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-世界を滅ぼさないために!
プロローグ
我が香乃家は、
先祖代々、古い書物を取り扱う仕事をしてる。この仕事をいつからやっているのかは不明だが、奈良時代の書物まで貯蔵しているため、随分と長いことは確かだろう。
戦時中も書庫を上手く守り、隠し通した。
その後持ち主が戦死したため、我が家で引き取ることになった国宝級の原本すら何冊かある。
丁寧な仕事と歴史のある家柄が評判を呼び、
現代でも主に修復と、引き取り手がいなくなった書物の保管、また緊急時の預け先としてお客様に頼りにして貰っている。俺は本が好きだし、綺麗になった本をお客様にお返しした時の笑顔がなにより嬉しい。だからこの仕事を気に入っているし、これからも続けていきたいと思っている。
……と考えていたのだが……
高校1年、香乃 輝
この度、「世話をしている書物にどえらい懐かれている」という(無機物に好かれる?)謎の理由から、
「盗跋隊」のメンバーなるものに選ばれ、好きな女の子と協力者達と一緒に、「盗賊義団」なるものから宝を守るために戦うことになってしまいました。
……警察に任せましょうよそこは。