4月6日 彼の趣味は筋トレです
久しぶりの更新です。でもスゲェ短い……
「う~っす」
放課後、俺は空き教室に足を運んでいた。
ここは元々不良の溜まり場だったんだが、
俺と俺の悪友達が不良を追い出して
好き勝手に使ってる。
室内には何処から持ってきたのかテレビや
ゲーム、パソコンが置かれていて、床には漫画や
DVDが散らばっている。
そんな室内で一人黙々と
片手腕立て伏せをする男が居た。
こいつは勝川達之。俺の悪友の一人だ。
「また筋トレしてるのかよ。暑苦しいなおい」
「卓郎か……ふっ!今日はやけに早いじゃないか。
何かあったのか?」
「いや、単に早くHRが終わっただけだ。
お前、何時からここに居るんだ?」
「一時間前くらいからだな。
筋トレの為に授業サボってここに来た」
「いや、そんな下らねぇことの為に授業サボるなや」
「下らなくなんてないぞッ!お前も筋トレをすれば
筋トレの素晴らしさが分かるはずだ。
さぁッ!一緒に片手腕立て伏せをやろうじゃないかッ!」
「断固としてお断りする」
断られた達之は残念そうな顔をして
片手腕立て伏せを続ける。
達之は女にモテるにはやっぱり筋肉と思っていて、
女性を見つけると上半身の服を脱いで
自分の筋肉をこれでもかとアピールしてくる。
それが周りの女性から引かれる原因なんだが、
本人は全くその事に気づいてない。
本当、憐れな奴だよ。
「よーっす」
「……」
「こんにちはお二人共」
「ごめん、遅くなっちゃった」
扉を開けていつものメンバーが入ってくる。
上から西南秀、竹中繁、中城遊馬、川垣巧だ。
西ちゃん……あ、西南のことな?
西ちゃんは俺達の中じゃ一番の常識人で、
家庭的な奴なんだが……残念なことに末期のロリコンなんだ……
俺達は何時コイツが犯罪者になっちまうか心配でしかない。
次にシゲこと竹中繁、コイツは几帳面で物静かなんだが
極度の恥ずかしがり屋だ。
だから人付き合いが得意じゃないし、常に無表情で
威圧感を出してるから皆に恐れられちまってる。
実際は他人に害がある奴じゃないから恐れる必要なんて
全くもってないんだがな。
三人目は中城遊馬。
中城は獣医の息子で、同じく医師を目指してる。
まぁ、親とは違う科を希望してるらしいけど。
顔も良くて成績も上位だから女子にモテるんだが……
コイツ、バイセクシャルなんだよ……
たまに尻にネットリとした視線を感じるんだよなぁ……
最後に川垣巧、巧は俺らの中で一番大人しくて、
誰とでもフレンドリーに接する奴だ。
コイツは演劇部に所属してるんだが、中性的な顔立ちのおかげで
いつも女装させられてる。
ちなみに達之の幼馴染みでもある。
あと二人俺の悪友は居るんだが……来た時に説明する。
「あれ?大輝と心はまだ来てないんだね?」
「あぁ、俺が来た時にはこのバカしかいなかった」
「誰が……フンッ……バカだっ!」
「お前だよ。この筋肉バカが」
「それは褒めてるのか?」
「貶めてるんだよっ!今の言葉の何処に
褒める要素があったっ!?」
「だって今、筋肉って言っただろ?」
「筋肉しか聞いてねぇのかよっ!?
少しは他の言葉も耳に入れろやこの脳筋がっ!」
「よせよ……照れちまうぜ」
「照れんなやあぁぁぁぁっ!」
何コイツッ!?言葉に筋肉がつけば何でも
誉め言葉になるのかっ!?面倒くさっ!
「……落ち着け」
「シゲッ!お前は面倒じゃないのかよ?」
「……もう慣れた」
「……そうですか」
そう言われたら何も言えんぞシゲよ……
その後、結局二人の悪友が来なかったため、
適当にだべった後俺達は解散した。