表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シュウマツの窓辺に白百合を〜異世界に「あたし最強!」で転生したのだけど、前世のヨメがいた  作者: 里井雪
魔法世界の危機

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/187

魔法世界の会議

 お昼を回ったころ、カレストの街外れに降り立った。中心街と思しきところを歩いてみると、ギルド本部はすぐに見つけることができた。木造二階建ての大きな建物だ。玄関を入りディナ本部長への面会をお願いする。早々に、奥の部屋に通された。あれ? もう、オンライン会議の準備ができているようだ。


 お昼がまだな私に気を使ってか、サンドイッチと紅茶も準備されている。


「はじめまして。ルナ。カルスト本部長のディナです。お噂は予々(かねがね)。疲れているでしょうけど、これから会議に参加してほしいの。お昼を食べながらで問題ないから」


「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、いただきます」


 私の好みに合わせて、サンドイッチの中身は卵、ツナ、お野菜などだ。紅茶には薔薇の花のジャムが添えられている。


「今回の件は、魔族へのおそらく初の感染ということもあって、かなり大事(おおごと)になっているの。出席者を見て驚かないでね」


 うん? なるほど。もはやこの異変は、全世界的危機と捉えられたようだ。龍王、ギルドマスター、オリル十四世、アロン本部長、ディナ本部長、ジャン、ミチコ経由でリベカ、リリス、そして、なんと、魔王がオンライン会議に参加し、国連会議の様相を呈している。


「余はイザヤと申す。おお、お主が噂に聞くルナか? 美しい娘よのぉ。どうじゃ、世界の半分をくれてやる故、余と組んで人族を皆殺しにしてみんか?」


「どこかで聞いた陳腐な台詞ねぇ。うーーん。九割くれるというのなら、考えないこともなくってよ」


「がはは。この魔王に臆せぬ娘がこの世におるとは。気にいった! 前言訂正じゃ。余の妻にならんか?」


「私を男嫌いと知ってのプロポーズかしら?」


「待て、待て、魔王。戯言は後にしてくれぬか」


 たまらず、龍王が割って入った。千年の時を生きる魔法と龍王に比して、たかが百年の寿命しかない人族。こういう会議ともなると、格の違いを見せつけられる。もちろん、このイザヤは先の大戦を経験している。当時から魔族の主導者だったらしい。


 彼はオリル一世の魔力を()の当たりにし、形勢逆転、自軍の劣勢を素早く見抜いた。そして、直ちに和睦を申し出たのだ。(いくさ)というものは一旦始めてしまうと、引き際を見極めるのがとても難しい。素晴らしい判断力と、それを下支えする揺るぎなき指導力ということだろう。さらに彼が傑物であることを証明しているのが、和睦の条件だ。


 「このまま引いたのでは魔族内部で反乱が起き、収拾がつかなくなる」との恫喝を巧みに弄して、グリーンランドを魔族領として手中に納めたのだ。何と彼は、本来、負け戦であるはずの戦いで、領土拡大をまんまと手にしということだ。とんでもない知力をもったハードネゴシエーターでもある。まぁ、今は、ただのエロオヤジだが。


 私はブランで起きた一件についての説明を行った。


「うむ。それは魔族もこの災厄、魔法ウイルスから逃れられぬということだな?」


 魔王の声のトーンが変わった。


「そうだな。龍族、魔族、亜人、おそらくこれから人族にも広がっていくのだろう」


「広がる? それは、今回、眷属化された人族もウイルスの影響を受けたということか?」


 ギルドマスターと国王が割って入り、龍王が受ける。


「ヒト-ヒト感染するかどうかは今回の一件だけでは判断できぬ。だが、人族ならば安全という保証はどこにもない、というふうに解釈してもらえばいいだろう」


「魔王。一つ教えて欲しいの? 吸血鬼の眷属は吸血鬼本人が死んだらどうなるの?」


「うむ。ルナよ。吸血鬼は不死と呼ばれる存在。実態はその寿命が千年にも及び、日光に当たらぬ限り、滅することなどないということだ。だからな。未だかつて吸血鬼を(ほふ)った者などおらぬのだ。だが、一つだけ確かなことは、眷属化というのは魔法を使ったマインドコントロールでもある。魔法の元であるマスターが死ねば『我に返る』のが道理であろう」


「殺戮欲求に駆られ、日光に晒されるのも構わず、襲ってくるとは考えづらいと?」


「その通りだ」


「ならば。推察される選択肢は二つ。一つは魔法ウイルスはヒト-ヒト感染する突然変異を遂げた。もう一つは、元々、特殊な条件に合致すればヒト-ヒト感染するものだった。どう思うルナ?」


 龍王が問う。


「かなり確信があるわ。後者だと思う。『元々』というのは少し違うかもしれないけど。なぜなら、火龍やハーピィの件では、近づいた者が頭痛に襲われるということはなかった。確かに変異はしているけれど、今回のは意図されたこと。少なくとも単純、無制限に感染拡大するようなことはない」


「その確信は、なぜに?」


「悪魔に近い存在の魔王ならよく分かると思うの。一連の世界の異変は悪魔が仕組んだゲームよ。自然にあるものに、悪魔が巧みに干渉しているという意味で。彼から見てゲームである以上、つまらない結末を生むようなことはしない。悪魔は私たちが踠き苦しむのをじっくり観戦したいはずだから」


 セクハラは相手がどう思うか次第ということあって、私なら大丈夫と考えたのかしら? でも、この、エロオヤジ、なかなかの策士かもしれないわ。


 こういうところについてのルナは、とても強い何かを持っていますから、言い返せますが、リアルでやったら通報されますからね! エロオヤジってちょっと面白いかなと思って。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 127/127 ・敵の実態が分かってきましたね。おおこわい。 [気になる点] でもまだ大丈夫な感。 [一言] おいエロジジイなんてこと抜かしやがったんじゃ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ