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無口でおとなしい子に懐かれたら、過去話がすごかった

援助交際とかそういう単語が乱舞する章です

それから環が会う度についてきた。

そして今日も。


「……」

いつものようについてくる。

昔のわたしのような環。

無口で、人見知りで。

でも違うのは、この執着心だと思う

「環、私家に帰るんだけど」

「……」

ぼーっと見てる。


まあ、いいや。

そのまま家まで帰ろうとタクシーを呼ぶ。

すると

「……???」

その顔に

「乗ってもいいんでしょうか?」と書いてある。


無視。

追い出すまねはしないが、わざわざ誘う必要もない。

タクシーに乗ったら絶対家までくるじゃん。

「嬢ちゃん、乗らないの?」

運転手さんが呼びかける。あ

「…!…!」

うんうん、うなづきながら乗ってくる


「…環、あなた、まさか家までついてくる気?」

「…、…」伝わらない

「…とりあえず、桜木町の広尾タワーマンションへ」

「はい」

「…、…?」怪訝そうな顔。そして

「…?…???」

タワーマンションに入ろうとする私と、疑問符だらけの環。

「…おとうさん、おかねもち…?」あ、環がしゃべった。

「わたしのお金で買ったのよ」

「…?」せっかくだ。もっと混乱してもらおう。


中に入ると

「??????????」環が眼をむいてる

まあ女子大生が一人で住んでいい部屋ではない。

そもそも、ここ分譲だし。

いわゆる億ション。


「適当に座って」ドリップマシンでコーヒーを作る。

「…なにを、して、いるの?」

「コーヒーを作っているのよ」

「ち、ちがう。しご、と」

「今はもうやってないわ」

これ以上聞くな。という意味を込めて強く言う。


すると

「…わかった。いまは、してないなら、いい」すこしにこーっとする、環

「わ、わたしも、いっしょ。むかしは。でも、もう、あんなのしない。わたしは」

一緒?芸能関係だったの?環も?

「あの、服とか、みて、いっしょって気づいて。でも、もうわたしは、あんなのには、ならないって。でも、みかさん、やさしくて、つよくて。もう、えんこう、やってなさそうだし、だから」

「…」

なんとなく繋がってきた。

環は勘違いしている。私のブランドものの服やバック、そして、マンションを見て、売春をしていたものと勘違いしているのだ。そして、重要なのは

「環、あなたそういうのやってたの」

「…はい」

似合わない。

でもそうなのかもしれない。

押しが弱い環だ。

なし崩し的にそういうのに巻き込まれたんだろう。

そして、大学ではそういうのからは縁を切ろうと決意してきたのだ。

その矢先のヤリサーへの勧誘での絶望。

私との出会いでの、依存になったのだろう。


「…一応言っておくけど、似た業界ではあるけど、私は売春じゃないわよ…切り売りなのは一緒だけど」一応言っておく。

誤解されたままなのもイヤだし

「…うん、うん、わたしも。セックスまでは、やってないし」

そうなの?それでお金もらえるんだ。援助交際って奥が深い。

「…まあいいわ。昔の話なんてお互いしたくないでしょ。コーヒーでも飲んで」

「うん…」

しかし、今日の環はよく喋る


「…ここ、心地いい。だれも、こないの?」

「こないわよ」

「…うれしい」にこにこする環

「…いっしょ、いっしょにいたい、です。みかさんと、いっしょだと、こころのきずが、いえるの」

ゆっくりと抱きつく

「わたしと、おなじ、ひと。いっしょに、すごしたい」


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