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37話 特定


「妻の口――おそらくあなたの生まれ変わりの口から酔っている状態ではありますが聞いたからです」


「貴様の妻、ペルセポネが私の生まれ変わり……?」


 想像だにしていなかった事柄をいきなり突き付けられ、理解が追い付けなくなる。

 確かに紅茶のことや、私の進路について知りすぎているきらいがあったわけだが、自分の生まれ変わりだとは考えもしなかった。

 考えたとしても未来の自分の近くに居る人間かとかその程度だ。

 こちらの様子から説明が必要だと察したのか、ハーデスは更に言葉を続ける。


「どうにもアナタと妻は口調も所作もに似すぎていますし、妻が時折話す嫌にリアルな話に出てくる妻が分身と呼ぶ女剣士にあなたは酷似しているんです」


「それで私とペルセポネが同じ人間だと」


 ハーデスの説明を聞いてもまだ呑み込めないが、そんな嘘をつくようには見えないのでっひとまず信じることにする。




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