俺の好きな子。
久しぶりの投稿
毎朝同時刻、玄関のチャイムが鳴らされる。
「輝先輩ーーー?」と、
とても可愛らしい声で、絶賛片思い中の女の子、
霧野瀬若菜は俺を呼んだ。
「今出る!」
彼女が俺を尋ねて来てくれる、この時間が堪らなく好きだ。
「本の修復作業もあって疲れてるでしょ!
朝練の私に付き合って一緒に毎朝早く起きなくてもいい んだよ?」
「好きな子と一緒に登校したいんでね」
「ちょっ…、小っ恥ずかしいこと言わないでよぅ…!」
扉越しだが、若菜が照れているのがわかる。
少し恥ずかしいと、語尾が小さくなるんだよな。普段は元気いっぱいで声もハキハキしてるのに、こういう時だけはちょっとゴニョる。意味わからんくらい可愛い。
若菜は1個下の幼馴染で、俺の大事な後輩でもある。俺は部活の引退前と変わらずに、毎朝こうして若菜と一緒に登校している。
古書修理用の小さな工房(俺の離れと化している)の扉もとい玄関を開け、今日も彼女とご対面する。
「待たせてごめんな、おはよう」
「む…待ってはないし、お、おはよぅ…」
うん、声も可愛いが、照れて真っ赤になった顔も可愛い。
「じゃ、行こうか」
差し伸べられた手ははらわれた。
「別に付き合ってる訳じゃないんだし、手なんか繋がないから!さ、早く行くよ!」
照れてはいるが、声に覇気がある。少し怒らせてしまったみたいだ。
「おう」
(こうして毎朝家に寄ってくれてるってことは、嫌われてはないはずなんだけどな……)
一年に1回、計3回彼女に告白したが、全て濁されて振られた。
(どこがダメなのかと聞いても、そのままの俺が良いって言うし、告白自体は嬉しいって言うし、それは紛れもなく本心って言うし、こりゃ前途多難だな。)
勿論、彼女が俺を嫌いにならない限り、
諦めるつもりは無いのだけれど。
後で訂正を加えるかもしれません…
最初に考えてたストーリー展開とは少し変わりました。