14話 緋色の女帝との関係
「ユウマ会いたかったよ。ユウマ、ユウマ。」
「ちょっとミリア離れなさいよ。はしたないわよ。」
「マスター、鼻の先伸ばさないでください。」
「ご主人様、私では満足いかないでしょうか?」
ミリアは今テーブル席で、俺の顔を胸に押し当てて俺の名前を連呼していた。
なんでこんなことになった。
~数分前~
「本当にお姉ちゃんのこと覚えてないの?」
「ごめんなさい。小さい時の記憶がなくて覚えが……ないんですん。」
言い終わりそうなになる時に、ミリアの顔はすごく残念そうにしていた。
俺が小さい時にミリアとは近い関係だったかもしれない。
少し気になるので訪ねてみるか。
そう思い
「俺とあなたはどういった関係だったのですか?」
すると残念そうな顔からよくぞ聞いてくれましたと言った感じに顔色を変え。
「私とユウマは……」
説明を始めようとした時に
「ちょっと、ミリア何なのこれは!!」
ライラがミリアの肩を掴んで横やりを入れた。
「居たのか≪終焉の巫女≫」
「居たのかじゃないわよ。とりあえず離れなさい。ユウマは私の客人なの。」
「そうなのか?」
「まぁ、そうですね。」
そう答えた時、ミリアが来た方向からもう一人誰かがやってきた。
「団長いきなり飛び出していくので周りが混乱していますよ。」
青年が困り顔をしながらこちらに話しかけている。
「ジオ、後のことは任せると言ったじゃないか。」
「困りますよ。王様にも報告しないといけないのに急に任せると言われても。」
ジオと呼ばれている青年はミリアと会話しながら俺の方を見てから
「そちらの方は?」
「私の弟だ!!」
ミリアが言いきった時、周りの時間が一時的に止まった。
えっ? 俺こんな大人ぽい姉いた覚えないんだけど
「だ、団長何を冗談言ってるんですか?」
「冗談ではない。あっ!! これを見たらわかる。」
胸元からロケットペンダントを出し開いて見せてきた。
「ここに写っているのが私とユウマだ。」
皆が集まり中の写真を覗き込んだ。確かに写っていたのは小さい時の俺とミリアだった。
「マスター。本物ですか?」
「あぁ、信じられないけど写っているのは小さい時の俺だ。」
「ユウマやっとわかってくれた? でもほんとの姉弟じゃないよ。親が少しの間預かっていたらしいけど、でも私からしたら弟みたいな存在だしね。」
ミリアがそう言い終わってからも俺から離れようとしなかったので
「ミリア、あなたとユウマの関係は分かったけどとりあえず一回戻りなさい。下の方で少し騒ぎになっているわよ。後でまた話しできるから。」
「そうですよ。団長」
「うむ。わかったわ。」
俺から離れ門の方に向かう前にこちらに目を向け
「それじゃあまた後でね。ユウマ。」
言い残し門の方に向かって行った。