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「私は…殺されない…
殺されるものか!」
「ま…政哉様…」
『政哉さん落ち着いて!』
「殺されるくらいなら…
先に殺す!」
「!!」
『政…!』
-ザシュッ!-
………
-ブシューッ…-
政哉さんは
たまたまテーブルに置いてあった…
果物ナイフを取って
源吾郎さんの
頸動脈を斬った
そして、大量の血が勢いよく吹き出し
源吾郎さんは動かなくなった
「きゃああああ!」
詩都葉さんが悲鳴をあげた
『…っ…政哉さん…なんて事を…』
「はぁ…はぁ…何を…言ってるんだ…!!
こうしなきゃ…私達も殺されてたかも知れないんだ!」
…確かにそうかもしれない
("もし、源吾郎さんが犯人なら…")
…だが
もう一人…確実に
たった今起こった源吾郎さんのそれを除く
全ての殺人…が可能だった人間が
居る…
「な、なんだ!その目は!」
『……政哉さん?』
「…わ…私は間違っていない…!
こ…これは正当防衛だ!違うのか!」
『……』
(ヤバイな…この人…)
「…そ…そうか!
私をも全員殺して…
神宮寺家の財産を全て自分のものにする気なんだな!」
『…ま、政哉さん…何言って…』
(言ってる事おかしいぞ!?)
「君も…いや…オマエも…敵かぁぁあああ!」
『ッ!!』
政哉さんは今度は俺めがけてナイフを振るおうとしたその時
-バンバンバンッ-
『!』
「!?」
「?!」
政哉さんは強力な弾丸に引っ張られ
不細工なダンスを踊った
そして、その中の一発が
政哉さんの心臓をも貫いていった
政哉さんはその不細工なダンスを踊ったまま
崩れる様に倒れた
『……やっぱり…君だったのか…
………アリシア』
俺の後ろで銃口だけが暖かい拳銃を持っていたのは
確かに
アリシアだった
「……なぁんだ…気付いてたんだ…称お兄ちゃん☆
流石だね♪」
「あ……アリシア様……!?」
アリシアは無言で銃口を詩都葉さんに向けると微笑を浮かべた
『!
やめ…!』
-ダンッ-
額を撃ち抜かれた詩都葉さんはその場に力無く倒れた
『アリ……』
「危なかったね…さっきは…
もう少しで殺されてたかもしれないね」
『……よく言うよ
…俺も殺すつもりだって言うのに』
「………流石だね」
アリシアは俺に銃口を向けた
俺はテーブルを椅子を投げ
アリシアの出鼻をくじくと
テーブルを蹴り上げ
盾にする形で後ろの扉から部屋から逃げ出した
称が部屋から出たのを見てアリシアは一息ついて
追おうとした
しかし、一歩進んで振り返り
死者に言葉をかけた
「…残念、大ハズレでした
政哉お兄様……フフ…
ハハハッ!」