所へ近づいていた!
「リア後だいたいどれくらいだ?」
「もう目的地へ1時間もせずに到着すると思います。着いたらさっそく夕飯ですね」
「そーだな火を熾して温かいスープでも作ろう!」
「やったーお腹減ってきてたんだよねー」
無事に目的地周辺に到着した。特に変わった様子はないので、寝床となる場所をみんなで探す。
「おじさんあっちでいい場所みつけたんだけど?」
俺とは逆の方向でリアとファングが見つけたみたいだ!呼びに来たファンウの後ろをついていくと、倒木が重なり大きくはないが洞穴のような物ができていた!入口前で俺を待っていたリアがこちらに気が付き姿勢を正す。
「カズマさんココなんですけどどうでしょうか?中は一応確認して特に問題はありません」
「いいんじゃないか?今日1日過ごすだけなら素晴らしい場所だと思う」
少し誉めると二人とも嬉しそうだった。
場所の確保ができたので、火を熾す準備に入りながら、今後の予定を説明する!
「捜索は明日の朝から夕方まで、そこから少し寝て深夜からここを出て街へと向かう予定だ。あくまでも予定であり絶対じゃないから、時間が来てもう少し探したいなら2人は残ってくれても大丈夫だ。」
「わかりました!状況により少し時間を貰うかもしれませんが、必ず帰ります。」
俺は頷いて了承を伝える。
「後は見つけた後をどーするかだな。最悪移動するなら向こうでの生活は援助しよう」
「ありがとうございます!」
それから夕食を食べ次第明日に備えて寝ることにした。
翌日
朝から早速捜索をするにあたってのルールを説明をする!3人それぞれ別方向へ行き夕方には絶対ココに戻る事、そしてむやみに戦闘はしない事!以上をルールとして説明した。
朝食の干し肉を食べ皆それぞれに捜索を開始する!
俺は担当のエリアを直進しながら木に目印をしながら進む!
索敵にはそこまで行動している影は無い、これなら戦闘せずにすみそうである!
だいたい3時間くらい捜索していったん休憩をとる!道中で見つけた木の実等を簡単な昼食がわりに頂く黄色い実の果実が凄く甘くて美味しいのにはビックリした。帰りに数個持って帰ろうと心に決める!
ま~実際いるかわからない者を見つけるというのは、前世のツチノコを探すように難しい!
そもそも集団なのか、単体なのかでも変わってくるのである!一応索敵が俺にはあるので、リアとよくにた感じを探してはいるのだが・・・まだ見つかってはいない!
あれから2時間程探してみたが手掛かりは無い。捜索にあせりは禁物であるしかし集合場所に戻る時間を考えてもそろそろ引き返さないといけない・・・・ここらが潮時か・・・・
残念ながら今回俺の捜索範囲では成果はでなかったが、まだ2人の場所でそーと決まったわけでは無い
そー割り切って俺は集合場所を目指した!もちろん黄色い果実はかなりの数を採取した!
集合場所に戻った所どーやら1番のようであった!せっかくなので途中で狩った兎や鳥を調理して待っておく事にする!誰か来てもいいように少し多めに用意しておいた!
1時間くらいしてファングが戻った!
「おじさん戻ってたんだ!僕の方は誰も見つからなかったよ。」
「残念ながら俺の方も見つからなかった」
「そっか!後は母さんに期待だね!」
「そうだな。ほら!疲れただろうコレ食べろ!」
「ありがとう。いただきます」
それから少ししてリアが戻った!そこには2匹の狼の姿が見えた!
「おかえりリア!どーやら見つかったようだな」
「はい!2人だけですがなんとか見つかりました。」
「私はマリーと申します。こっちは娘のローズです」 「よろしくお願いします。」
「俺はカズマだよろしく」「リアの息子のファングですよろしくお願いします」
・・・おしい!逆だったらローズ マリーだったのに・・・
なんて頭の中で考えていたらファングに鼻でつつかれた・・・・・ああそうだ・・・
「立ち話もあれだし、よかったらそこら辺でくつろいでくれ、今食事を配るから」
リアが恐縮してる2人に座る場所を指示する。
「ささそこに座って、カズマさんの料理は美味しいのよ」
「少し熱いから気をつけて食ってくれ。」
2人にスープと焼いた肉等を渡す。少し落ち着いた所で俺がきりだす。
「もしかしたらリアが聞いてるかもなんだが、ここらには2人以外には住んでる者はいないのか?」
「この辺りでは私達親子以外は見た事がありません。」
ま~予想してた通りの答えが返ってきた!
「そうか!ではこれからの事なんだが、マリー達はこれからもココに住む気なのか?これは提案なんだが良かったら俺達の住む森に移住しないか?」
「ありがとうございますカズマさん!私達もこの場所に特に思入れがあるわけでは無いので、できたら移住させてもらえたらと思います。」
「そうか!じゃー改めてよろしく。」
「こちらこそよろしくお願いします。」「お願いします。」
「早速でわるいんだが、出発前に少し寝ようと思う。そして深夜にはココを出る予定なんだが、荷物等あるならこの鞄に入る大きさならなんでも入れれるから使ってくれ!」
俺は鞄をマリーに渡す!
「カズマさん私達の荷物は無いので大丈夫です!お気遣いありがとうございます。」
「そっか!なら一旦皆で寝る事にする!各自睡眠はとっておくよーに」
「わかりました」「了解!」「わかりました」・・・コクコク・・・
ローズは人見知りなのかな?頷いてはいるからいいか!
深夜2時頃
ふぁ~少し眠れたな・・・皆は?・・・母組は起きてるな・・・ローズも起きたか・・あとは・・
「ファング!起きろファングもう出発する時間だぞ!!」
「も~食べれないよ~」
何の夢みてるんだコイツ!若干皆苦笑いである。
「ファング寝ぼけてないで行くぞ!」
「ええ~置いてかないで~・・・ん?・・夢?」
「いや現実だ!」
「あ!おはようございます皆さん!すみません!!」
「起きたか?そろそろ出発だが大丈夫か?」
「大丈夫です!行けます。」
ホントに大丈夫かな?まー時間も有限だし行くけども・・・
「なら皆出発する!」・・・コク・・・・
みんな頷いたので歩き始める!最初はゆっくり進み体が慣れてきたら走る事にする。
こーして新しい仲間が2人増えた!帰ってら寝床の用意やらなんやらでまた忙しくなりそうだ。