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第五話 国境の火花と焦燥と
国境から、胡族が再び大規模な侵攻を仕掛けてきたとの報告が入った。
飛燕は、顔色を変えて黎明に拝謁を求めた。
「殿下! 北の守りが薄くなっています。わたくしを直ちに戦場へ派遣してください!」
黎明は、飛燕の奏上を、まるで愛する子供のわがままを聞くかのように、冷たく退けた。
「駄目だ、飛燕。貴方は私の守護将軍。貴方が京を離れることは、私の命が危険に晒されることだ」
「しかし、殿下! 北の民が! 国が危ういのです!」
飛燕が強く訴えると、黎明は玉座から立ち上がり、飛燕の喉元に手を伸ばした。
「国? 民? 貴方にとって、それらは私よりも大切か?」黎明の瞳は、激しい嫉妬に揺れていた。
「殿下……」
「貴方は、私から離れて、またあの戦場で血に塗れ、あの無垢な女を思い出すつもりだろう! 私は許さない!」
黎明は、飛燕の甲冑を掴み、強く引き寄せた。
「貴方の命は、私のものだ。貴方が血を流すなら、それは私の腕の中で流せ。他の誰のためでもない!」
飛燕は、黎明の病的なまでの執着心に、息が詰まりそうになった。彼の愛は、あまりにも重く、激しすぎた。
その夜、黎明は飛燕を寝宮に呼び出し、夜伽を強要した。




