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43話　魔王被害者の会

「新しい、新しいぞ！」

　望遠鏡を魔王との戦いの現場から10㎞は離れた地点で神は戦いの様子を眺めていた。

　しきりに「新しいぞ！」と叫ぶこともう100回目

　今、彼は久しぶりに補給された知的好奇心を満たすものに対して狂喜乱舞していた。

「うるさいわよ、変態！　ブッコ〇スわよ！」

　そんなヤバめな彼の頭を沌神が容赦なく拳で打ち据える。

「これで何度目じゃ、このやり取り……」

　彼らと同じ様に魔王との戦いを観戦してる貴神がささやかな苦情を口から漏らす。

　―｜―｜―

　決定打になる攻撃が入らずに魔王との攻防を続けると、接近して攻撃を繰り出そうとしたハーデスが拳を食らい吹っ飛んでいく。

　地面を一度ぶつかり、跳ねると空中で態勢を立て直す。

「手数が多すぎて対処が追い付きませんね。一度魔力で一帯をキレイにしまう方がいいかもしれませんね」

　立て直したハーデスは誰に伝えるべくもなく、そうごちる。