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第2章16話 あの台詞を言うのは貴方

令和になりましたね!

俺は昨日リアから説明を受けた森へと来ていた。


昨日会ったからと言って今日もこの辺りに出没する可能性は低いだろうが、何となく現地の調査をするべきだと思ったので、直感に従ってみた。


この辺りに来るのはガルムに会った日と合わせて2度目である。まだまだ未開の地なので慎重に進む!


索敵により躱せる敵は全て回避して、調査を進める!


ここまでで少し判った事がある!


それはこっちの森の方が冒険者がよく来ている気配がする事である。


道中で食事の後の痕跡等を何度か見かけたのがその証拠である。

色々推測にはなるが、普段の生活をしている森より、こちらの森の方が人気となる獲物がいるのか、あるいは素材が取れるのかもしれない。


そう思った俺は目的をそちらの調査へ変更すべく、もう少しこっちの森を探索する事にした。

見かける魔物は熊や蛇が主流であり、特に変わった魔物はまだ見かけていない。


・・・ん〜俺の推測は外れたか?・・・・


そう思ってたら索敵に反応があった!冒険者である!

人数は4人!今から更に奥へと向かう様である。

こちらに気が付いている気配もないので、この距離を保ったまま後をつけてみた!


アレから約1時間40分程しただろうか、途中で熊や蛇と戦っていたが、中々苦労していた感じがした!


正直後ろから、援護してさっさと先を進めたい気分であったが、我慢しました。てゆーかこのパーティーでこんな場所まで来て大丈夫なのかコイツら?


これオークの集団にでも出会ったら詰むんでは無いだろうか?

あまり目の前で人が死ぬのは見たく無いなと正直に思ったが、冒険者達の意思で来てるのでどうしようもない!


前方に回り込んで、俺が追い払う事も視野に入れながら後ろをついていくと、冒険者達が止まった!


・・・よ〜やく目的地に着いたのか?・・・


しかしどーやら様子が違うみたいだ!

距離は保ったまま、索敵で様子を見ると、冒険者の前方から別の影が現れた!


これ思ってた通りにヤバイのに出会ったパターンな予感!


・・・コイツらほんとついてないな・・・


仕方がないのでもう少し近くへ行って様子を見る事に!


ヒョロっとした目つきの悪いシーフが後ずさりながら叫ぶ!


「何でこんな場所にオーガがいやがるんだ!」


それに答えるように、このパーティの紅一点であるヒーラーが答える。


「そんなの言われても知らないわよ!それよりどーすの?私達じゃちょっと厳しい相手よ!」


中々の体格をしたモンクが戦士に問う!


「カイル!どうする?」


カイルと呼ばれた戦士がどーやらこのパーティのリーダーのようだ!


「何とか逃げる隙を作らないと全滅になってしまう、みんな俺が盾でアイツの攻撃を引き受けるから、少しづつでいいから、削ってくれ!」


う〜ん正直その戦略で逃げれるのかだいぶ不安なのだが、本人達はそれで行くみたいなので、静かに静観する!


それにしても初めて同族を見たな!!


感想は!俺とはちょっと感じが違う気がする!大体の体格等は似てるんだが、なんて言うか・・・もっと凶悪な顔してるんですよねアイツ!


もしかしたら俺は人であった頃の影響が出てるのか?最近は進化もしたので更に鬼っぽさが薄れた気がするのだが!


ま〜人も顔は千差万別なので、鬼も一緒なのかもしれない!


さてさて冒険者の戦いに話を戻そう!

戦士のカイル君の提案により、戦いながら離脱を図るようだが、中々厳しい状況になっている!


それは盾で攻撃自体は防げているようだが、攻撃があまり効いて無い様なのである。


シーフによる斬撃は、皮膚を少し切るくらいではっきり言って効果あんのか微妙であり、モンクの打撃も良いのが入ると少し動きを止めれるが、そこまでダメージは入って無いと思う!


カイル自身はヤツの攻撃を全て盾に引き寄せているようなので、攻撃には参加出来そうもないし、ヒーラーはカイルの回復をしているようだ!


・・・詰んでますやん・・・


正直な俺の感想!シーフよ麻痺等の特殊攻撃は無いのか?もしくは煙幕等!この状況での撤退はかなり厳しいぞ!なんて俺が脳内でアドバイスしていたら、そのシーフが動いた!


「こんな場所で死んでたまるか」


まさかの戦線離脱である!


「ネイル!勝手に戦線を離れるな!」


カイルが叫ぶが、ネイルと呼ばれるシーフは振り向きもせず立ち去っていった!


最悪である!予想の斜め上の展開に俺も戸惑う!こんな土壇場での裏切りとか、本の中の世界みたいだ!

少しカイルに同情してしまう!


ヒーラーがカイルに問う!


「カイルどうしよう!このままじゃヤバイよ」


カイルは攻撃をいなしながら、2人に答える!


「こうなったら全員での離脱は難しい!ダン!メイを連れて離脱してくれ!」


「カイルお前!」


「勘違いすんな!こんな所で死ぬ気は無い!お前らが離脱して応援を呼んで来てくれるまで、耐え抜いてみせるだけだ!」


「嫌よカイル!貴方が残るなら私は回復としてここに残るわ!応援はダン1人でも呼べるもの」


それは最もだと俺も思ったが、カイルは首を横に振った!


「道中でダンが怪我した方がヤバイ!だからメイはダンを頼む。」


「でも・・・・」


「さぁ!ここは俺に任せて行ってくれ」


その言葉を聞いたダンはメイの手を引っ張り離脱を急がす!


程なくして2人は離脱して、カイル1人でヤツの攻撃をいなしている。


俺はその時猛烈に感動していた!こんな場所であの台詞を聞いてしまったからである!


ある意味死亡フラグ満載だが!なんて素晴らしい台詞なんでしょう。


その言葉に免じて俺はカイルを助ける決意をする!


・・・しょうがない奴だな!死亡フラグは俺が回収してやろう・・・


そうと決まれば攻撃を仕掛けるタイミングが大事なのである!

一応格下だとは思うが、やるからには一気に決めたい。


持って来ていた鞄から、武器となる槍を取り出す!


初期の俺の皮膚にも傷をつけた角である!俺の今の力をもってすれば、ヤツの皮膚でも貫くはず!


カイルに視線を戻すと、流石に疲れて来ているのか、肩で息をしだした。そろそろ戦況が動きそうなので、急いでヤツの後方へと移動する!


ついにその時は来た!カイルがオーガの蹴りを捌ききれずに後方に後ずさる!


その隙をオーガは見逃さない!更に蹴りを放ちついにカイルは盾ごと吹っ飛ばされ転がった!

そこに勝機を見たオーガが肉薄し、上半身へのストンピングをするが、何とか盾でガードしていた。


今だ!俺の直感が示した気がしたので、俺は勝利を確信しながらストンピングするオーガの後方より、ダッシュで近づき、ヤツの首目掛けて槍を一閃!!


ドシュ!!


槍は見事に奴の皮膚を貫通しオーガが痙攣している!


ビクビクビク・・・・ドサ


槍を抜きオーガが倒れる!


脳内ではレベルアップの音が鳴った!!


直ぐに確認したいが今はそれをしている場合では無いので自重する。


そして倒れているカイルを見ると絶望感漂う目で俺を見ていた!


あ!そらそ〜か!俺もオーガだった!しかも進化固体の!こりゃ何時ものアレやるっきゃないか!


「ん、んん!あ・ん・し・ん・し・ろ・俺・は・て・き・じゃ・な・い」


宇宙人っぽく出来た気がする!!


カイルが止まっている!


・・・あら?なんか失敗したか?・・・


「オーガが喋った!!」


あ〜成る程!いつものパターンね!そうそういつもコレあるよね!もう普通でいいか!


「俺は人間食べない!お前負けそうだから助けた。」


どや!この完璧な説明!


カイルは立ち上がり、俺に剣を向けて問う!


「オーガよ何故俺を助けた」


ええ〜剣向けるとか酷くない?それに理由さっき言ったけどな?負けそうだから助けたって!他に理由は・・・


「人間には以前助けられた。だから人間は助ける」


嘘だけど、今ミランダには助けられてるから、まーいいだろう!


カイルは俺の答えを聞いて、恐る恐る剣を下げる!


お!何とか信じてくれたみたいだな!ここで畳み掛けておくか!


「少し待ってろ!」


カイルをその場に残し、持って来ていた鞄を拾いに行く!

無事に鞄を見つけ、その中身をゴソゴソいじりなかわら戻って、中から傷薬を取りだしカイルへ投げる!


「これは?」


「傷薬だ塗っとけ」


カイルはビックリした顔をしていたが、受け取ると傷薬を塗り始めた。


痛みが引いたのだろう。俺に向けて感謝をのべた。


「正直オーガに襲われてたのに、別のオーガなら救われるとか、今も整理出来ていないが助かったのは事実だ!感謝する。」


カイルは中々にいい奴なのかもしれない!


「街まで帰るなら、途中まで送る」


そう俺が伝えると苦笑いしながらカイルは素直に頷いた。


索敵にて、魔物を躱しながら道中を進む!もちろんカイルの歩けるスピードなら合わせているから、ゆっくりにどうしてもなるのだが!


1時間程歩いた所で前方から複数の人が来るのが見えたので、カイルに迎えが来たようだと告げて、俺は姿を消す事にする。


去り際にカイルから名前を聞かれたので、カズマと答えておいた!


「この恩は忘れない」


最後にそうカイルは俺に言ってきたので、「元気でな」と答えて俺はその場を後にした!


程なくして前方から、6人パーティでこちらに向かって来る人影が見えた!


カイルは一応注意しながらそのパーティを木の影から見てみると、その中にダンとメイを見つけてホッとする。


木の影から姿を出して、パーティーに声をかける


「おーい!ダン!メイ!」


「カイル!どうして?大丈夫なの?」


メイが涙目でこちらに向かって来る!


「ああ!大丈夫だこのとうり!」


「あの状況から良く抜け出せましたね」


どーやら他の4人は応援で来てくれたパーティーのようなので、お礼を言っておく!


「助けに来て貰って悪いな!この通りなんとか無事だ!この恩は街なら帰ったら一杯奢らせて貰う!」


「いや!無事でなによりだ!オーガと1人で渡り合うとは中々やるな!」


「ま〜運が良かっただけだ!それより今日は疲れた街に早く帰ろう。」


色々と質問にあいながら、街への道を進む


一方その時カズマは、洞窟への道を進みながら今日の出来事について考えていた。


ついついあの台詞にテンション上がって助けてしまったけど、程々にしないとその内に討伐隊組まれそうだな。


ま〜これからは少し自重しよう!!


さて帰ったらステータス確認して!疲れたから今日は寝るかな!



令和初日に何とか間に合いました!そしてタイトルを冒険者オーガから変更しようかと思っています。令和から新たな気持ちで異世界転生者の苦難・・・早く人間になりたい!になります!

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