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君と過ごす学園生活  作者: チル兄
アイツとの再会、始まる変化
6/11

4月6日 チンピラの手から妹を守れっ!

前回に比べて長いです。



 「ねぇねぇ、俺達と遊びにいこうよ♪」


 「そうそう♪絶対に楽しいぜ♪」


 「い、いえ……すぐに兄さんが来ますから」



 こんにちは、鷹山澪です。

 私は今、柄の悪い三人の男の人に絡まれています。

 ……どうしていつも私は絡まれてしまうのでしょうか?



 「お兄さんなんて放っておいてさ」


 「そういうわけにもいかないので」


 「そう言わずにさ~♪」



 そう言って男の人の一人が私の話を

 聞かずに私の腕を掴みます。



 「痛っ……!」


 「さぁ、行こうか♪」


 「放してくださいっ!」


 「チッ!うるせぇガキだな。殴って黙らせるか?」


 「おいおいガキに手を上げるのかよ?下種いね~

 傷は付けないでくれよ?傷が残ってると後で盛り下がるからな」


 「分かってるって」



 そう言って男の人が手を振り上げます。

 私はただ目を瞑って身を固くし、

 これから来る痛みに備えることしか出来ません。

 ……こんな時に兄さんが傍に居てくれたら……



 「兄さん……助けて……」



 無駄だと分かっていながら、私は兄さんに助けを求めます。

 兄さんは今、中岡先輩達と楽しく騒いでいるはずです。

 この場所に来るはずがありません。

 そう思っていた時でした。



 「俺の大切な妹にぃっ!何してやがるんだ

 このクソ野郎どもがあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



 兄さんが助けに来てくれたのは……





 「シスコンキイィィィィックッ!」


 「ブッ!?」



 澪の腕を掴んでやがるチンピラの顔面に飛び蹴りを叩き込む。

 チンピラが大きく怯んだ隙に澪を俺の後ろに隠した。



 「に、兄さん……?」


 「ヒロミくんっ!?て、テメェ、なにモンだっ!」


 「俺の後ろに居る世界で一番可愛い美少女のお兄様だっ!」


 「お兄様だぁ?」


 「テメェら……澪に気安く話しかけやがった上に

 腕を掴んだことだけでも万死に値するってのに、

 澪を殴ろうとして怖がらせやがったなっ!?

 テメェら全員顔面ピカソの絵にして二度とベッドから

 起き上がれないようにしてやるから覚悟しやがれゴラァッ!」



 久々に本気でトサカに来てるぜ俺ぁ……

 コイツら全員地獄を見せてやるっ!



 「死に晒せやおんどりゃあぁぁぁぁっ!」


 「ぶほっ!?」



 怒りを拳に籠めて、チンピラ2を殴り飛ばすっ!

 俺の怒りの鉄拳がクリーンヒットしたチンピラ2は、

 勢いよくキリモミ回転しながらごみ捨て場に頭から突っ込んだ。

 うっしゃあっ!一発KOだぜっ!



 「ユージッ!?このガキやりやが――」


 「ハイィィィィヤアァァァァッ!」


 「オゴッ!?」



 喋ってる最中のチンピラ3の顎を蹴り上げ空中に浮かす。

 澪を殴ろうとしたテメェには特別コースをお見舞いしてやるっ!

 死ぬんじゃねぇぞクソ野郎っ!



 「ドララララララララララララララララァッ!」


 「ちょまギャアァァァァッ!?」



 浮かしたチンピラ3に無数の蹴りを叩き込む。

 ハッハッハァッ!澪を怖がらせたことを

 痛みにもがき苦しんで後悔しやがれっ!



 「兄さん、流石にやりすぎでは……」


 「まだだっ!コイツは顔面ピカソになっちゃいねぇっ!」


 「そんな奇怪な物は見たくないんですが……」


 「え?マジで?じゃあもう止めた」


 「ぐへぁっ!?」


 チンピラ3を蹴ることを止めて地面に落とす。

 澪が見たくねぇって言うんならやるわけにはいかねぇわな。



「感謝しろよクソ野郎。澪が止めなきゃ今頃顔面ピカソだぜ?」


 「……(ピクピク)」


 「……あれだけ蹴られれば気絶もしますよ」



 そりゃそうか。じゃあ代わりに鼻血垂らして

 こっち睨んでるアイツに言っとこう。



 「オイコラチンピラ野郎。

 二度と家の妹に近付くんじゃねぇぞ。

 もしまた近づいてきたら……ニューカマーにするからな?」


 「こ、このガキ……俺達に手ぇ出したこと、

 必ず後悔させてやるからなっ!」


 「知るかタコ。そんじゃ、帰ろうぜ」


 「あ、はい」



 やれやれ……無駄な労力使っちまったぜ。





 「全く……俺はいつも言ってるだろ?一人で歩くなって」


 「すいません……実はこれからスーパーで

 タイムセールスがあることを思い出しまして、

 夏樹さんを待たずに一人で学園から出てしまいました……」


 「え?夏樹のこと置いてきたのか?」


 「は、はい。……あの、何かいけませんでしたか?」


 「……多分アイツ、まだ学園に居るぞ」


 「えぇっ!?」



 驚く澪を横目に携帯を取り出し夏樹に電話する。

 アイツは犬みたいな奴だからな。

 待てと言われれば何時までも待つ。

 別れ際に“澪が来るまで待って一緒に帰ってやってくれ”

 って俺は言ったからな。

 きっと風景画でも書いて待ってるはずだ。



 『……もしもし』


 「俺だ。分かるか?俺だよ俺」


 『……アレキサンダーさん?』


 「誰だよっ!?……卓郎だよ卓郎。お前今何処に居んの?」


 『……教室。卓郎に言われたから澪を待ってる』


 「やっぱりか……」



 待ってやがったよコイツ……

 本当に夏樹の奴は素直と言うか馬鹿と言うか……



 「あーその事なんだがな?澪、こっちに居るんだわ」


 『……っ!?』


 「だからもう待ってなくてもいいぞ」


 『……』


 「夏樹?夏樹さん?夏樹様?」


 『……グスッ』


 「あれっ!?何で泣いてんのっ!?」


 「兄さんひどいです……」


 「えぇっ!?おかしくないそれぇっ!?

 悪いのは……わ、悪いのは……俺だよぉっ!」



 言えるかぁっ!納得出来ねぇけど澪が悪いなんて言えねぇよっ!

 チキショーッ!妹の可愛いさが憎いっ!



 「な、夏樹?取り敢えず深呼吸でもして落ち着こうぜ?」


 『何を落ち着かせるつもりだ?』


 「め、冥……さん?」


 『そうとも、貴様の叔母である古咲冥だ』



 ……俺、今日が命日かもしれん。

 冥さんもうちの親とどっこいどっこいの親バカだからな……



 『貴様……夏樹を泣かせたな?』


 「ち、違うんですっ!これには海よりも深い事情が――」


 『待っていろ……今からチョン切りに行く』


 「何をっ!?ねぇ何をっ!?冥さんっ!?」



 俺の耳に届くのは無機質な音のみ。

 携帯は既に切られてしまっていた……

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