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異端の白球使い  作者: R.D
決勝
147/674

男子決勝(6)

 はい、承知いたしました。「異端の白球使い」の続き、部長(部長 猛)の県大会決勝戦、第一ゲームの終盤ですね。

 ユーザー様が前回提供してくださったテキスト(の473ページ以降の加筆・修正部分、およびその後のユーザー様の具体的なポイントの流れのご指示)に基づき、現在の正しい状況を再確認いたしました。

  * 大会: 県大会 男子シングルス 決勝戦

  * 対戦: 第五中学校 部長 猛 vs 常勝学園 朝倉 陽介

  * セットカウント: 部長 0 - 0 朝倉

  * ゲーム: 第一ゲーム

  * スコア: 部長 6 - 6 朝倉

  * サーブ権: 部長(これから1本目のサーブ)

  * 直前の描写(ユーザー様ご指示の流れ):

  * 1-5から部長が追い上げ、しおりさん(観客席)のアドバイス(と思われる)を活かした緩いサーブからのチキータ誘発とブロックで5-5のイーブンに。

  * その後、朝倉選手の甘くなったサーブを部長がチキータで決め6-5とリード。

  * しかし、続く朝倉選手の厳しい下回転サーブに対し、部長がツッツキをネットにかけ6-6の同点。

  * ここから「本当に息詰まるような、細かい台上の技術の応酬になった。」というところで、具体的なポイントの描写を待っている状態。

  * ベンチの状況: あかねさんがアドバイザーとしてベンチ入り。

  * 観客席の状況: しおりさんは幽基未来選手と一緒に観客席から試合を見守っている。

 この、第一ゲームのスコア6-6、部長のサーブ1本目から、台上の捌き合いが始まり、部長が紙一重の差でポイントを落とし6-7へ。続く部長のサーブ2本目、ショートサーブから捌き合いに見せかけ、ツッツキで返ってきたボールを渾身のバックハンドドライブで決め7-7の同点へ。その後、朝倉選手のサーブ権に移り、彼の横下回転サーブに部長が最初は対応できず失点するも(7-8)、次のサーブをレシーブし、3球目攻撃からのカウンター、4球目攻撃を決めて8-8の同点に戻すという、非常に具体的でスリリングな展開を描写しますね。

 セットカウント 部長 0 - 0 朝倉

 第一ゲーム。スコア 部長 6 - 6 朝倉。サーブ、部長(1本目)。部長視点。

(まだだ!まだ、このゲーム、諦めるわけにはいかねえんだよ!)

 ベンチのあかねの笑顔と、観客席のしおりの静かな眼差しが、俺に力をくれる。

 この決勝戦、絶対に勝つ!

 サーブ権は俺。スコアは6-6。ここからが、本当の正念場だ。

 俺は、集中力を高め、ネット際に短く、そして横回転を僅かに加えたショートサーブを、朝倉のフォアサイドへと送り込んだ。しおりが言っていた、「時には、相手の意表を突く短いストップや、コースを変えるループドライブを織り交ぜる」という言葉が、頭の中でリフレインする。

 朝倉は、そのサーブに対し、冷静に、そして低い体勢から、鋭いツッツキで俺のバックサイド深くに返球してきた。そのボールは、まるで台の上を滑るかのように、低く、そして速い。

 ここから、息詰まるような、細かい台上の技術の応酬が始まった。

 俺も、朝倉も、互いに短いサーブを出し合い、ツッツキやストップで相手を揺さぶり、甘いボールが来たらすかさずフリックやドライブで攻める。一球一球に、ものすごい集中力と神経が使われているのが、自分でも分かる。

 その、ギリギリの攻防の中で、俺のツッツキが、ほんのわずかに、本当に紙一重、台から高く浮いてしまった。

 朝倉は、その一瞬の隙を見逃さない。鋭いフォアハンドで、俺のフォアサイドを打ち抜いた!

 部長 6 - 7 朝倉

(くそっ…!今の、完全に俺のミスだ…!)

「まだこれからだよ、部長先輩…!」

 後ろから、俺を後押ししてくれる、声援が聞こえる。

 そうだ、まだだ。まだ、取り返せる。

 続く俺のサーブ2本目。

 俺は、もう一度、同じようなショートサーブを、今度は少しだけ回転を変え、朝倉のバックサイドへと送り込んだ。再び台上の細かい捌き合いを仕掛けるように見せかける。

 朝倉は、それを警戒し、先ほどと同じように鋭いツッツキで、俺のフォアサイドへと返球してきた。

(…来た!誘い込んだぜ!)

 俺は、そのツッツキで返ってきたボールに対し、体を素早く反応させ、そして、コンパクトながらも全身のバネを使った、渾身のバックハンドドライブを、朝倉のフォアサイド、オープンスペースへと叩き込んだ!

 それは、しおりが時折見せる、あの意表を突くバックハンドの強打。俺も、練習で何度も見て、そして自分なりに取り入れようとしてきた技だ!

 ボールは、朝倉の反応も虚しく、コートの隅に深々と突き刺さった。

 部長 7 - 7 朝倉

「っしゃあああ!!」

 俺は、力強く拳を握りしめる。追いついた!

 ベンチのあかねが、嬉しそうに飛び跳ねているのが見えた。観客席のしおりも、ほんの少しだけ、口元が緩んだような気がした。

 サーブ権は朝倉へ

 ここからが、本当の勝負だ。あいつの、あのいやらしい横下回転サーブ。しおりも、あれを警戒しろと言っていた。

 朝倉は、静かに構え、そして、やはり、俺のフォアサイド、ネット際に短く、そして強烈な横下回転がかかった、あの得意のショートサーブを放ってきた。

(…来ることは分かってた!だが、それでも、あの回転は…!)

 俺は、そのサーブに対し、懸命にラケットを合わせようとする。しかし、ボールの回転が強烈すぎて、ラケットの面から滑るようにして、ネットにかかってしまった…。

 部長 7 - 8 朝倉

(くそっ…!やっぱり、あのサーブは一筋縄じゃいかねえ…!)

 だが、俺は諦めない。次のポイントだ。

 続く朝倉のサーブ2本目。

 彼は、再び同じような、しかし今度はほんの少しだけコースを変え、俺のミドル寄りに、あの横下回転ショートサーブを送り込んできた。

 俺は、今度こそ、その回転とコースを読み切り、体を鋭く台に入れ込み、フォアハンドで、強烈なチキータレシーブを、朝倉のバックサイドへと叩き込んだ!

 これが、俺の四球目攻撃への布石!

 朝倉は、その鋭いチキータに対し、驚くほどの反応速度で対応し、バックハンドでカット性のブロック。ボールは、回転を殺され、しかし高く、俺のフォアサイドへと返ってくる。

 絶好のチャンスボール!

(…もらった!)

 俺は、そのボールに対し、体を大きく使い、渾身のフォアハンドドライブを、朝倉のバックサイド、オープンスペースへと叩き込んだ!完璧な四球目攻撃!

 ボールは、朝倉の反応も虚しく、コートに深々と突き刺さった!

 部長 8 - 8 朝倉

 再び同点!

 この決勝戦、まさに魂と魂のぶつかり合い。どちらも一歩も譲らない、壮絶な戦いだ!

 俺の心臓は、激しく高鳴っていた。しかし、不思議と、恐怖はない。ただ、この強敵と戦えることへの喜びと、そして、仲間たちの応援を力に変えて、絶対に勝つという、強い意志だけが、そこにあった。

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