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46話 ルールは破るためにある
ハシバミ色の光が降り注いでくると瞬時に何をすればいいのか理解できた。
――『術理解体』
魔王の攻撃に対して、自分が何するべきなのかと、何ができるのかが瞬時にわかった。
提示されたその解法を検分するように私はアーツを展開する。
『ライトニングスコア』
雷電を纏ったセイクリッドが振動し始め、音が生じ始める。
すると騒音が消え、内臓に走っていた痛みが消えた。
目の前ではハーデスが魔王と対峙しており、こちらには注意を割いていなかった。
攻撃するならば今が好機だ。
足に力を籠めると一気に魔王と肉薄して、切りつける。
『雷鳴切り』
体から青いオーラが生じると剣速が加速して、魔王の身体に幾筋かの剣線を残していた。
魔王が新たに力を開放し攻撃してくることに備えて下がろうとすると体にハシバミ色のオーラが生じた。
『キリングバイブル』
まるでこれまでのパターンを破るように、更に『雷鳴切り』を魔王に向けて繰り出した。
そうすると魔王の身体を中心に空気が圧縮され始める。




