サブストーリーは突然に
「ここを越えればあともう少しだ! 気を抜くなよ! 絶対にみんなでたどり着くぞ! 」
オオオオオッ!
最後の気力を振り絞った応答がそこかしこで上がるが、みんなもう明らかに限界だ。
「カイン! サラが! サラがいないぞ!? 」
仲間が気付き声をあげる。
「なにぃっ!? あいつはこんな大事な局面でどこに行ったんだ?! もう少しだって言うのに……誰かサラがどこ行ったか知ってるやついるか!? 」
周りを見渡すも皆自分のことで手一杯で他人のことまで気配る余裕はなかった。それはカインにも同じことが言えた。
「くそ! あいつがいなきゃ……何のために今まで頑張ってきたって言うんだ! あいつがいなきゃ……」
その場に崩れ落ちるカイン。
「カイン……」
周囲に仲間が集まって来るが掛ける言葉が見つからない。
「何やってんのー? 」
不意に聞こえた声に顔をあげると、サラが先の丘の上からこちらを振り替えって訝しげに首をかしげている。
いないと思っていたサラは俺らの心配を余所に先へと進んでいたようだ。
「カイーン! おいてっちゃうわよ? 私をつれてってくれるんじゃなかったの? 」
ほほを膨らませてサラが続ける。
「ほら! カイン! お姫様が待ってるぞ! 」
誰かが茶化してそんなことを言う。
最後の気力と体力を振り絞ってサラの後を追う。
「カイン! ねぇあれじゃない? 」
嬉しそうに言うサラの指差す方向へ顔をあげる。
眼下には大きな透明な湖と中心に浮かぶ小島。そしてその小島へと続く一本道が見えた。
そしてなんと湖の下には町が一つそのまま沈んでいるように見える。
「ははっ! サラ! あった! あったぞ! ようやく……ようやくここまでたどり着いた! みんな見ろ! 理想郷はすぐソコだ!」
ウオオオオオオオッ!!!
先ほどとは違い喜びの混じった雄叫びが上がる。
それを見てから微笑むと隣に立つサラをみた。
遠くの山脈に沈む夕日に照らされて美しいシルエットが浮かび上がる。その横顔にドキドキしながら懐から剣の形をした十字架のチャームがついたネックレスを取り出した。
「サラ……コレを受け取ってくれないか? 」
サラの手を取りネックレスを上にのせて言う。
「え?ちょっとカイン! これ……あなたのおじいさまの形見じゃない! こんな大事なもの……貰えないわ! 」
くれるものならなんでも貰うわよと言っているいつものサラとは違い、明らかに困っている。
「君に……君に持っていて欲しいんだ……俺には使いこなせそうにない」
首を振りつつネックレスを握った手をサラのもとへ押し返し再び言う。
「でも!ここまでこれたのはこれのお陰でしょ? あなたがこれに導かれてたどり着いたんでしょ? 」
サラは不安そうな顔でそう言って俺を見る。
「きっかけはコレだった。でもここまでこれたのは君のお陰だ。サラ……」
見つめ会う二人。
カインの手がサラの肩に触れお互いの距離が縮まる。
「……カイン……」
丘の上で夕日をバックに仲間達が見守る中、唇を重ねる美男美女。
事の成り行きを見守っていた仲間達は大地が震えるほどの歓声を上げて口々に二人を祝福した。
「カイーン! お前! この野郎! ようやく言ったっか!」
「大将! よく言ったぁ!」
「おめでとー!」
「サラァ~ 良かった……良かったね…」
「あらあら。あなたが泣いてどうするのよ……ようやく素直になったわね? おめでとう! 」
「サラねぇさまぁぁぁぁ!私はこれからどうすれ……ばふぉっ」
「女同士で気持ち悪いんだよあんたは!回りの男もっと良く見な! 」
各々思うところがあったのか、この騒ぎに乗じてぶっちゃけている者もいるが、この場のすべての仲間達が二人を祝福していた。
「さぁ、カインの一大事も終わったことだし、輝かしい未来に向けてもう一息頑張ろうぜ!」
「「「オォォォォ!!!」」」
こうして俺らはこの旅の終着点である理想郷に向けて再び歩き始めた。
周りには頼もしい仲間達。
傍らには祖父の形見を身に付けた愛しい人。
この旅の終着点は新しい未来への出発点だ!
完全にタイトルありきで書きました。
意味がわからない方は特に気にしないでください。
おっさんのだじゃれです(*´∇`*)
勢いでやった!反省はしている!
m(__)m




