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シュウマツの窓辺に白百合を〜異世界に「あたし最強!」で転生したのだけど、前世のヨメがいた  作者: 里井雪
運命の出会い

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魔法の学園

 後ろ髪引かれる思いが、むしろ、私の飛行速度を大幅に上げたようだ。木々の間を猛スピードで滑空していたら、昼過ぎにはホルツターバイテンに到着していた。例の宿屋に行くと顔馴染みになった主人が迎えてくれた。


「ほう。歓迎されたようですな?」


「ああ、ピアスやリボンですか? ええ。それはお察しの通りです。ですが、軽々に里の様子を話してはならないということも勉強してまいりました」


「なるほど。そういうことなのでしょう。まぁ、人である私が言うのもなんですが、人族の汚れを清浄な里に持ち込むべからず、ということなのでしょうね?」


「それは言い過ぎかもしれませんが、人には善人も悪人もいるということです」


「ま、禅問答はこれくらいにしましょう。お疲れになられたでしょう。早めに夕食をお出ししますので、シャワーでも浴びて来てください」


 確かに慣れない山登りもあったし、いろいろ緊張もした。その夜、私は泥のように眠り、翌日気がついたら昼前になっていた。これから出ても夕刻前に次の街にたどり着かないだろう。もう一泊、ホルツターバイテンに泊まることにした。


 なら、折角だから少し街へ。エルフの里に近いこの街だ。魔道具職人の腕も確かだろう。ふと思い立ち、魔道具屋を見つけ立ち寄ってみることにした。


「お邪魔します。この指輪とリボン、改造することは可能でしょうか?」


 フェアルにもらったリボン。幼く見えるのは恥ずかしいが、剣を振るうということを考えれば、ツインテは、髪が邪魔にならない利点もある。「変身」用指輪に装備として追加してもらえば、かなり実用的だろう。結局、変身後は、アニメキャラまんまになるのだが。


「かなり高機能なものですので、少々、お値段が張りますが…」


 金貨一枚を要求されたが、銀貨八枚まで値切ってみた。お小遣いはそこそこもらってはいるが、無用な散財は避けたいものだ。独立すると決めたのだ、いつまでも親の臑を嚙るわけにはいかない。


 卒業後は当然としても、魔法学園が少し落ち着いたら、何かアルバイトでも探した方がいいのかもしれない。セットまでには一時間ほどかかるというので、街を散歩することにした。


 本当にここは御伽噺の街だ。木組みの家々が立ち並び、透き通る水、黒い森からくる水だ、が流れる小川。硬度低めの軟水なので、そのまま手ですくって飲むことができる。


 何か土産物でもと思ったが、実家に帰るのは数ヶ月後になるだろう。ふと見ると、ピンク色の花、エリカが美しく咲き乱れていた。一本手折って持ち帰った。書物の間に挟んで押し花にしておこう。


 魔具屋に戻ると指輪の改造は完成していた。試着室を借りて変身を試してみたが完璧だ。ついでに髪も綺麗にセットしてくれる。さすがエルフの里近くの店、技術力は確かなようだ。


 例の宿にもう一泊した翌日、今日は早朝に目が覚めた。宿の主人に別れを告げる。ちょっとチップをはずむとニコニコ顔で手を振って見送ってくれた。町外れで人が見ていないのを確認し飛空を開始した。


 例によって前世流にいうと、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアと飛んで、五日目には王都から五十キロほど離れた魔法学園のある街、セヘルに到着した。


 このあたりはノルデンラードに比べ随分と暖かい。ナラやブナなどの落葉広葉樹に混じって、スギ、レバノン杉だろうか、美しい針葉樹も見える。


 セヘルは学園都市ということになるが、レベルファイブがいるというわけでもない。学生や職員、研究者が使う日常品や魔導具を売る店が多い。王都ほどではないが、裕福な学生目当てにお洒落な店も多少はある。


 だが、学園は全寮制で立派なレストランもあるため、毎日大繁盛というほどでもないようだ。とはいえ、学園関係者は貴族階級が大多数を占めるため、それに見合った商売をする店が大半だ。


 学園関係者に貴族が多いのは、魔力は貴族階級の子息が得意という事情による。いや、これは話が逆だ。魔力の強い者がこの世界を牛耳る支配階級になったということだろう。従って、支配階級の家系では、魔力の強い子が生まれ易いということに過ぎない。


 もちろん、平民の中でも強い魔力を持った子供が生まれることはある。だが、この学校は貴族や金持ち向けの入学金、授業料、さらには寄附金。おそらく日本の一般的な大学の十倍以上かかるだろう。とても庶民が払えるお金ではない。


 本当に魔法を極めたいと思う平民は、厳しい選考試験を勝ち残って奨学金を得る、という道を選ぶことになる。この奨学金は返す必要のないものではあるが、選考試験がとても難しく、倍率は百倍にもなるという。お気楽に推薦で入ってくる私などと違い、平民の生徒は選りすぐりということだ。

 ああ、そうそう。ちゃんと書いていなかったけど、リボンは、髪型を形状記憶するという効能もあるのよ。あれ? 書いたかな?


 ゆるぅ〜く。まったり物語が流れます。こういうの書きたかったんですよね。ずっとこうは行かないですが。でも。明日夜、ついに、ついに!! 物語が動きます。


 学園の規模は、悩みに悩んだのですが、学生数一万人とか描けないなぁ〜って。だから、一学年一クラス、二年という、超小規模にしました。ごくごく限られた学生が生徒で、研究などもやっている機関ということで。


 コロナ関係で延期、延期になったけど「とある科学の超電磁砲T 」が、そろそろ完結かな。レベルファイブうんぬんで、少しネタにしてみました。SAOもそうですが、昔からのアニメ、最初のころの記憶が飛んでいて、いまひとつ分からず観ていたり。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 18/18 ・ゆるゆるまったり系、癒されました。 [気になる点] 学費がクソ高い! 10倍とは厳しいですね。 [一言] ちゃんと学費を書く小説ってめちゃくちゃ少ない気がします。
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