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シュウマツの窓辺に白百合を〜異世界に「あたし最強!」で転生したのだけど、前世のヨメがいた  作者: 里井雪
冒険者の始まり

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認識票の色

 本部長は低いバリトンで話しを続けた。


「パーティ・ベルフラワーでしたね。当ギルド本部は、皆さんを歓迎いたします。ギルド所属の証として、認識票を準備しております。どうぞ、お受け取り下さい。まずは、リベカさん、エドムさん、ジャムさん」


「えっ!」


 彼が取り出したのは、シルバーの認識票だった。冒険者のランクは通常五つ。


 まず、デビュー。青色の認識票で、いわゆる見習いを表す。冒険者になりたての者は、だれか師匠について一年間の見習いを義務付けられる。この一年を終えた者ということで、次がブロンズ。緑色っぽい青銅色の認識票だ。次がコッパー、シルバー、ゴールドと上がっていく。


 ミッションもこのランクによって受注可能か否かが決まる。もちろん、この処置は冒険者の安全性を考えたもので、ランクと星というスタイルだ。最も難易度が高いのがゴールドの星五つ。


 これは、ゴールドランクの冒険者が五名以上いるパーティのみ受注可能を意味する。難易度が最も低いのがコッパーの星一つ。その意味するところは、ブロンズランクの者は単独、もしくは同ランク同士ではミッションを受注できないということだ。


 一般にデビューからシルバーまでは十年くらいの経験が必要と言われている。学園卒業生は、見習いを免除されブロンズが普通。優秀者の場合はコッパーが与えられることもあるが、シルバーは特例中の特例といえる。


「そして、ルナさんとミチコさんの分です」


 差し出された認識票は黒っぽい。レアメタルであるタンタルで作られたものだろうか。見たことも聞いたこともない認識票だ。同席していたリリスも首を傾げた。


「これは、全ギルドで十人といない方しかお持ちでないものです。ランクとしてはプラチナ相当ですが、旅の渦の利用が許可されます」


「な! なんと」


 旅の渦。これは噂では聞いたことがある。ギルド本部に密かに設けられているというワープ装置だ。本部間を瞬時に移動できる。ただ問題点、大きな危険がある。それはワープする際、この魔法装置は当人の魔力、MP(マナ)を消費する。その量が非常に多い。


 もし、万一、人がMP(マナ)を全量消費すれば? その人は死ぬ。しかもワープ途中での死だ。死者の魂は永遠に亜空間を彷徨うという、トンデモな最期になってしまう。


 私は大丈夫なのだろうが、ミチコがこれを与えられるということは、彼女の魔力もとんでもなく大きいということを意味する。魔力は正確には測定できないため、漏れ出す量から推測するしかないのだが、旅の渦を許可しているわけで、かなりの余裕も含めた推定値のはずだ。


 彼女は確かにプリーストとしてとても優秀ではあるが、パートナーでいながら、そこまで凄いとは思ってもみなかった。灯台下暗しなのだろうか。あるいは、悪魔の仕組んだ何かなのか?


「全て、ギルドマスターからの指示です。どうかお気になさらず、受け取ってください」


「アロン本部長様。このような認識票をいただけたこと、とても光栄に思います。ギルドマスター様の仰るように、私たちの魔力は破格かもしれません。ですが、私たちは、まだ、学園を卒業したばかり。どうか、敬語はおやめください」


「ああ。そうだった。むしろ失礼にあたるかもしれないね。ギルドマスターからの引き継ぎが、信じられぬくらいのものだったから、ついつい。このミチコ君の魔力も破格だが、どうやら推定は可能らしい。だが、それをも上回り、推定も何も不可能というルナ君は」


 敬語をやめた本部長はさらに続けた。


「魔力が溢れ出さない魔道具を装備していると聞くが、私も長く冒険者をやってきたから、分かるんだよ、とんでもないオーラが。ああ、すまない。超一流の冒険者を迎えて、どうも興奮し過ぎたようだ。昨日、着いたばかりで、何かと忙しいだろう。今日はこの辺で。引き続き、よろしく頼む」


 それぞれ挨拶をして、ギルドを後にし、家具屋を見て回った。リビングに置くテーブルは、よい物が見つかった。楕円形をしたマホガニー製のテーブル。シンプルな作りだがしっかりした材質で、長軸が三メートル近くある。八人。少し詰めれば十人がテーブルを囲めるだろう。同じ材質の木の椅子も十脚購入した。


 続いて、各自、好みのカーテンと部屋に置く追加の家具を購入する。引っ越し屋さんもそうだが、この世界の運搬は非常に楽だ。縮小して、瞬く間に、シェアハウスに運んでくれる。え? ダブルベット? ちゃんと買い直したわよ!


 買わない家具もひやかして、ああ、そうだ。そうだ!!


 この世界には表札屋という商売はないようだが、看板屋ならある。魔法の手助けもあるので、ちょっとしたものならすぐに作ってくれるのだ。


 帰り道で見つけたので立ち寄って、ベルファワーハウスの表札をオーダーした。二十センチほどの白い円形の板に、紫の五芒星。同色で「Bellflower」と筆記体で書いてもらった。Mac OSに入っているZapfino風のフォント。Fの文字が大きく下に伸びて、次のLとのつながりが、なんともいえず美しい。


 帰宅して、早々、玄関に飾った。

 認識票には驚いたわ! うーーん。プラチナの上がブラックって……。アメックス元祖のアレを連想した人がいるかもしれないけど、関係ないからね!


 異世界モノやRPG定番の転送魔法ですが、あんまり万能だと面白くないかなぁ〜と。なので、使用についての強い制約を付けました。ここで出したのは、今後、東の方の遠い国でのイベントがあるためだったりします。あ、その時は、ちゃんと時差も配慮してますよ!


 あと、中の人的に、文字の形をどう表現するか? で、少し迷ったですが、転生モノをいいことに、MacOSのフォントとか書いちゃいました。Winに比べMacのフォント、綺麗だと思うんですけど。慣れのせいかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 103/103 ・ギルドマスターの興奮ですよ。最近のギルマスは悪さして捕まるイメージですが、やっぱ、こういうのですよね! [気になる点] ルナさんならソニックブームを撒き散らしながら爆速…
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