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コーヒー飲んだら

作者: ブライアンの毛

どうしよう…

めんどくさいな…。


早くしなきゃ。

急かす声が聞こえてくる。

早くやらなくちゃいけないことは重々承知である。

何もしなければ、事態は永遠に変わらない。その永遠だけは感じることができる。


しょうがないな。でも…。何かきっかけが欲しい。

何でもいい。それさえあれば、仕方がないから動くぞ。


きっかけ、きっかけ…。

何でもいいのに、何でも良くない。自分で自分の行動をコントロールするのは…。

自分で自分の行動を止めているのは分かっている。でも…。

きっかけが欲しい。


どんなことでもきっかけになるけど、どんなことでもきっかけにならない。

それは分かっている。

何かしら理由をつけて、現状維持の方向に舵を切ろうとしている。

それも分かっている。


つくづく自分のことながら呆れてしまう。

…。


このまま朝が来たらどうしよう…。


良くないだろ。

テストは明日から始まってしまう。俺の2年生理科も明日の2時間目に行われる。


問題はまだ30点分しかできていない。まだ70点分も残っている。

解答用紙だって、同僚のための模範解答だってできていない。


時計は、さっき日付が変わったことを正確に教えてくれた。

時計さん。君はすごいよ。

眠い…。

日付が変わったってだけで、眠気も5割ましだ。


「時間が解決してくれる。」なんてことはない。

そんなことができるんだったら、このまま、全てを放り投げて、布団へ!

ここから布団までなんか、3mくらいしかない。


少し横になってからにしようかな…。

うん。  やばい、それだけは避けなければ。

本当に朝になっちゃう。このまま問題ができなかったら、生徒に合わせる顔がない。

不適格教師のレッテルが背中や胸、顔など、身体中至る所に貼り付けられてしまう。


でも、目覚ましを1時間で鳴らせば大丈夫だよな…。

俺にはあの曲だったら絶対に起きるという、絶対自身のある1曲があるんだ。


アラームの時間と曲をセットし、3m移動して布団に横になる。

掛け布団をかけちゃうと終わる…。寒い時期だし、念のため、布団をかけないようにしよ。

寒くなって、1時間もしないうちに起きるだろ。

冷たい布団の上。丸くならないと眠気も逃げちゃいそう。

寒っ。

さむ…い。

…。


…。


…。


夢を見ていた。


夢の中でも、俺はテスト前日の夜、ギリギリの所で鬩ぎ合いをしていた。


テストを作るか。

面倒臭い。

でも、作らないとヤバい。

でも、面倒臭い。

きっかけが欲しい。

何かテストを作るきっかけになるものが。


「そうだ、コーヒー飲んだらやろ。」

今まで、何度かきっかけにしていたコーヒー。


でもコーヒーメーカーで作るには、受け側の容器を洗い、一杯用の水の量を秤入れ、

一杯用のコーヒー豆を入れ、スイッチを入れる工程をしなければならない。





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