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38話 神の加護は違反切符
「ええ、そう考えないと現在進行形で起こっていることに関して説明が付きませんから」
ハーデスはそう簡潔に答えると言葉を続ける。
「もし前世であったとしても妻である人が不幸になる選択を僕はとってほしくないです」
ハーデスはしかつめらしい顔つきでそうこちらに語り掛けてくる。
不幸になる。
おそらくペルセポネが昨晩伝えてきた、私がこのままいくと死亡するということだろう。
「神の加護を受け取った時点でそれは避けられないことだし、貴様が気に入らないとしても私には帰還する必要がある」




