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もう男の人とはダメかもしれない

「環、また家くるの?」

「…、…」うんうんとうなづく環。

めちゃくちゃなつかれてる。


しかし、なんでこんなになつかれたかね。

実際環の顔は好みだ。

だからあまり邪険にはしにくいのだが、このなつき方は普通じゃない。

まあ、そのうち飽きるだろう的な感じでほうっている。


「…おなかすいた。」

「…、…」うんうんとうなづいている環。

ちなみに、私は料理なんてしないし、家庭的なイメージのする環も料理はぜんぜんしない。

私の家の過ごし方みるに、家事関係は壊滅的だと思う。


「…ご飯食べてから帰るかな…」さて、どこにしようか

「…おいしい、おみせ、知ってます」

「あ、本当?近く?」

「タクシーなら、すぐです」

「行きましょう」即決

「…たまには、おごるです」

…「環、お金あるの?」

「…お金なら、昔のが、たくさん…」

「別にわたしお金に困ってないからいいわよ」

「…昔のおかね、なのは、一緒」頑固だ。細かい説明も面倒なので

「割り勘にしますか」


レストランに入って食事

「環、ここ良い」

「うん、うん」

想像以上によかった。おいしいし、雰囲気も良い。

お互いにこにこしていたが。


「お食事、いかがでしたか?」

固まる。柔らかい声、清潔感のある容姿。

きっと普通の女子なら、目がハートマークになるんだろう。

だが、私にとっては、竣やら哉を連想させ、不快感がハンパない。

「…おいし、かったです」環が普通に対応する。

環はこういうのに対する嫌悪感はないのか。

それが普通なんだろう。私が変なんだ

「…美佳、さん?」

「いえ、気にしないで、少し緊張してしまって。すてきなコックさんね」

なんとか隠して振る舞う。

「ふふ、そんな。嬉しいです。こんなに美しい人が来てくださるなんて」

「お上手ですね。お料理おいしかったですわ…環、あまりごゆっくりしてご迷惑おかけしてもなんだから行きましょう」

「はい、美佳さん」

「今度は是非ごゆっくりこられてください。予約とかもしていますので」

「ええ。それでは」


「…美佳さん、大丈夫ですか。なにか口に合わないものでも…」

「…」

無言。タクシーで言う話ではない。そのまま家に入り。

「…環、あなたにはちゃんと言ってないから仕方ないのだけれども」

「は、はい」

「わたしは、ああいうイケメンが大嫌い」

「…へ?」

「過去の話になるから詳細は言わない。でも、ああいうのは生理的にだめ」

「で、でも。結構楽しげに、お話を」

「無理矢理していたのよ。おいしい料理だったのは本当だし、喧嘩うる必要ないでしょう」

でも、もういかないだろうな。

顔見なければよかった。


「…みかさん、いえ、…すみません」

「謝る必要なんてないわ。だって言ってないんだもの。こちらこそごめんなさいね。せっかくおいしいお店教えてもらったのに」

「…わたし、楽しく話している、みかさん見て、しっぱいしたな。と思ったんです」失敗?

「もし、この人が好きに、なったら、わたし、どうなるんだろうって」


「……あなた、恋人枠なの?」

まるでそんな言いっぷり

「ち、ちがう、です。でも、恋人、できたら、おいだされます」

そういうもんなのか。


「…気にしたことなかったけど」おっさんとの失恋以降顕著だが

「私、男の人とはもうだめかもね」


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