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36話 スピリチュアル系好青年
武神の言葉にハーデスは溜息をつくと、悩まし気に目を閉じる。
「あなたの決定に干渉するかもしれないのであまり言いたくはありませんが、それではあなたは納得しなさそうですね」
再び目を開けるとハーデスは覚悟したような目でこちらを真っすぐ見つめた。
その目から攻撃的なものは感じないが、何かを変えようとする気概のようなものが感じられる。
ハーデスの目の奥にある真意を確かめるために、私は真正面からその視線を受け止めた。
「貴女に再三にわたって警告や、神に関わるなと言ったのは、僕があなたの行末を知っているからです。このままでは碌な結末を迎えない。あなたには幸せになってほしいのです」
ハーデスの自分の行末を知っているという発言に面くらい、自分の身を案じると言った発言に少しだけ頬が上気する。
浮ついた心をきりすて、行末を知っているということがどういう意味なのかハーデスに尋ねる事にする。
「なぜ私がどうなるかを貴様が知っているのだ?」




