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ディアル物語 ~ハンターから転職して魔物を守る番人になります~  作者: ユメ
おまけの小話

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その1:久っちは見た

魔女とDr.のお話

本編と関係なくはない

ただ少し

甘ったるい(と思う)

 昼寝をしようかと思い、日当たりの良い場所を探し、屋敷の中をさまよっていて、そして見てしまった。

 邸内でも日当たりの良さ、一、二を競う中庭。

 主が己の右腕の膝を枕に眠る姿を。


 いや、別に見ちゃいけないってわけじゃないのだろうけど……なんだか、見ちゃいけないって思った。

 『二人だけの世界』っていうよりも、『邪魔できない空気』、もしくは『邪魔したら瞬殺される空気』っていうのかな?

 相手が相手だから、邪魔した時点で狩られるだろうな。


 眠るのは我らが主である魔女様。

 魔女様の眠りを護るのは、邸内で最も残虐で、鬼畜で、無慈悲でサディストな奴。

そのサディストが見た事もない表情で主を見つめていた。

 雰囲気もいつものとは全く違って、白くて、暖かい空気。

 自分の膝を枕に眠る主を優しく見つめ、口元には人間らしい、優しい微笑みが浮かんでいた。


 ……正直、そこに一番驚いた。


 サディストと俺とワイルド系の主である魔女様。

 趣味は美形収集。

 顔が綺麗なのをさらったり拉致したりパチったりして、集め、鑑賞して、鑑賞ついでに肉体労働強いたりしてみたり。

 逃亡する奴ももちろん出るけど、魔物に囲まれた森の中、魔物を従える魔女様から逃げられるわけもなくて、捕まるとほぼ確実にサディストの実験室行き。

 解剖されて、解体されて、原型がなくなって肉の塊になったら魔物の餌。

 だからこの森に住み、魔女様から餌を貰っている奴らは飛び抜けて凶暴で、人を襲う率がやたら高い。

 魔女様や魔女様の仲間には手を出さないけど……普通に考えるとR指定だよな、この現実。

 サディストは切り刻んで遊ぶだけ、肉の塊となったそれを魔物に配布するのは、俺とワイルド系の仕事。

 最初は無人配布だったんだけど、人肉と知って吐きそうになったのをきっかけに、俺の仕事になった。うん、ちょっと意味が分からない、人情的に普通は逆だと思う、けど相手はドSだしな。

 ワイルド系は俺に付き合ってくれているだけ、魔物好きってのもあるかもしれないけど。

 ワイルド系の母親は魔物のアイドルだし。


 まぁそういうのは置いておいて。

 そんな風に鬼畜を絵に描いたような男の膝を枕に眠れるなんて、さすがだなぁ、と思いかけてなんかちょっと違うと感じた。

 だって、魔女様の表情がとても、安心しきっていたから。

 俺もレース編みが得意なアイツも、魔女様の寝顔なんて見た事あったかな?

 邪悪な笑みや怪しさ極まりない笑みなら見た事あるけれど、あんな、何の心配も憂いも無く安心しきった表情は見た事がなかった気がする。

 まして喉元晒すなんて……俺は出来ない、無防備にアイツに喉見せたら掻っ切られそうで怖い。


 暖かな日差しと絶対服従の従者に護られ眠る人。

 白衣が光の中、淡く光って見えた。

 それはまるでお姫様の眠りを護る天使のようだった。


 目覚めればきっといつも通り。

 解剖趣味のサディストと邪悪な魔女に戻るんだろう。

 なら今はせめて。

 お姫様のまま眠っていてほしい。

 たまにはそういう日もあっていいと思うから。


 サディストの優しい眼差し、あれが魔女様へ対する想いの全て。



 こんな光景を見たと言っても信じてもらえるか分からないけど、とりあえずワイルド系にも話してみようかな?

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