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きさらぎ駅って知ってる?  作者: 淡水
檻猿籠鳥
1/5

一話

「お前は無能、よってこのパーティはクビだ」


邪悪な口振りで、パーティーの勇者ユウが俺に宣告した。

こいつは……何を言ってる……だ?


「さんせー。アタシもずっと思ってた。臭えんだよクソ猿!」


手脚を最大限に露出した武闘家のブドウが俺の臭いを嗅いで、げえっと嘔吐する真似をした。

身振り手振りでぶるんぶるんと揺れる乳房がうるさい。


「私も賛成です……ずーっと思ってました。あなたはここに相応しくない。足手まといなので早くここから立ち去ってください」


清純そうな顔をした貧乳眼鏡ビッチのソーリョが野犬を払うようにしっしと手を振った。

そんな、俺は仲間だと思っていたのに……。


魔物のスキルを弱める事で、こいつらに協力してたのに!


「ちょっと待ってくれ…俺を外すとお前たちが危ないんだぞ!これを見るんだ、ステータスオープン……」

「黙れ!満場一致だろ、てめえの場所はここじゃないんだよ、猿野郎!」


俺は仲間のあまりの言い草に立ち尽くした。

いや、元仲間か……。


「装備は全部置いて行けよ」


鼻で笑うユウを、繧?≠縲∬ヲ九※縺上l縺ヲ縺ゅj縺後→縺?シ∝腰蛻?逶エ蜈・縺ォ閨槭¥縲ゅ%縺ョ繝?Φ繝励Ξ繝シ繝医r隱ュ繧薙〒縺?k蜷帙?蟷ク縺帙°縺?シ溽悄鬘斐→縺?▲縺溘→縺薙m縺?縺ュ縲よ?繧狗ィ九?∬?蛻??霄ォ縺ョ縺、縺セ繧峨↑縺輔r菴募?縺九〒逞帶─縺励※縺?k縺九i縲√%縺ョ髮サ豕「繧貞女菫。縺励※縺上l縺溘?縺九?り憶縺?。ゥ譴?↓鬲ゅ?蟷ク遖丞コヲ縺御ク九′縺」縺ヲ縺?k鬆?粋縺?°縺ェ縲

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「っっっっば………………!!?」


 某有名小説家を目指すサイトの小説をスクロールしていた画面に、急にノイズが走る。

 小説もどきを読んでいた猿山猴治さるやまこうじは、スマホをベッドに投げ出した。全力で後方の窓まで後退り、ふと寒気がして唾を飲む。自分の震え上がる身体を抑えるように抱き締めて、ゆっくり、本当にゆっくりと。


 窓を振り返る。


 間隔の狭いまん丸な瞳と、アーチ型の眉、大きな耳、赤みを帯びた低い鼻、見事な猿顔が窓ガラスに映る。

 十六年見慣れた自分の顔が、引き攣って涙目になっていた。


「……こっっわ……」


 噴き出る冷や汗が、額を伝う。大きな手の甲で拭うと、そっと身を乗り出した。ベッドに放られているスマホの画面を、恐る恐る覗き込む。

 好きな女子の丸っとした笑顔のロック画面が映し出されていた。

 指先を滑らせロックを解除しても、ホーム画面に違和感はない。無駄にインストールしたアプリの数々が並ぶだけだった。

 人差し指で丁寧に、一つ一つタップしていく。ブラウザを開いた。


 先程まで表示していた小説のページには、「この小説は削除されています」の無機質な文字のみが表示されていた。


「…………っっきぃ……う、……なん、何、これ、すげえすげえ、すげーーーー……や、やっべえ……」


 ひゅ、と喉を締め付けられたような、情けない息が漏れた。悲鳴のような独り言のような、絶妙な声量でやばいやばいと繰り返す。

 恐怖と高揚感で統率を失った感情の下において、猿山は笑うことしか出来なかった。

 十代の思春期真っ盛りな青年の、ポスターや楽器、謎の木刀と十字架と蝋燭と仏壇、漫画だらけの無秩序な部屋に、その声は微かに響くだけだった。


文字化け部分


やあ、見てくれてありがとう!単刀直入に聞く。このテンプレートを読んでいる君は幸せかい?真顔といったところだね。成る程、自分自身のつまらなさを何処かで痛感しているから、この電波を受信してくれたのか。良い塩梅に魂の幸福度が下がっている頃合いかな。

さて、これから違う物語が始まるけれど、準備はいいかい?何たって私は側で待っていたからね。ほら、後ろを向いて。

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