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19話 決着

「はぁはぁ」

「ユウマ、今のを耐えるか。」


 ミリアの槍と俺が放った魔力の弾がぶつかり、お互いに後ろに飛ばされていた。

 飛ばされて地面に着いたときに、痛みとゴキっと鈍い音が聞こえた気がした。

 今ので左腕が折れたっぽい。

 まだ、右腕が動くけどまだ続けるとしたら勝てるとは思わない。

 どうする。と考えていたがミリアから驚愕の一言が聞こえてきた。


「ユウマ。私の負けだよ。」


 ミリアが負けを認めたからである。

 それを聞いた途端、体の力が一気に抜けた。


「ご主人様!!」


 クロナが俺のこと心配しながら走ってくる。そのあとからシルヴィーが歩いてクロナの後を追う。

 

「ご主人様大丈夫ですか? どこか怪我などはしておりませんか?」

「まぁ、そこまでひどくないけど左腕がものすごく痛い……。」

「マスター、腕が折れてるじゃあないですか!!」

 

 二人があたふたとしていると、ライラとミリアがこちらにやってきた。


「シルヴィーさん、ちょっといいですか?」


 ライラが俺の隣にやってきて、折れている左腕に触れて何やらしている。

 すると、周りが光っていき左腕の痛みが引いていく。


「今のは、何だったんだ?」

「今のは回復魔法よ。この骨折は1週間ほどしたら治るわ。」


 ライラの言葉が信じられなかったが、魔法があるのならあり得るかもしれないと思ってしまった。


「まぁ、そんなことよりミリア今のはやりすぎよ!!」

「バレてたか。」

 

 ライラはミリアを睨んでいた。


「どういうことなんだ?」

「ユウマ、今のミリアの一撃をまともに受けていたら生きてなかったかもしれないのよ。」


 えっ? まじで!! 

 背筋にゾクッと悪寒を感じた。


「で、でもなんでそう言い切れるんだ?」

「ミリア様が使ったのはリミット解放だからですよ。」


 ライラの問いかけると、後ろの方からシルヴィーが説明してくれた。


「リミット解放?」

「はい、マスター前に魔力解放を説明しましたよね?」

 

 三人で特訓していた時に教えてもらった、魔力を三段階解放できるというものだ。


「あぁ、だけどそれが何なんだ?」

「リミット解放とは似たようなものです。私たち神器の本当の力を出す技のようなものです。」


 神器(アーティファクト)も本当の力を出す技か。

 俺は少し考え


「それはシルヴィーも使えるのか?」


 と聞いてみるが


「私もできますがまだマスターは使えません。……使えてもあまり使ってほしくないです……。」

 

 使えないと言い切られてしまった。最後の方は聞こえなかったが

  

「ユウマ、まだ使える域までいってないからだ」


 ライラが隣にやってきた。


「リミット解放は、扱う者と扱われる者同士が意思疎通しなければならない。シルヴィーは条件が整っているがユウマがまだそこまでいっていないからだよ。」


 そういうことかまだシルヴィーの力を使い始めて、一週間しかたっていないまだちゃんと使えていないのか。

 自分自身で黙って考えているところミリアは。


「まぁ、正直な話あまり使うような力じゃあないからあまり考えるな。それより城に戻ってご飯でも食べようお腹減ったわ。」

「ミリア!! あなたはまだやることあるでしょ。この広場を直しなさい!!」


 ライラがミリアに怒鳴っているのをみて疑問に思っていること聞いた。


「ミリアさん、二つほど聞きたいんですけど」

「なんだ?」

「ミリアさんは俺と戦っていた時、本気で戦ってくれましたか?」

「そんなの決まっているだろ。」

 

 ミリアは真顔で


「最初から本気で戦っていたわけないだろ。」

 

 少し怒ってる感じで言われた。

 

「弟を大事に思ってるんだから本気でやったら殺してしまうだろ。でも最後だけ少し本気でやってしまったけど。」

 

「もう一つは、リミット解放は使うような力じゃないってどういうことですか?」


 問いかけるとライラが代わりに答えてくる。


「リミット解放は神器の本当の力を引き出すけど、何も代償もなく扱えるものじゃあないわ。リミット解放中は扱ってる者には激痛が襲ってくるのよ。それを耐えられなかったときは死ぬわ。」


 激痛に耐えられなかったら死ぬってそんな……。

 

「だから、ユウマ使わなくていいからね。質問には答えたし先に城の中に戻っておいて。」


 ミリアからの言葉を最後に聞いた後、自分には本当に帝国に立ち向かえるのか? ということ考えながら城の方にシルヴィーとクロナを連れて戻っていくのであった。


王国編はもう少しで終わり

次は大陸放浪編です

次でもよろしくお願いします。

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